吉野弘人のレビュー一覧

  • 最後の審判

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    ネタバレ

    死んじゃったよ。(癌で享年72歳)トーマス・マクマトリ−、通称トム。
    最後の最後にすべての力を出し切って脱獄してきたあのサイコパスな殺人鬼ジムボーンから、仲間(相棒のリック、親友のボー、検事長のヘレン、ジムボーンに殺されかけて瀕死の重症を負ったパウエル)の協力を得て誘拐された孫のジャクソンを取り返せた!
    どうか、トム、リック、ジャクソンが殺されませんようにと祈るような気持ちで読んだよ。
    普通は主役だし、予定調和的な展開になるだろうと思うけど、このジムボーンはヒール中のヒールでサイボーグみたいに強い。
    これまでにもバンバン、トムのまわりの人たちを殺してきたから、更にフィリピン人のマニーという凄腕

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    2022年02月01日
  • ゴルファーズ・キャロル

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     年が明け、最初に読んだのがこの本。昨年の最後に読んだのが同じ作家のトム・マクマートリー四部作シリーズ完結編。そちらはスポ根と胸アツとリーガルミステリーが一緒になったような作品だったが、こちらはスポーツ小説とホームドラマとファンタジーが一緒になったようなノンジャンル小説。まさにジャンルの垣根を飛び越えても書きたい物語が胸の中に燃え上がっているような作家なのだろう。どの作品にも作家のどうしても書きたいものとそこへの情熱が込められていて、好ましいのだ。

     作家とて商売。しかしそれによって生活しなければならない人生の資源であろう。才能を熟練の武器のように使いこなせる作家もいれば、どうしても書きたい

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    2022年01月02日
  • ラスト・トライアル

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    ネタバレ

    私にとっては、まさにパスタ小説(パスタをゆでてる間も読みたい小説by春樹)
    読みだしたら止まらない。
    このタイトルからしたら、(トムも膀胱がんを患っていたし)トムが死んじゃって終わりになるのかと思った。
    けど、あと1作でいよいよラストになるみたいだ。
    あー、ボーがあのブリー・カルホーンの”始末屋”マニー(フィオイピン人の女性)に殺されなくて良かった。
    (間一髪でリックが来てくれて)
    リックの父親の交通事故も、マニーが絡んでいたとは。
    でも、トムがかかわる弁護に波及して死者がでるのは、どうなの。今回も友人のレル(私立探偵)の弟アルヴィンがマニーに殺されるし、裏でブリー・カルホーンと組んでいた弁護

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    2021年07月31日
  • 黒と白のはざま

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    ネタバレ

    読書備忘録587号。
    ★★★★。
    ザ・プロフェッサーの続編です。
    リーガルサスペンスかも知れませんが、今回はサスペンス食も強いです。
    前作で、癌を患って引退しようとしていたトムのケツを蹴っ飛ばして法廷に立たせた立役者、アラバマ大ロースクールでトムの教え子の黒人弁護士ボーセフェス・ヘインズが主人公。愛称はボー。
    前作で、暗い過去があると匂わせていましたが、それは45年前に父親ルーズベルトをクー・クラックス・クラン、俗にいうKKK団に殺された過去。しかも5歳だったボーはその一部始終を見ていた。当時は、5歳児の証言は相手にされず、犯人は捕まらなかったが、ボーには誰が犯人か分かっていた。父親が働く農場

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    2021年05月25日
  • ラスト・トライアル

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    シリーズ第3作。引き続き面白かったが、これまでのようなサスペンスには少し欠けて、教授の心証に中心が置かれた内容だった。最近は不死身のヒーローではなく、主人公側年を取り、人生の終盤を迎えることをきちんと書く話が多くてとても良いが、これもその一つ。むしろ後書きにあった、更に続編が出ていることに驚く。これが大どんでん返しか!

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    2021年04月05日
  • 黒と白のはざま

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    第一作と同様に大学スポーツの強い絆を底流としながら、アメリカ南部地方に根強く残る白人至上主義の恥部を暴かんとする黒人弁護士が見舞われる痛切な悲劇が語られる。

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    2021年03月03日
  • フォルクスワーゲンの闇 世界制覇の野望が招いた自動車帝国の陥穽

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    アメリカ人が書いたVWについての本といった側面は否めないが、VWとその関連自動車産業の歴史や事業拡大の流れについては非常によくまとめられていたように思う。主題はデフィートデバイスを使用した排気ガス規制に対する違法行為だが、その背景をフェルディナンド・ピエヒの独裁からくる企業文化とするのはいかにもといった感じ。ただ、偏執という感じではなく、読み物としては面白かった。翻訳者さんのお力でしょうか?一読の価値ありと感じた。

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    2021年03月01日
  • 黒と白のはざま

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    「プロフェーサー」の続編となる本書は、前作で活躍した“ボー”に降りかかる災難を、トムとリックそしてトムの大学時代の友人レイレイで解決していく…。ボーを陥れた人は誰なのか、ボーが抱える過去けらの憎しみと苦しみはどうなるのか…。
    前作ほどの勢いは無いが読みやすく、そしていろんな意味で深みのある作品だった。

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    2020年08月07日
  • 黒と白のはざま

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    胸アツ法廷小説「ザ・プロフェッサー」に続く第二弾。今回は彼の教え子であるボーヘインズが主役。前回同様、熱いセリフのオンパレードだけど、ストーリーは前作が凝っていたかな。
    モーテル経営者が乗るTVドラマ『爆発デューク』ち登場するオレンジ色のダッチチャージャー(リー将軍)に保安官はじめみんなが反応するのが面白い。
    しかしKKK発祥の地テネシー州プラスキで起こる人種間抗争の裁判に集まる覆面姿のKKK達の恐ろしいこと。ブラックライブスマターの時代にもきっと変わらないんだろうな。3.8

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    2020年07月24日
  • ザ・プロフェッサー

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    評判どおりの面白さ。ロースクールの教授として順風満帆なキャリアを歩んできた68歳のトム・マクマートリー教授。腹黒い教え子の裏切りから大学を追われるが、窮地を救ってくれたのも、また教え子たちであった…という素晴らしいストーリー。
    アラバマ大学のアメフトチームは実際に大層有名なのだね。著者のアラバマ大学愛もまたストーリーを熱くしている。
    若き教え子ニックと新たに法律事務所を設立したところで本書は終わるけど、次作でも今回活躍した面々にも会えるらしいので楽しみ。
    4.0

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    2020年06月09日
  • 黒と白のはざま

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    クー・クラックス・クラン誕生の地、テネシー州プラスキ。幼い日、目の前で彼らに父親を殺された黒人弁護士ボーは、四十五年後の命日に復讐殺人を犯したとして逮捕された。親友の冤罪を晴らすべく、七十歳のロースクールの元教授トムと熱血漢の教え子リックの老若弁護士が、地元で負け知らずの女性検事を相手に矜持を賭けて法廷に立つ。胸アツ法廷エンタテインメント『ザ・プロフェッサー』の続編がついに登場!

    シリーズ第2作は、前作でいい味を出していたボーの危機を救うべく、トムとリックが奔走する。いやあ、リーガル好きにはたまりません。小学館文庫さん、応援してますよ!

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    2020年02月20日
  • ザ・プロフェッサー

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    ネタバレ

    翻訳ものでこんなに涙するなんて…年齢的に涙もろくなっただけなのか。ただ、久しぶりに感動したのは事実。主人公は68歳の大学教授。妻に先立たれ、教え子とのトラブルや捏造された学生との不適切な関係を理由に大学教授の座も追われ、自らも癌に侵されていることが発覚、と徹底的に追い込まれている。一方、敵方は圧倒的財力とギャングとの繋がりなど地方都市を牛耳る運送会社のオーナー。過密スケジュールによって発生した自社の交通事故を隠蔽しようとする彼との訴訟が始まる… ややステレオタイプの悪役描写や被害者家族の苦悩といったイントロに辟易せずに読み進むと大逆転の第5部、法廷シーンが始まります。それからは感動のつるべ落と

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    2020年02月18日
  • 黒と白のはざま

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    ネタバレ

    2作目も文句なく面白かった〜。
    まさか元KKK最高指導者の老妻、気品があって美しいマギー・ウォルトンが犯人だったとはね。
    今回は途中、ジムボーンに撃たれて(癌も患っているのに踏んだり蹴ったりな)トムの出番は少なめ。
    代わりに若い相棒リックとパウエルといつも飲んだくれのトムの旧友(離婚弁護士)が大活躍。
    でも、レイレイも元KKKでボー・ヘインズの父親(と信じてた男)を木に吊るした現場にいたとは…。
    この小説の面白さは思ってもいない真実が後半に次々と明らかになることと、窮地に追い込まれて絶体絶命の危機に必ず、救いがやってくること。
    今回もしかり、でもレイレイはボー・ヘインズをかばってしんじゃったけ

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    2020年02月13日
  • 黒と白のはざま

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    ネタバレ

    途中だれ気味で少々辛かったけど、最後は盛り上がった!

    1作目は勢いがあったけど、作風に違いがあった…かな。

    3作目は傑作!らしいので出版されることを祈りつつ、今後に期待を込めて⭐︎4つ。

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    2020年02月01日
  • ザ・プロフェッサー

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    ネタバレ

    最近、年齢のせいか、人の名前がすんなり記憶できず、この人誰だっけ?状態で何度も確認しながらでしたが、最後まで楽しく読み切ることができました。

    正義が勝って良かった!

    ☆5にしようかと悩みました。

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    2019年10月30日
  • ザ・プロフェッサー

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    おもしろくて、一気に読んでしまった。裁判ものというか弁護士物は海外ドラマで見たことはあっても、読んだことはあまりなかったかも。

    優秀なスポーツ選手が引退後、スポーツ以外のキャリアでバリバリ働くことがアメリカでは当たり前?と聞いたことがあったが、小説でもそれを確かめられた気もした。

    最終章でのどんでん返しがきもちいい。それまでの章では、味方同士の意思の疎通がうまくいかずぶつかったり、証人が脅迫や金銭で買収されてしまったり、殺されたりとうまくいかないことだらけで、どうやってあと数十ページでひっくり返すのかと思ったけれど、爽快なラストが待っていた。

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    2019年09月24日
  • ザ・プロフェッサー

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    訳者の持ち込み企画で実現した翻訳だという。その慧眼が、作中の法廷での結末と同じくらいのクリーンヒットを出した。次作の翻訳も大いに期待しています。

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    2019年03月30日
  • ザ・プロフェッサー

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    元フットボール王者、弁護士になりその後は大学教授と地位と名誉を手に入れたトム。60代後半になり親友に裏切られた職を失い、ガンに冒されていることを知る。ひとつの交通事故の裁判を教え子のリックに託す。事故の背後にあるもの、妨害行為とうまくいかないなかで裁判が始まる。そこからが特に面白い。展開の予想はつくけれどそれでもハラハラする。なにを守るのか、大切なのは何かとそれぞれが自問する。60代後半になろうと、病があろうと逃げずに生きるということ。トムの姿に感情が込み上げてくる瞬間がある。誰かの、なにかのために全身全霊で闘う人たちの姿が格好いい。次作もぜひ読みたい。

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    2019年03月18日
  • フォルクスワーゲンの闇 世界制覇の野望が招いた自動車帝国の陥穽

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    世界を揺るがせたフォルクスワーゲンによる排ガス対策の不正問題を、NYタイムズの記者である著者が丹念な取材で掘り起こした書。フォルクスワーゲンがクリーンディーゼルと謳ったNOxの汚染除去技術は偽りで、ディフィート・デバイスと呼ばれる、法定テストをパスするための不正な装置を搭載していた。

    ビートルを設計したのは、フェルディナンド・ポルシェ、孫のフェルディナンド・ピエヒは祖父以上にドイツ自動車産業に影響力を持つことになる。ピエヒの威嚇を伴うトップダウンによる企業運営が、不正の発覚を妨げる企業文化を醸成したと著者はみている。

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    2018年02月10日
  • ザ・ロング・サイド

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    あぁ終わってしまった
    ボーのシリーズが!

    しかし最終場面の
    彼女とその息子の会話が気になるのよね…

    続きを読みたいです!

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    2025年10月25日