森谷明子のレビュー一覧
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初めましての作家さん。
式部が探偵役というから、何をさせるのかと思っていたけど
派手に立ち回るわけではなく、日常の謎系です。
しかも物語の目線は式部に仕える小少将「あてき」。
大雑把に説明すると、あてきが一人で推理して空回りして最後に
式部に相談して問題解決という流れなんだけど
3部構成になっていて、時期が飛んでいる。
あてきの女としての生涯という見方もできるし、
式部が作家としての使命に目覚めていくという見方もできる。
いやぁ~紫式部の印象が随分と変わりました。
そういう意味でも2部の謎のスケールが大きくて読みごたえありです。
平安の華美に過ぎない都の様子が楽しかったぁ -
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伊坂さん目当てで購入。
最初、どこか伊坂さんぽくないなぁと思ったのは、女性が主人公だからかな。何人かの語り手のなかに女性がいるパターンはあったけど、完全に女性が主人公と言うのは、伊坂さんでは珍しい気がします。設定もぶっ飛んでなくて、どうなのかなーと思い始めた頃に楽しませてくれるあたり、さすがですね。今回は他の作家さんの話とリンクしてたりして、この遊び心溢れるところが、やっぱりこの人が好きだと思わせてくれる。
他の作家さんもとても良かったです。皆さん職業のチョイスがいい。華やかさはないけど、裏方で大事な役割を果たしてるような、普段全く意識したことないような仕事が多くて。こんな仕事もあるのか、 -
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源氏物語の作者紫式部に仕える女房安手木を主人公に据えた源氏ミステリ。
まずこれが作者森谷明子さんのデビュー作であることに驚く。
実に良く出来たミステリです。
私は馬鹿読者なので最後の最後まで犯人の使いをさせられた女童が誰なのか全くわからないまま読み進めていたのでラストには文字通り「あっ!」と言わされましたw
いやぁ、ほんとうによく出来たミステリでした、楽しい読書になりました。
しかし、これは源氏物語入門書にはなりえません。
源氏物語にそれなりに精通していて始めて楽しめる本です。
まずは王朝文化や風習を知っていないとこの本を半分も楽しめない。
源氏物語にちょっとも触れずにこの本にたどり着く方 -
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「源氏物語」をはじめて読んだのは、高校1年のときです。なんで、時期まではっきり覚えているかというと、夏休みに勉強の合宿があって、そのときに渡された本が、「源氏物語」の現代語訳の抄本だったのです。
で、あんまり、いい印象がなかった。主人公が、好きじゃなかったですからねぇ。昔から、意味もなくもてる男には、反感が(笑)まぁでも、女の子のキャラがたっているのは、とても印象的でした。
で、その後、大学の古典で「源氏物語」を勉強する様になって、その前後で、「あさきゆめみし」を読んだら、けっこうおもしろくて、しかも、古典の授業が、今までになく良くわかる(笑)ということがあって、何回か、自分のなかで「源氏物 -
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ものすごーーーくおもしろかったーー! 紫式部が探偵役のミステリ。わたしは特に、源氏物語から抜け落ちた帖の謎を解くところがすごく興味深く、おもしろく読んだ。普段、ミステリ読んでも謎解きはどうでもいいや、って思ってるのに、前に戻って場面を確認したりするほど。よくできてる、と思った。説得力があって、この作品で描かれていることが実際あったに違いにない!と思えてきて。あと、光源氏が死ぬ場面をああいうふうに処理にするまでのいきさつもすごく興味深くて、なんだかぞくぞくするほどだった。それと、藤原道長の描かれ方も印象的だった。政権を握ることしか頭にない策略家みたいにいわれるけれど、本当は文学や風流を愛し、本を
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分厚い本なんですが、中身は三部に分かれています。
主人公の「あてぎ(阿手木)」の御主である紫式部を探偵役に据えて、話が進んでいきます。
推理小説として、トリックは別段目新しいものではないんですが、小説としては面白いと思いました。
源氏物語は、原作は古文で読んだだけで(笑)、それでも気になるから、瀬戸内寂聴とかが現代語訳したものを一応は読んではいるんですが、いまだなぜこの物語がこんなに長い間残っているのか、分からない(笑)。もののあわれが分からないってことだろうか?(笑)
まあ、そんなことはともかく、物語作者としての業とか、予想外のことが描かれていて、読み始めると、そう時間もかから -
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「お仕事」アンソロジー小説。
伊坂幸太郎、原田マハという文字に惹かれて読んだらまさかの3でしたが、アンソロジーなので問題なし!
原田マハさんの美術品を運ぶスタッフの話、
伊坂幸太郎さんの新幹線の清掃スタッフの話が特に読みやすくて面白いな〜と思ったけど、そのほかにも
日明恩さんの救急情報センターの通信員の話
森谷明子さんのベビーシッターの話も面白かった!
ラブミーテンダーの曲、聴きたい。
アンソロジーは知らない、読んだことのない作家さんの本も読めてとても良いし、短編でさくっとよめるのもありがたい。
ラブミーテンダーの中で、働いてるお母さんが話していた言葉が残ってる
「主人のお給料だけでも -
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俳句甲子園と聞いて、俳句を作って審査され出来がいい句が優勝する大会かと思ったら違った。
5人で1チームの団体戦。俳句は兼題にそって3句作り、事前に提出しておく。大会当日は自分たちの句を読み上げ、相手チームがそれを被講し質疑を重ねる。これを両者繰り返し、句の出来による作品点と、相手の句への理解や表現などを指摘する力を問う鑑賞点が審査員によってつけられ、合計点により勝ち進むトーナメント方式により行われる。
作句で散々検討するのはもちろん、提出から大会まで間があり、そのあいだ3句それぞれの17音の世界を突き詰める。
相手校からどのような質問がこようとも、この言葉、この表現しかないと言える思いを短い