吉野弘人のレビュー一覧
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おもしろくて、一気に読んでしまった。裁判ものというか弁護士物は海外ドラマで見たことはあっても、読んだことはあまりなかったかも。
優秀なスポーツ選手が引退後、スポーツ以外のキャリアでバリバリ働くことがアメリカでは当たり前?と聞いたことがあったが、小説でもそれを確かめられた気もした。
最終章でのどんでん返しがきもちいい。それまでの章では、味方同士の意思の疎通がうまくいかずぶつかったり、証人が脅迫や金銭で買収されてしまったり、殺されたりとうまくいかないことだらけで、どうやってあと数十ページでひっくり返すのかと思ったけれど、爽快なラストが待っていた。 -
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老教授トムと元教え子の若手弁護士リックが、大企業を相手に法廷で戦っていくリーガルサスペンスです。
“昔ながらの熱い法廷ドラマ”を真正面からやっている印象です。
弱い立場の人間のために戦うという構図はかなり王道なのに、不思議と最後までしっかり読まされます。
特に印象に残るのはトムとリックの関係で、単なる師弟というより、互いに支え合いながら意地を通していく感じが良く、法廷の駆け引き以上に、人としての矜持みたいなものが強く残りました。
ただ、敵側の描き方や展開はややストレートなため、人によっては少し出来すぎに感じる部分もあるかもしれません。
リアルさより、“こうあってほしい正義”に寄せている印象はあります。
それでも、理屈以上に感情で引っ張られる力があり、読み終えたあとに“まだこういう熱い法廷小説が読めるんだな”と少し嬉しくなる、王道の面白さが詰まった一冊でした。 -
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AIと人間の捜査官コンビと言うと合理的で正しい判断を下すAIと人間臭くてまっすぐで、そのくせ人間という生き物の闇や光を見られるコンビが浮かぶ。コンビというのは正反対の性格、さらに言えば衝突し合いながらもそれぞれの欠点を補い合う事に魅力がある。
本作の魅力がまさにそれで、冷徹で合理的、いつでも冷静さを失わないAI捜査官が魅力的に描かれている。クライマックスの捻りも見事だが、ミステリとしての衝撃度は薄く、大きな驚きには至らない。AIの捜査は面白いが現存する類似作品の発想から脱却できておらず飾り付け程度に収まっている。それでもこのコンビが次にどんな事件に挑むのかを考えるとワクワクする。 -
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ネタバレ小島秀夫監督が帯を書いていたので、絶対に読もうと思って手に取った一冊。
AIと警察が協力して事件を解決していく話で、最初は『Detroit: Become Human』みたいな内容かと思っていたが、しっかりとした警察ミステリーだった。
新人作家さんとは思えないほどストーリーがしっかりしており、伏線回収も丁寧。AI「ロック」と主人公の絆が築かれていく王道展開でありながら、ミステリーとしてもしっかり楽しめた。よくできた作品だと思う。
ただ、どうしても主人公が好きになれず。。
傲慢で自信過剰、組織内の協力に否定的で権力争い……という、警察小説でありがちなキャラクター像が今回も出てきてしまい、苦手意識が再燃。
女性主人公を意識しているからか、感情的な面も多く、もしこんな女性上司がいたら嫌だな……と思ってしまった。
もう少し魅力的な主人公だったら続編も読んでみたかっただけに、少し残念。 -
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ネタバレ本邦初訳のアメリカの作家。
2026CWAでJOHN CREASEY FIRST NOVEL DAGGERにノミネート(多分、ショートリスト)。
バージニア州南部の寂れた田舎町で保安官補に就くウィルは、友人トムの家から火の手が上がるのを確認する。急行しトムを引きずり出すが、火事の前に殺された様で…
うーーーん。。。
悪くはない。悪くはないんだけど、全てが中途半端。途中までは良くできた南部小説で、私立探偵が登場してから面白かったが。。。
後半の展開が酷く、悪い意味でどうしてこうなったと。後味も全く良くなく。続編があるらしいけど、よほどじゃない限り出ない気がする。。。
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新潮文庫・海外名作発掘シリーズの一作。
主人公デイヴ・ロビショーシリーズとして、本国では19作が発表されており、本作はその10作目にあたる。
10作目までの背景をネットで調べてみた。
主人公のデイヴ・ロビショーは元ニューオーリンズ市警の刑事。本作では、生まれ故郷であるルイジアナ州アイビーリア郡保安官事務所の刑事として働いている。
ベトナム帰還兵であり、アルコール依存症との闘いを続けている。二番目の妻と養女と暮らしており、一人目の妻は殺害されているらしい。
ルーツはフランス系ケイジャン。ロビショーという姓からも、その出自がうかがえる。
彼はまさに土地の人間だ。バイユー(湿地帯)の近くに住み、釣り餌屋を営みながら、保安官事務所の刑事として地元社会と深く関わっている。
親友はニューオーリンズ市警時代の同僚、クリート・パーセル。
怒りを内に抱え込み抑制するロビショーに対し、クリートは怒りも感情もむき出しにする。抑制的に進む物語の中で、強烈なアクセントとなる魅力的なキャラクターだ。
シリーズ10作目から読み始めたためか、ロビショーの背景や価値観、内面に抱える怒りが唐突に語られる場面もあり、物語に入り込むまでには少し時間がかかった。
物語は過去の犯罪事件を軸に進む。その中で、アイビーリアという土地の呪縛、そこに生きる人々、そして力を持つ者と持たざる者の関係が描かれていく。
本作が描くのは、「差別」という憎しみの深さと、それが土地や歴史と結びついたときに生まれる犯罪である。
「差別」と「経済」は密接につながっている。
経済を握る人間の意向が土地の生産性を左右し、その恩恵にあずかる人々は、意識的にも無意識的にもそれに従う。
そして、その結束はさらに経済を加速させる。しかし一度仕組みとして固定化されると、人は仕組みそのものを守るために行動するようになる。
そこから外されないために、強い者の意向に合わせる。不安や恐怖が人々の行動を縛り、その結果として差別は常態化し、やがて悲劇が生まれる。
解決はない。
本作は、アイビーリアという土地に積み重なった差別と暴力の歴史が、人々の人生をどのように縛り続けるのかを描いた物語である。
ルイジアナの湿った空気とともに、人間の醜さと哀しさが静かに立ち上がってくる。
読後に残るのは謎解きの爽快感ではなく、人間社会の根深さに対する重い余韻である。 -
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シリーズ最終話はこれまでの3冊が法廷エンタメだったのに対して、法廷から離れたジム・ボーンとの文字通りの命懸けの対決。
トムは病状に苦しんだり電話で喋るか検査してるかでほとんど活躍がなく、弱っている様子が痛々しくて辛かった。
怖すぎて大嫌いなジム・ボーンが死刑囚になって3作目から登場しないことに安堵していたのに、脱走して復活し、復讐に燃えるという大ピンチ。
トムのまわりの大事な人たちを標的にする卑劣さが憎いし、今回は罪のない人が死にすぎて最後がどうであれハッピーエンドと思えなくて気持ちが晴れない。
トムの仲間たちの活躍に、誰もが諦めずに戦う意志の強さが表れているのがよかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3.2くらい。
期待していたので、ガッカリが目立つ。
主人公が数学教師でチャーリーなので、男性かと思ったら女性だった。自分の偏見具合を恥じた。
てっきり飛行機内で全部完結するかと思ったら、息子のセオの話や、キャラ回想が多くて読みにくかった。必要な情報だが、飛行機内だけの話が読みたかった。
そしてセオパートが本当に合わなかった。
セオが嫌い過ぎる。
愚か過ぎて見てられない。『女の一生』の主人公ジャンヌが馬鹿息子のポールを愛するあまりになんでもやってしまう、というのを思い出した。
セオが幼稚すぎる。よくパイロットになれたな?
幼稚で愚鈍だからこそカモにされ犯罪の片棒を担いで母親を犠牲にすることになるんだが。
セオより母親に生きて欲しかったな。なんでセオが生き残るんだ。死ぬべきはセオでは?なんでこいつ才能ある歌手とデキ婚して良い家庭築けそう!みたいな希望あるラストが用意されるんだ?もっと学べと思った。
サスペンススリラーの部分は、普通の人間が犯罪者と立ち向かうことになるので、結構ハラハラしつつもまあまあ面白かった。
でも映画の「ミッション: 8ミニッツ」がちらついたな。
タイトルは良い。原題だとスパイラルで螺旋だが、邦題で墜落を足して螺旋墜落とわかりやすい。
フィボナッチ数列うんぬんはループのためのギミックで、なんでループしてるかの説明は、ジュリアンの話で補完されてたけど、結局はローラが言う選択だよに集約されてて凡庸。
あんまり楽しめなかった。とにかくセオにイライラした。
あとチャーリーを邪魔する連邦捜査官。クズすぎる。
どっかのループでこいつを叩きのめす展開が欲しかった。
まあ逮捕されたんだろうけど。