あらすじ
2025年度アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作
バージニア南部で起きた殺人の容疑者に浮上した女。だが、なぜか女への捜査は打ち切られる。保安官補ウィルは独自に捜査をするが。
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近代化が進むバージニア州の中で唯一時間が止まったように荒れ果てた南部の田舎町で、殺人事件が起こった。心に傷を抱えた保安官補ウィルは、上司の命令で旧友サムの父ジークを逮捕することになる。だが被害者の家族ですらジークは犯人ではないと主張しており、彼を逮捕することが正しいとは考えられなかった。ウィルは気まぐれな私立探偵ベニコとともに上司に逆らって捜査を行うが。
読後、しばらく余韻にひたる。
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2026年の14冊目は、ヘンリー・ワイズの「無垢なる町」です。2024年のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作です。「血塗られた指輪」に続いて、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作の読書となりましたが、この本は、ミステリーやエンタメという括りよりも文学作品と言った方がしっくり来ると思います。
それは、作者のヘンリー・ワイズが詩人という事が大きく影響しているように思います。会話文が少なく、登場人物の心情描写に多くを割いている事、舞台であるアメリカバージニア州の歴史や自然描写の巧みさ、そして何よりもアメリカ南部に生きるという辛さが良く描かれているからです。誰がトム・ジャンダーズを殺害したのかという構図ながら、唐突にそれが破られてしまうのも作者が、ミステリーという範疇に重きを置いていない証拠だと思います。優れた文学作品を読むという気持ちで向きあえば、読後に余韻に浸れるのではないでしょうか。
☆4.7
Posted by ブクログ
バージニア州の南部
時が止まったように荒れ果てた小さな田舎町…
保安官補のウィルは炎に包まれた家の中で友人トムを発見する
彼は何者かに刺され死んでいた
そこから逃亡した者を追うと、旧友サムの父ジークだった
証拠が見つかったことからジークを逮捕するが、被害者の家族ですらジークの無罪を主張…
ウィル自身もジークの逮捕に疑問を持ち、私立探偵のベニコと共に上司に逆らい捜査を始めるが…
小さな町の気風、そこに住む人々の苦しみや哀しみ
その描き方が美しい…と思ったら著者のヘンリー・ワイズは詩人として活躍していたらしい…納得!
そしてこの作品が彼の小説デビュー作で、2024年のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞している
この作品は犯人は誰かということよりも、この事件に登場人物たちがどう向き合っていくのか?というところに重きが置かれているように思う
主人公の保安官補ウィルも心にキズを抱え、その事件にも深く関わっている自身の上に苦しむ…
南部の人種問題や貧困、ドラッグ、暴力…
居場所を失った人々は苦しみながらも結局何かに依存しなければ生きていけない
そんな小さな田舎町の設定が物語の舞台に大きな役割を果たしている
だからこそ…の物語なのだ!
湿地で暮らしていた死んだトムの恋人・デイの生活背景に『ザリガニの鳴くところ』が重なった
そして
本作の続編はバージニア州南部の湿地帯が舞台らしい
秋が待ち遠い…
Posted by ブクログ
本邦初訳のアメリカの作家。
2026CWAでJOHN CREASEY FIRST NOVEL DAGGERにノミネート(多分、ショートリスト)。
バージニア州南部の寂れた田舎町で保安官補に就くウィルは、友人トムの家から火の手が上がるのを確認する。急行しトムを引きずり出すが、火事の前に殺された様で…
うーーーん。。。
悪くはない。悪くはないんだけど、全てが中途半端。途中までは良くできた南部小説で、私立探偵が登場してから面白かったが。。。
後半の展開が酷く、悪い意味でどうしてこうなったと。後味も全く良くなく。続編があるらしいけど、よほどじゃない限り出ない気がする。。。