吉野弘人のレビュー一覧
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ネタバレ2026年の22冊目は、スティーヴ・キャヴァナーの「キル・フォー・ミー キル・フォー・ユー」です。
スティーヴ・キャヴァナーを初めて読みましたが、賞をいくつも受賞したり、ノミネートされるのも頷けます。
単純な交換殺人の話かと思ったら、話が次々と展開し、一筋縄では行きません。時間軸では、見事に錯覚させられました。ディーヴァー同等の捻りとドンデン返しが有ります。しかも、善100%に振り切っていない所が、これ又、良いです。
ラストでアマンダが、夜のビーチでジェスのスパークルズを燃やすシーンが堪らなく良いです。
愛する人を理不尽にも失った人の物語です。
☆4.8他の作品の翻訳をぜひとも望みます。 -
Posted by ブクログ
スティーヴ・キャヴァナー『キル・フォーミー キル・フォー・ユー』小学館文庫。
初読み作家。ジェフリー・ディーヴァー以外にツイストの魔術師が居たとは全く知らなんだ。
1つ1つのセンテンスが短く、小説としては非常に味気無いが、ストーリーは非常に面白く、スリリングである。特に中盤からの大展開には驚かされる。前半と後半とで全くテイストが異なり、読み終えてみると、まさかのサイコサスペンス小説だったことに気付かされるのだ。
舞台はニューヨーク。夫と近所の公園に外出した6歳の娘が、夫が目を離した僅かな隙に何者かに連れ去られた上に殺害され、その責任を感じた夫も1週間後に自殺を果たすという悲劇に見舞われ -
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AI捜査官と刑事のコンビということで、正直読み始めは半信半疑だったのだが、面白くて一気読みした。
キャットはどこか応援したくなるキャラクターで、彼女を取り巻く上司や部下も色々ありながらも結局実直で、安心して読んでいられる。
AI捜査官の登場で、いかにも近未来的な内容かと思いきや、がっつり人間の倫理観を問うような事件内容だったり、母と息子の関係がリアルに描かれていたりと、読み応え十分だった。読み終えた後に著者自身もパートナーを癌で亡くしたと知ったが、そんな中で本作がデビュー作だというのだから様々な思いが込められた作品なのだろう。
ぜひ続編も読んでみたい。 -
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ネタバレ2026年の18冊目は、ジョー・キャラハンの「瞬きすら許さない」です。
舞台は、イギリス中部ウォーリックシャー警察のキャット・フランク警視正です。キャットは、少し前に夫をガンで亡くし、1人息子のカムと暮らしています。(ここが結構ポイントかもしれません。)
仕事に復帰したキャットは、人工知能捜査体(AI)のロックを捜査に取り入れた未解決事件捜査のパイロットプロジェクトの指揮を執ることになります。かつては、SFの世界の話で有ったものが、現実に有り得るものと捉えられる所に、技術の進歩を感じます。
AIを信用せず、直感を重視するキャットと正論では有るものの、場の空気を読めないロックは、事有る毎に対立し -
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ネタバレ2026年の14冊目は、ヘンリー・ワイズの「無垢なる町」です。2024年のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作です。「血塗られた指輪」に続いて、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作の読書となりましたが、この本は、ミステリーやエンタメという括りよりも文学作品と言った方がしっくり来ると思います。
それは、作者のヘンリー・ワイズが詩人という事が大きく影響しているように思います。会話文が少なく、登場人物の心情描写に多くを割いている事、舞台であるアメリカバージニア州の歴史や自然描写の巧みさ、そして何よりもアメリカ南部に生きるという辛さが良く描かれているからです。誰がトム・ジャンダーズを殺害したのかという -
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バージニア州の南部
時が止まったように荒れ果てた小さな田舎町…
保安官補のウィルは炎に包まれた家の中で友人トムを発見する
彼は何者かに刺され死んでいた
そこから逃亡した者を追うと、旧友サムの父ジークだった
証拠が見つかったことからジークを逮捕するが、被害者の家族ですらジークの無罪を主張…
ウィル自身もジークの逮捕に疑問を持ち、私立探偵のベニコと共に上司に逆らい捜査を始めるが…
小さな町の気風、そこに住む人々の苦しみや哀しみ
その描き方が美しい…と思ったら著者のヘンリー・ワイズは詩人として活躍していたらしい…納得!
そしてこの作品が彼の小説デビュー作で、2024年のアメリカ探偵作家クラブ賞最優 -
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アメリカ南部の幹線道路沿いに自分の写真を配したビルボード弁護士、ジェイソン・リッチシリーズの2作目。まだ依存症の後遺症に苦しむジェイソンの元に因縁のギャングから殺人事件弁護の依頼が来る。容疑者はどこを切り取っても勝ち目のない元フットボール選手。負けが濃厚な事件をどの様に解決するのかと言うリーガルミステリーと共に、依存症者が立ち直る苦しさ、家族との関係など、人間ドラマとしても面白い。作者の作品は全て読んでいるが、どれも一貫して、あり得ない状況をひっくり返す、まるで黒が優勢のオセロ版を最後の一手でほぼ白に塗り替えるような鮮やかさがたまらない。次作が待ち遠しい。