藤沢令夫のレビュー一覧

  • メノン

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    ソクラテスとメノンの対話。「徳は教えられうるか」という問いから始まり、徳とは何か、をソクラテスの問答法を用いて探求する。
    会話形式なので読みやすかったし、時代背景や執筆年代、思想の解説も有難い。パイドン、パイドロス、国家を読む前に読めてよかった。

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    2025年11月07日
  • 国家 下

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    ネタバレ

    上巻とまとめての感想。流石、古典中の古典と言うに相応しい。解説にある様に、国家(ポリティアー)と言うよりは正義論と言うべきか。
    ダイアローグで記載されるのでまだるっこしい所もあるが、これはプラトンの思考の過程を追っている様なものだと解釈している。トラシュマコスの正義批判も、必ずしも現実にあったこととは限らず、自分の思考を批判的に分析した上での自作自演的な言説なのかも。それとも、前半はプラトン自身の遍歴やアカデミア設立前で、沢山話し相手がいた時のものとか。いずれにせよ、後半はグラウコンたちも、おっしゃる通りです、しか言わないので、もうダイアローグでなくて良いのでは、と思ってしまうが。

    プラトン

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    2025年10月16日
  • メノン

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    「たしかにそのとおりです、ソクラテス」

    徳は教えられうるか? 徳とはなにか?ということについて考えてはいないから、良い議論ではないのだが……
    徳は生まれ持っての性質というのが結論であったか?

    「人は自分の知らないものをどうして探求できるのか」-想起によって。

    想起説 「自分で自分の中に知識をふたたび把握し直すということは、想起するということにほかならないのではないだろうか?」
    (世界にもともとあった真理を習得しただけで、思い出した、というのはね……)

    魂の不死

    ソクラテスによる形の定義……つねに色に随伴しているところのもの

    色の定義を持ち出したら循環するだけよな。

    少年奴隷とソク

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    2024年12月16日
  • メノン

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    ソクラテスの弁明の後に読んだ。藤沢先生の翻訳はかなり読みやすく、現代の本と比べても違和感なく読み進めることができた。
    内容は言わずもがなである。

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    2024年07月03日
  • ソポクレス オイディプス王

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    ずっとドキドキしながら、目を見開いて読み切ってしまいました。
    王が問い詰める場面では、ああああ、その辺でやめとこうよ…なんてつぶやきながらハラハラハラハラ。
    あぁ舞台で見てみたい!

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    2023年12月02日
  • 国家 上

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    プラトンの本に対する書評などおこがましいので、書評ではなく純粋な読書感想を思いつくままに述べたいと思います。本書は1000年後も読み継がれている名著だと思います。

    *日本語訳が読みやすいです。難しく、かつ微妙なニュアンスの表現をうまく日本語にされていて、本当に読みやすかったです。また巻末の解説が極めて有用でした。あの解説がなかったら理解度はかなり低くなっていたと思います。

    *本書は「国家」という題名ですが、まず正義とは何かという命題からはいります。そしてそれを深掘りする過程において、理想の国家像を描き始めるということですが、テーマはかなり広く感じられます。ただ読み終わって改めて思い返すと、

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    2023年04月26日
  • ソポクレス オイディプス王

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    最初にいつ読んだのか覚えていないのですが、そのおかげで大変面白かったです。
    当然あらすじは知っているわけですが、かなり緊迫感を味わえました。
    特に第3エペイソディオン以降は、第2以前と比べて短く、テンポが上がるように感じるのですが、その中で悲痛な展開を畳みかけてくるのでたまりません。

    父殺しと母子相姦の運命。これ自体は合理的な設定ではないというのは、既にアリストテレスが『詩学』15章で指摘しているのですが、その運命の枠内において迫真の物語が展開されているのがすごいんですよね。
    オイディプスは、運命を覆すことのできない無力な人の子に過ぎないし、怒りによって他人(クレオン)を無実の罪で死刑にしか

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    2023年01月15日
  • ソポクレス オイディプス王

    購入済み

    オイディプス王

    あってはならない恋愛で、それが叶ってしまったことによる辛さ悲しさに共感する。西洋文学の中ではとっつきやすくページ数も少ないため読みやすいと思う。

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    2021年07月26日
  • パイドロス

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    後半に打ちのめされた。「饗宴の続編とも言うべき」なんてとんでもないじゃないか。

    「読むこと」によって知ろうとすることは無知ゆえに危険だろうし、愚かなことかもしれない。しかしソクラテスのような人と議論できる訳でもない場合、本以外にどんな手段が望めるというのだ。せめてプラトンが対話式で書いてくれていることが希望の救い。よくよく考えてみなければ。

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    2021年07月24日
  • 国家 上

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    なぜ今まで読まなかったんだろう。
    タイミングなのか。

    とても分かりやすく書いてある。とはいえ、対話についていくことができるということで、それを「知った」とは言えないだろうけども。

    この訳は現代的に思える(苦労しない日本語)けども、1979年が初版なんて、驚いた。

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    2021年07月12日
  • ソポクレス オイディプス王

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    オイディプス劇という言葉は、よく使われるので知っているが、実際に『オイディプス王』を読んだことはなかった。古代ギリシャの文脈があまりわからずに読んでも十分面白かったと思う。
    ギリシャ悲劇に興味を持ったのは『誰のために法は生まれた』がきっかけで、よくわけもわからずに法学部に入ってしまって途方に暮れているときの一筋の希望の光かもしれないと思ったのを覚えている。実際に(やっと)読んでそれは多分間違っていないと感じることが出来た。

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    2021年05月03日
  • ソポクレス オイディプス王

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    基本会話文で書かれており、ページ数も多くないので、すごく読みやすかった。有名な話なので、ある程度内容も知っていたのもあるかも。

    父親を殺し、母親と交わるという話は冷静に考えてみてもぶっ飛んだ話だが、これがいわゆる"エディプス・コンプレックス"の元になっている。

    前半オイディプス王からは王としての威厳が感じ取れるが、真実に近づくにすれ絶望的な心境に陥っていく姿が印象的。なんとも儚い。

    「父と子の戦い」と言われると、なんとなくスターウォーズのルークVSベイダーを思い出してしまう。ひょっとして『オイディプス王』の影響を受けていたりするのか、、?

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    2021年04月29日
  • ソポクレス オイディプス王

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    ネタバレ

    読み進めるにつれ、読者にまで緊迫感がありありと伝わってくる。
    最高水準の表現がちりばめられていた。

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    2021年02月01日
  • 国家 下

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    現代にも通用する政治思想のエッセンスに加え、価値の原理のルーツともいえる「善のイデア」に関して解説した壮大なる古典。これが2400年前に書かれたという驚愕の名著。

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    2021年01月06日
  • 国家 上

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    「国家はどうあるべきか」のような明らかに答えが無い高レベルな問いに対して,つぎつぎと答えがつけられていく様は爽快.根拠は無いが指針を示してくれるものを見てスッキリしたい方にはおすすめ.

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    2020年05月03日
  • メノン

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    今までの読んだプラトンの作品に比べて、反論なく円滑に議論が進んでいくので分量も少なく読みやすい。

    「徳とは教えられるのか」についての議論だが、そもそも「徳とは何か」に議論がすり替わる。

    というのも、それがどうであるかはそれがどのような性質のものかを定義づけなければ語ることができない。これは日常的な会話にも言える。

    例えば旅について語っても、「一人なのか複数なのか」、「どこにいくのか」、「目的は何か」と性質を限定して定義づけなければ、議論は想定違いの結論を生みかねない。

    話がずれたが、本書では『パイドン』で語られていた想起説やイデア論について述べられており、合わせて読むとプラトン哲学をよ

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    2020年02月20日
  • 国家 下

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    「洞窟の喩え」の出典でもある「国家」下巻。
    正しいものごとを理解していない人、そしてそういった人々へ真実を伝えることの難しさ、その中でどう振る舞うべきなのか。
    そういった困難を比喩の力で見事に表現しきっている。

    画家、詩人について喩えるくだりで語られる、使う人と作る人、そして真似る人。
    ここでは何にも増して、使う人の考えこそが重要であると語られる。
    これは現代社会においてもUXの重視という形で語られるものであり、普遍的な価値が語られていることの証左でもあろう。

    人物から国家に飛躍し、様々な形態の国家について吟味する。
    そして国家という粒度での議論から、当初の問題であった正義と不正、正義「の

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    2019年09月04日
  • ソポクレス オイディプス王

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    運命を聞いて逃げようとしたのに、結局予言通りになってしまった悲しい話。オイディプスの娘たちへの想いを語るとき、とても辛い気持ちになった。

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    2019年08月03日
  • 国家 下

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    ソクラテス先生「正義」の話をしようの巻

    「国家」という邦題が付けられているが、
    最後まで読めば解説に書かれている通り
    「正義」がこの本のメインテーマで有り、
    国家論に関しては、その一部だと分かる。

    多くの人が指摘しているが、洞窟の比喩や
    国家論の「民主制から独裁制が生まれる」
    という指摘は現代人も舌を巻く観察眼である。

    最後のエルの物語はプラトンの師への想いが感じられ、
    輪廻転生の概念がギリシアにも存在することが分かって興味深かった。

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    2019年01月19日
  • 国家 下

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    下巻もサラッと読み終わる。翻訳は読みやすい。しかしきっと原著がまだるっこしい。
    知的探索の方法としてプラトンが対話を選んだことには理解を示しつつ、それが上手く機能しているのか、というと、どうだろう。
    1人に1つの役割、というプラトンの想定では、1人が自分の中で複数の意見を対立させる、ということが考えにくかったのか。
    もしくは、自分の中で対話をするにも、その仮想の対話をシミュレーションするにはいくつかの人格を置く必要があり、自己のなかのそれぞれの立場にソクラテスやそれ以外の名をつけたのだろうか。
    プラトンは実際には1人で本著を書いているわけだから、後者なのだろう。しかし、その前提になるのは前者、

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    2018年11月18日