藤沢令夫のレビュー一覧

  • ソポクレス オイディプス王

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    話の構成自体(内容は別として)は、今となっては定番というか、ある話。
    が、セリフの言い回しがすごく含みというか、わかりやすく奥もある感じがとても良い。
    古典傑作は伊達ではなかった。
    この悲劇もそうだけれど、喜劇、笑劇等々の作品は読むことが少なかったけれど、読んで愉しいとわかったので他のも読んでみたいと思った。
    次はマクベスでも。

    ちなみにあらすじはある程度知っていたオイディプス王ですが、事前に知っていても知らなくても面白いです。

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    2023年11月01日
  • ソポクレス オイディプス王

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    概要は知ってしまっていたのでどんなものかが分かればよい程度で捉えていたが、なかなかどうして、想像以上に面白かった。
    結末を知っていてもなお楽しめる。これが演出の力か。

    巻末の解説にもあるが、各登場人物が良かれと思って行動することによって少しずつ真実が明らかになっていく構図にワクワク感があり。
    また予言を避けようとして、結果的に予言の通りとなってしまうという無情さもまた心を打つ。

    複雑なのは、真実を知らねば、オイディプスはイオカステや子供たちとも幸せに暮らせていたという点。
    ただ、その真実が明らかになってしまったが故に苦しみ、自殺し、光や未来を閉ざしてしまう。
    それならば、真実など知らない方

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    2023年08月25日
  • パイドロス

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    ソフィストによる弁論術が隆盛していた時代に一石を投じた対話篇。

    最もらしく語るためには、語られる内容の真理を把握している必要があるだろうか?

    弁舌の内容とその本質に差異があるほど、嘘を見抜くのは容易くなる。しかし、語りの内容と真理が漸近するほど、その微差を見抜くのは困難になる。後者の近接性を生み出すには、本来的な真実の把握なくしては不可能だと説かれていく。

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    2023年05月07日
  • ソポクレス オイディプス王

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    テーバイ国のライオス王は神から「お前は自分の子に殺される」と神託を受ける。怖くなったライオス王は生まれたばかりの息子オイディプスを野獣がうろつく森に捨てる。捨てられたオイディプスは羊飼いに助けられて、子のいないコリント王に献上される。オイディプス、コリント王子として育てられ成長。ある日、オイディプスは神から「お前は父を殺し、母と交わる」と神託を受ける。オイディプス、おぞましい神託を回避しようと隣国テーバイ(じつは生まれ故郷)へ逃げる。途中、傲慢な老人に会い、侮辱されたので殺した。それが父ライオスだったが、オイディプスは知らない。テーバイに入り、スフィンクスを退治した功から、オイディプスはテーバ

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    2025年11月06日
  • ソポクレス オイディプス王

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    テーバイの王オイディプスは国に災いをもたらした先王殺害犯を追及するが、それが実は自分であり、しかも産みの母と交わって子を儲けていたことを知るに至って自ら目を潰し、王位を退く。アポロン神の残酷な神託から逃れようとすればするほど、父子ともに神託のとおりに陥っていく救いようのない悲劇。
    そもそも文字で楽しむものではないので、機会があれば舞台で見てみたい。とにかく筋立てが恐ろしくよく出来ている。が、単なる物語ではなく、「哲学」である。これがギリシア悲劇の奥深いところ。オイディプスは優れた人間で、しかもヒーローであるが、己れが“何者か”を知らない。人々のために災いの真相を解き明かそうとして、実は自分が災

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    2023年04月11日
  • パイドロス

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    ソクラテスとパイドロスとの対話で、弁論術についてをやりとりしている。前半は恋を主題にやりとりがされ、後半は当時巷で流行っている弁論について考察を重ねるような構成だった。しっかりと、注釈を読み込んでいないので、理解していないままの語もあり、内容を得心したわけではない。
    分割と統合を重ねる方法を説明しているところ(130ページあたり)が、私がなるほどなぁと思えたところだった。

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    2023年03月29日
  • ソポクレス オイディプス王

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    読みやすい分量にも関わらず、物語にのめり込ませ、悲劇のストーリーを無駄なく訴求する名作。アリストテレスも随所でおすすめしている様子。

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    2022年02月13日
  • ソポクレス オイディプス王

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    ネタバレ

    一気読みしました。


    ギリシャ悲劇の中でも傑作と謳われる
    理由がわかった気がします。
    思わず一気読みしてしまいました。

    最初どうなるかと思っていましたが、
    中盤を読んだらもう止まらない。

    オイディプス王の悲劇は、
    現代に例えて、教訓にするのであれば
    知らない事実もあって良い
    ということです。

    ソポクレスさんありがとう

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    2022年01月22日
  • 国家 上

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    「いかなる神も信じておらず、アテネの青年をそそのかして伝統的な信仰から離脱させた」として、ソクラテスは「毒杯を自分で飲む」の刑に処されることに。友人クリトン「逃亡の準備したから逃げて。あなたは判決が間違っていると主張しているのに、なぜ刑罰を受けるのか」。ソクラテス「裁判は不正だが、脱獄もまた不正。脱獄は善ではない。不正されても、不正の仕返しをしてはいけない。ただ生きるのではなく、善く生きることが大切」。プラトンPlato『ソクラテスの弁明・クリトン』BC399

    ポリス。人々は市民共同体として共通のルールの下で協力する一方で、名誉・名声を得る競争をしている。弁論術で他人を操作したいと望んでいる

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    2025年08月11日
  • 国家 上

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    ネタバレ

    対話の流れがはやすぎて時々迷子になった。
    興味深かったのが、どんな人にも固有にもつ才能があり、それを見つけ出して国家のために役立てることの重要性を話していた。
    知識という言葉はあくまでもカテゴリーという意味づけで〇〇の知識という使われ方をしていることを再確認した。

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    2021年06月20日
  • 国家 上

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    個人の話から国家、そして下巻の宇宙にまで広がるスケールの大きさたるや。
    壮大なものではありましたが、その国家がしっかりと個々の人間と対応していて、ある種の比喩になっているのが面白いです。
    下巻まで通読することをお勧めしたいです。

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    2020年11月03日
  • 国家 下

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    一先ず通読しました。
    厳しく合理的で誤解を生みそうなところも感じられましたが、熱くロマンがあって、尚且つ愛を感じる作品だと思います。素晴らしいです。

    復習したり、要所で読み返してみましたが誤読があるかもしれません。
    今度は参考書や研究書を読みながら多角的な視点で読み返したいと思います。

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    2020年11月03日
  • ソポクレス オイディプス王

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    こんなに短い、内容だって知ってる、何千年も前に書いた話が、読むと未だにめちゃくちゃ面白いし興奮するなんて、人間にとって時間て何なの?

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    2020年09月21日
  • メノン

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    ネタバレ

    ソクラテス とすると、有益であるという点にかけては、正しい思わくは、知識に何ら劣らないわけなのだ。
    メノン しかし、ソクラテス、これだけの差はあるでしょう。つまり、知識をもっている者はつねに成功するけれども、正しい思わくをもつ者のほうは、うまくいくときと、そうでないときがあるという点です。
    ソクラテス どうして?つねに正しい思わくをもっている者は、いやしくもその思うところが正しいあいだは、つねにうまくいくのではないかね。
    メノン そうでなければならないようですね。すると、どうも私には不思議になるのですが、ソクラテス、もしそうなら、いったいぜんたいなぜ知識は、正しい思わくよりもずっと高く評価され

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    2020年03月08日
  • ソポクレス オイディプス王

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    オイディプスが自らの人生を知って絶望していく中でも、それを逃げずに恐怖しながらも受けれていき、そして自分の子どもにも自らの口で伝えていくことは、私が目標としている自己受容のお手本と言ったら軽くなるかもしれないが、本当に尊敬できる態度である。

    自分が仕事を放置してしまい、今明るみに出ると評価が下がるだろうな こわいなとおもって事実から目を背けていることが本当に恥ずかしく思う。

    こんな自分の弱さを伝える勇気も与えてくれた自分にとって1つのきっかけとなる良書であった。

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    2020年01月02日
  • ソポクレス オイディプス王

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    ギリシア悲劇として名高い作品。
    恐ろしい神託から逃れようとし、自分の治める国のために努力し、予言通りの悲惨な道を辿る。
    「父親を殺し」「母親と交わる」とても有名な予言だけに誰もが結末を知っているわけだけれど、それだけに、自分の罪を知らぬ主人公が、国が衰退した訳を探し周り、故郷から離れ、羊飼いを問いただす様子が、あわれで、救いがない。無知の罪を知る瞬間の絶望感。あらすじを知っているだけでは、主人公の衝撃と絶望は伝わらないのだと思った。

    一度、劇で見てみたい。

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    2019年08月27日
  • メノン

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    哲学というものはやはり難しい…
    だけれどもこれぐらいだと、
    とっつきやすくはなるのかな…
    ただやはりそれでも独自の表現はあるけど

    確かに、徳は残念なことに
    教えることはできない代物でしょう。
    結局のところ教えられても
    それを自分で会得しなければ意味ないわけで
    それをしない人には意味がないのです。

    それは悪人を善人に変えることが難しいのと
    一緒なのかもしれませんね。

    この中にはあ、と思えることが多いと思います。
    先入観がいかに危険か、
    それはこの貴重な知の源を
    処刑により消し去った
    ある人物の発言がまさにそれでしょう。

    ただ哲学ですので…

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    2019年07月23日
  • メノン

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    問うことが如何に重要であるか、想起して探求と議論から解に近ずくことの大切さを徳という問いに対するソクラテスらの対話を通じて考えさせられた。

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    2018年03月22日
  • パイドロス

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    若いときにこんな古典をあまり読んでなくて今回初プラトン。何年か前に買って積んでいたのをやっと1冊解消。
    二千四、五百年前の異郷という時代・地理的距離もどのくらいのものか、日常生活の感覚の何がどう違うのか同じなのかつかめない。
    弁論の評価とはいえ恋の口説き文句(しかも時代状況から少年愛、いまから見るとBL的前提だ)という卑近な話題から始まるあたりに親しみが持てる。そして論理的に推論し常識・直感に反した主張に至ったのをいったん高く評価しかけるもソクラテスがはたと考え「恋ってそんなにくだらないことなくない?神様の賜物じゃん?真理を求めるのと同じ崇高な精神じゃん?」と異論を高らかに詠い上げる。かじり読

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    2017年10月14日
  • パイドロス

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    30年前くらいに読んだものの、再読。

    そのきっかけは、
    ・対話という手法への関心
    ・「プラトン主義からの離脱」が個人の哲学的テーマ
    ということなんだけど、もっとも直接的には、デリダの「プラトンのパルマケイアー」という論文で「パイドロス」を論じてあることを知って、関心をもったこと。

    うーん、やっぱり、デリダの解釈、無理あるよ。まあ、脱構築って、正しい解釈ではなく、テクストの無数の読みを可能とすることなんだろうから、その無理矢理の手腕にただ驚嘆していればよいのだろうが。。。

    内容自体への感想としては、面白いたとえ話しがいくつもあって、楽しかったというところ。イデア論としては、主著

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    2017年04月30日