藤沢令夫のレビュー一覧

  • メノン

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    「徳とは何か」についての議論はソクラテスとメノンの対話形式にして書かれたもの。

    「知識は教えられるが、徳は教えられるのか?」とか、「徳はどうやって学ぶのか」とか。


    ソクラテスの誘導尋問的な質問の数々をたどると、不思議といつの間にか書かれていることが正しいように思える。これが対話編の魅力であると思う。

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    2012年06月03日
  • 国家 下

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    プラトン以降の歴史は全て、彼の手の平の中だったのかもしれない-そんなことを痛切させれらる。とにかく国家の形態とその推移に関する分析は圧巻だった。ここでプラトンは自由と平等を愛する民主主義というのを決して優れた国家形態とはみなしていない。またこの制度は富者が支配する寡頭制に対する反発として、寡頭制の次に必然的に現れるものと考察している、正に歴史がそれを証明している通りに。そして何より恐ろしいのは、この民主制というのが自由と平等を愛する結果、守るべき秩序も失われ僭主独裁制、つまりファシズムを必然的に生み出すものと描かれているのだ。そう、歴史は今まさに、その事実を証明しようとしつつある。

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    2012年04月11日
  • 国家 上

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     プラトンの『国家』、共産主義思想の原点であるとか、ナチズム的全体主義を正当化するために利用されたとか非常に悪名高いテキストなのだが、実際に読んでみると、なるほどと首肯する発言が多々あった。
     理想の国家、理想の王国は現実では不可能であることが、壮大な歴史的実験によって証明された。とはいえ、なぜ国家があるのか。国家のあるべき姿とは何か、その使命とは、という方向性については決して間違っていないと思う。ユートピア工学ではなく、ピースミール工学によってよりましな国家というものを創っていくしかないのだ。

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    2012年02月09日
  • メノン

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    人を治める人には「徳」があってほしい。
    というか、「徳」って、自分にもあったらいいな。
    でも、
    「徳」って教えられるもの?
    「徳」ってそもそもなんだ?
    プラトンに導かれしばし考えてみてはどうでしょう。
    「教えられる」vs「想起する」
    についての考察ツキ

    プラトン初心者向きだそうです。

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    2011年12月29日
  • 国家 下

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    『国家』の第6巻~第10巻までを収録。プラトンの正義論については、ポパーはじめ多くの批判的意見が提出されてきた。しかし、洞窟の比喩、エルの物語など、いまなお人の精神にゆさぶりをかける優れてアクチュアルな内容が含まれていることは間違いない。その意味で、やはり『国家』は第1級の古典と言えるだろう。

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    2011年06月09日
  • パイドロス

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    プラトンの中期対話篇。

    「恋(エロース)」について
    恋を"美のイデアを想起する神的狂気"と規定して、想起説や魂-三部分説を援用しながら称揚し、打算的な観点から恋を貶めようとする議論を批判する。恋とは、功利的な i.e. 即物的な立場からその是非を論じるべきものではないのであり、現世的な実用主義を超えた形而上的な観点から論じようとするソクラテス=プラトンの姿勢には、一面に於いて共感できる。但し、私の場合は、恋をイデアとの結びつきを根拠にして称揚するのではなく、合理性を超越しようとする実存の投企として肯定するのであるが。本筋とは関係ないが、人間の五感の中で視覚を最重視する

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    2011年03月27日
  • パイドロス

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    プラトンの著作ではおなじみ、ソクラテスとの対話形式です。
    固有名詞が多くて注釈を何度も行ったり来たりしなければなりませんが、内容は哲学なのにかなり簡単。
    ただ、「恋」の概念とか、現代の日本人にはない発想なので(古代ギリシャですから……)、共感できるものかどうかは……?

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    2009年10月30日
  • 国家 下

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    有名な「洞窟の比喩」が出てきます。
    私のゼミでは「洞窟」=「現代の映画館」論へ強制的に持って行かされます。

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    2009年10月04日
  • 国家 下

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    上巻を読み終えてからしばらくたちました、ようやく読み終えたプラトンの『国家』。イデア論を中心に、ソクラテスとグラウコン、アディマントス兄弟の答弁は続きます。知ること、知識こそが真理を見出す唯一の道といい、感情がいかに芸術を求めようともそれを切って捨てることが正義。ホメロス批判が響きます。上巻で取り上げられた『ギュゲスの指輪』に対する答えも一応答えられています。結局は本心の問題。死後の世界が巻末に広がりますが、当時の価値観としては意味がある答弁だったのでしょう。黄泉の有無よりも、そういった恐怖信仰以前の人間の本性としての正義を追及した点で哲学のすばらしさを感じます。今より2500年ほど昔に、この

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    2009年10月04日
  • 国家 上

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    ソクラテスとその他の知者達の問答によって国家のあり方を問いただす。
    その答弁がとても新鮮で興味をそそられました。
    万物の起源、世界とは、追い求めていたタレスから始まる哲学が、ソクラテス=プラトンによって大きく転換していく様がよく分かる。
    少年愛好とか論点が理解不可能な部分は時代の背景で仕方が無いとして、国家と人の類似やその内容は面白い。
    『ギュゲスの指輪』のグラウコンの問いは心を捉えました。


    09/3/11

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    2017年09月17日
  • 国家 下

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    若いころに政治に熱心だったプラトンは、ソクラテスの裁判以後哲学に傾倒していくが、それでも政治に対して完全に決別できず、どこかで、ソクラテス的哲学と、政治の融合できる方法を探していた。しかしこの両極の二つが融合するには、そこに揺るぎない理論的支柱がなければならない、その確信が得られたのは、プラトンがアカデメイアを創設してから10年もの歳月を要した。
    その哲学と政治の融合、哲人政治をこの「国家」によって明らかにしたのである。

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    2009年10月04日
  • 国家 下

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    すごく難しく感じた。文章は読みやすいけれど。
    〈正義〉について。現在のリベラルにつながるのかな?そのエッセンスが凝縮されたような印象を受けた。その教育の形態等も、学びになる部分が多い。

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    2026年04月06日
  • 国家 上

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    かかった時間
    11時間!
プラトンのその他の著作は短いですが、本書は中々骨太でした。

    概要
    本作は、正義について説いた作品である。作中内での主要な問いは、以下の3つである。
    ・正義とは何か、正義が実現する状態はどのようか
    ・正義が実現する国家はどのようにして可能
    ・正義を守る人自体にもたらす便益は何か    
    これらの問いを中心に、ソクラテスとその弟子の対話形式という形で論が展開される。
    1. 正義とは何か
    国家における正義とは、統治者と補助者と生産者の三階級が、それぞれ固有の特徴を発揮し、それに専念することを指す。そのような正義が実現した国家には、節制と勇気と知恵が存在する。勇気は軍人に宿

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    2026年02月07日
  • ソポクレス オイディプス王

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    ネタバレ

    かかった時間
    50分

    感想(ネタバレなし)
    西洋哲学の本を読んでいると、ギリシャの古典作品への言及が多いので、試しに読んでみた。
    シェイクスピアのリア王挫折、サロメもファウストも楽しめなかった私にとって、正直王が出てくる古典的な物語は苦手意識がある。念願だったオペラも爆睡するぐらい、古典的な劇も苦手。

    (本当にシェイクスピアがトラウマレベルのつまらなさで、もし面白い作品があれば再度挑戦したいので教えて欲しいです...。気概はあるんです...。)

    しかし、本作品は短いし、面白かった!!!!
    一気に面白くなる場面が来たとき、心の中で、「おっとー?^_^^これは!!!まさかの!!!もしかして!

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    2026年02月06日
  • 国家 下

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      難しすぎる。幾何学など書いてあり、しかも図も載ってあったのだけど、文系には難しすぎるので、半分くらい読んで断念_(:3」z)_
     碁の話が出てきて、古代ギリシアにも碁があったのかと調べたんだけど、訳者の訳し方で使われてて、実際、碁はギリシアには使われてなかった。ある意味勉強になった。

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    2026年02月02日
  • パイドロス

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    ソクラテスはお釈迦様やイエス・キリストのように真理を悟った聖者には至っていないものの、本質への思索はかなりいい線まで行っているように思えます。

    魂とかスピリチュアルな要素を含んだ哲学ですね。(魂も仮想で実在ではないのだろうが…)

    今のような情報化社会ではない、はるか昔にこんな賢者がいたとは驚きです。存在自体が奇跡的です。

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    2025年12月27日
  • メノン

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    最初に読んだ時は、「徳は教えることができるか」と「√2の求め方」に何の関係があるか、理解出来なかった。
    再読し、「人間本来の知恵や本性は教えられうるのか」が共通するテーマだと理解できた。が、私の関心は徳そのものであり教示の可否ではなかったので、またも徳の理解には及ばなかった。

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    2024年12月10日
  • パイドロス

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    ネタバレ

    「自分を恋するものより恋していない人に身を任せる方が良い」という一見常識に反するリュシアスの言説を聴くことを発端に、恋することについて、そして弁論術批判についてソクラテスがミュートス(神話)を交えながら滔々と語るという内容。魂がかつて見た美のイデアへの欲求(エロース)の芽生えとしての恋を語り、弁論術に本当に必要なのは哲学により物事の真の姿を問答することであると語ることでどちらの主題も哲学礼賛へとつながるようになっている。
    一読した感じだと最後の方の弁論術批判の辺りがよくわからず、うーん?となってしまった。しかし解説はさすがのさすがで過不足なく要点と解釈がまとまっており、そうだったのか、なるほど

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    2023年12月21日
  • 国家 下

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    ネタバレ

    下巻は洞窟の比喩、善のイデアの役割、様々な政治形態の国家とその国民の性格の解説、詩人追放論、あといつもの巻末魂の不滅神話など。国家の様々な政治形態のくだりの、形態から別の形態への移り変わりの部分はプラトンの洞察力のすごさを感じた。
    下巻まで読むと、正義の議論で始まり正義の議論で閉じるきれいな構造もあって見通しが良く感じるし、イデア論・四徳・洞窟の比喩・魂の不滅など有名な理論がそろい踏みするので壮観でもある。ただそれらは国家論の下敷きであって、その上に立った壮大な国家論こそがプラトンの思想の結晶というべき存在なのだろう。解説にもあったが、ソクラテスの徳や正義の問答、魂を磨き続けるという目標と自ら

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    2023年12月15日
  • 国家 上

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    ネタバレ

    訳が藤沢令夫氏で非常に読みやすい。1979年の訳とは思えない。
    最初の正義問答は面白かったけど、すぐにソクラテスの独り舞台となってしまう…というか、「パイドン」といい、プラトンが自分の思想を開陳する時にそうなっているんじゃないかということに気づいた。アカデメイアの講義もこんな感じで、ひたすらよいしょされながら話を続けていたのだろうか。

    正義とは何か→国家における正義とは何か→個人における正義とは何かという感じで探究する中でプラトン理想の国家について語るのが上巻の主な内容。有名な「知恵・気概・節制・正義」や哲人政治などの要素も出てくる。
    私有財産や貧富の差が国家を堕落させる、というところから始

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    2023年12月09日