吉野弘人のレビュー一覧
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ネタバレ死んじゃったよ。(癌で享年72歳)トーマス・マクマトリ−、通称トム。
最後の最後にすべての力を出し切って脱獄してきたあのサイコパスな殺人鬼ジムボーンから、仲間(相棒のリック、親友のボー、検事長のヘレン、ジムボーンに殺されかけて瀕死の重症を負ったパウエル)の協力を得て誘拐された孫のジャクソンを取り返せた!
どうか、トム、リック、ジャクソンが殺されませんようにと祈るような気持ちで読んだよ。
普通は主役だし、予定調和的な展開になるだろうと思うけど、このジムボーンはヒール中のヒールでサイボーグみたいに強い。
これまでにもバンバン、トムのまわりの人たちを殺してきたから、更にフィリピン人のマニーという凄腕 -
Posted by ブクログ
年が明け、最初に読んだのがこの本。昨年の最後に読んだのが同じ作家のトム・マクマートリー四部作シリーズ完結編。そちらはスポ根と胸アツとリーガルミステリーが一緒になったような作品だったが、こちらはスポーツ小説とホームドラマとファンタジーが一緒になったようなノンジャンル小説。まさにジャンルの垣根を飛び越えても書きたい物語が胸の中に燃え上がっているような作家なのだろう。どの作品にも作家のどうしても書きたいものとそこへの情熱が込められていて、好ましいのだ。
作家とて商売。しかしそれによって生活しなければならない人生の資源であろう。才能を熟練の武器のように使いこなせる作家もいれば、どうしても書きたい -
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ネタバレ私にとっては、まさにパスタ小説(パスタをゆでてる間も読みたい小説by春樹)
読みだしたら止まらない。
このタイトルからしたら、(トムも膀胱がんを患っていたし)トムが死んじゃって終わりになるのかと思った。
けど、あと1作でいよいよラストになるみたいだ。
あー、ボーがあのブリー・カルホーンの”始末屋”マニー(フィオイピン人の女性)に殺されなくて良かった。
(間一髪でリックが来てくれて)
リックの父親の交通事故も、マニーが絡んでいたとは。
でも、トムがかかわる弁護に波及して死者がでるのは、どうなの。今回も友人のレル(私立探偵)の弟アルヴィンがマニーに殺されるし、裏でブリー・カルホーンと組んでいた弁護 -
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ネタバレ読書備忘録587号。
★★★★。
ザ・プロフェッサーの続編です。
リーガルサスペンスかも知れませんが、今回はサスペンス食も強いです。
前作で、癌を患って引退しようとしていたトムのケツを蹴っ飛ばして法廷に立たせた立役者、アラバマ大ロースクールでトムの教え子の黒人弁護士ボーセフェス・ヘインズが主人公。愛称はボー。
前作で、暗い過去があると匂わせていましたが、それは45年前に父親ルーズベルトをクー・クラックス・クラン、俗にいうKKK団に殺された過去。しかも5歳だったボーはその一部始終を見ていた。当時は、5歳児の証言は相手にされず、犯人は捕まらなかったが、ボーには誰が犯人か分かっていた。父親が働く農場 -
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クー・クラックス・クラン誕生の地、テネシー州プラスキ。幼い日、目の前で彼らに父親を殺された黒人弁護士ボーは、四十五年後の命日に復讐殺人を犯したとして逮捕された。親友の冤罪を晴らすべく、七十歳のロースクールの元教授トムと熱血漢の教え子リックの老若弁護士が、地元で負け知らずの女性検事を相手に矜持を賭けて法廷に立つ。胸アツ法廷エンタテインメント『ザ・プロフェッサー』の続編がついに登場!
シリーズ第2作は、前作でいい味を出していたボーの危機を救うべく、トムとリックが奔走する。いやあ、リーガル好きにはたまりません。小学館文庫さん、応援してますよ! -
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ネタバレ翻訳ものでこんなに涙するなんて…年齢的に涙もろくなっただけなのか。ただ、久しぶりに感動したのは事実。主人公は68歳の大学教授。妻に先立たれ、教え子とのトラブルや捏造された学生との不適切な関係を理由に大学教授の座も追われ、自らも癌に侵されていることが発覚、と徹底的に追い込まれている。一方、敵方は圧倒的財力とギャングとの繋がりなど地方都市を牛耳る運送会社のオーナー。過密スケジュールによって発生した自社の交通事故を隠蔽しようとする彼との訴訟が始まる… ややステレオタイプの悪役描写や被害者家族の苦悩といったイントロに辟易せずに読み進むと大逆転の第5部、法廷シーンが始まります。それからは感動のつるべ落と
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ネタバレ2作目も文句なく面白かった〜。
まさか元KKK最高指導者の老妻、気品があって美しいマギー・ウォルトンが犯人だったとはね。
今回は途中、ジムボーンに撃たれて(癌も患っているのに踏んだり蹴ったりな)トムの出番は少なめ。
代わりに若い相棒リックとパウエルといつも飲んだくれのトムの旧友(離婚弁護士)が大活躍。
でも、レイレイも元KKKでボー・ヘインズの父親(と信じてた男)を木に吊るした現場にいたとは…。
この小説の面白さは思ってもいない真実が後半に次々と明らかになることと、窮地に追い込まれて絶体絶命の危機に必ず、救いがやってくること。
今回もしかり、でもレイレイはボー・ヘインズをかばってしんじゃったけ -
Posted by ブクログ
おもしろくて、一気に読んでしまった。裁判ものというか弁護士物は海外ドラマで見たことはあっても、読んだことはあまりなかったかも。
優秀なスポーツ選手が引退後、スポーツ以外のキャリアでバリバリ働くことがアメリカでは当たり前?と聞いたことがあったが、小説でもそれを確かめられた気もした。
最終章でのどんでん返しがきもちいい。それまでの章では、味方同士の意思の疎通がうまくいかずぶつかったり、証人が脅迫や金銭で買収されてしまったり、殺されたりとうまくいかないことだらけで、どうやってあと数十ページでひっくり返すのかと思ったけれど、爽快なラストが待っていた。 -
Posted by ブクログ
元フットボール王者、弁護士になりその後は大学教授と地位と名誉を手に入れたトム。60代後半になり親友に裏切られた職を失い、ガンに冒されていることを知る。ひとつの交通事故の裁判を教え子のリックに託す。事故の背後にあるもの、妨害行為とうまくいかないなかで裁判が始まる。そこからが特に面白い。展開の予想はつくけれどそれでもハラハラする。なにを守るのか、大切なのは何かとそれぞれが自問する。60代後半になろうと、病があろうと逃げずに生きるということ。トムの姿に感情が込み上げてくる瞬間がある。誰かの、なにかのために全身全霊で闘う人たちの姿が格好いい。次作もぜひ読みたい。
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