吉野弘人のレビュー一覧
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弟の訃報が届いたのは朝食後すぐのことだった
車で何度も轢かれて殺されていたという…
ジョージア州の保安官ヴィクターは、弟とは憎しみ合った末に疎遠になっていた
悲しみは湧かなかったが、唯一の肉親となった弟の10歳の娘・ジェニファーから事件の真相を探って欲しいと懇願される!
と同時に少女殺人事件もおき、ヴィクターは弟の死の謎、少女たちの殺人事件との関連を調査していくのだが…
登場人物が多く整理は必要だが、ヴィクター目線で話が進むためとても読みやすかった…
また登場人物のキャラクターがいい!
特に弟の娘のジェニファー!
聡明で人懐っこいかわいい彼女との出合いが、孤独なヴィクターの心を癒やしていく -
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疎遠だった弟が謎の死を遂げ、さらに凶悪な事件にも関連し… 人間の絆を描いたミステリ #弟去りし日に
■あらすじ
90年代のアメリカ、ジョージア州。ユニオン郡の保安官であるヴィクターのもとに、弟が亡くなったとの連絡が入った。弟フランクもまたデイト郡の保安官であり、誰かに殺されたようだった。
彼らは憎しみあっており、長い間疎遠だったため、ヴィクターにとってこの知らせは煩わしいだけ。ただフランクには可愛い娘がおり、彼にとっては唯一の血のつながった親族であった。ヴィクターは彼女から、父が殺された真相を調べてほしいと依頼され…
■きっと読みたくなるレビュー
法執行官の保安官が、仲が悪かった弟の殺害 -
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シリーズ3作目。3ヶ月ちょっと前に「ザ・プロフェッサー」「黒と白のはざま」のシリーズ第1・2作を続けて読み、書評でこの2作を続けて読む方がいいと書いたが、前言撤回。全4部作を続けて読む方が良さそうだ。
この第3作でもドキドキする怖さ、緊張感溢れる法廷シーンなど面白さは引き継がれている。その上、第1作の伏線も回収しており、更に最後の4作目の予告も描かれている。
勝てそうもない(最後の)裁判に挑む主人公。それを助ける旧友。やむなく愛弟子や旧友と敵対することになってしまう葛藤。迫り来る殺し屋との息詰まる対決。読み出したら止まらない面白さ満載です。
さて、続けて最後の4作目を読むとするか…。 -
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68才の主人公トムは妻と死別し、癌を患い、アラバマ大学の証拠学教授の地位から不当に追い出される。
学生時代の恋人ルース・アンに夫の交通事故に関する相談を受け、教え子で弁護士のリックに弁護を依頼する。
若く感情的なリックと法務の権威で冷静なトムとの対照的な性格の二人が、被告側による証人抹消や脅迫などの暴力的な証拠隠滅という不利な状況下で裁判に挑む。
裁判でのトムの尋問は蓄積された法知識を縦横無尽に操り巧みに被告の弱みを抉り、卑劣な被告弁護士への鬱憤を晴らす姿に快哉を覚える。教え子のボーの恩師を支える姿も頼もしい。78才の老判事が68才のトムを励ます時に言った言葉、"What does -
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プラスキで唯一の黒人弁護士、偉大なボーセフィス(ボー)・ヘインズ
別名、ケツの穴全開弁護士
(と言いたくなるはず)
本作でボーは人生において2つの教訓を教えてくれる
ひとーつ!
人生において困難な局面に陥ったとき、重要なのは冷静さを保つことだ
感情を爆発させることは、自滅以外の何ものでもない
冷静さを保ち逆境にどう対処し、立ち向かうかが大切だ
ふたーつ!
「ケツの穴全開でいくぞ」
カッコよく言えば、「ワイド・アス・オープン」
ケツの穴全開でいくというのは、自分のエンジンをフルスロットで回転させること
100%の努力、自分の持てるすべてを発揮し、そこからもう少しだけスロットをまわすん -
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本作はトーマス(トム)・マクマートリー亡きあと、黒人弁護士ボーセフィス(ボー)・ヘインズを主人公にした新シリーズ
本作の注目ポイントは「ケツの穴」の開き具合だろう
ボーは師であるトムと最愛の妻ジャズを失い、さらには子供たちの親権を失って人生のどん底にいた
この状況下ではボーのケツの穴は完全に閉まっている…
『ザ・プロフェッサー』シリーズを読んできた読者ならこんなボーは見たくないはずだ…
そのような状況下である人物からボーの元へ弁護の依頼がやってくる
ボーは自分自身の人生と子供たちを取り返すため依頼を受けることに
ここに来てボーのケツの穴が開き始める
これは良い兆候だ
全開まで -
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2024年の11冊目は、アラン・パークスの「悪魔が唾棄する街」です。今、ノワール物のシリーズで最も脂が乗っていると言って良いハリー・マッコイが主人公の第3弾です。このシリーズは、タイトルに月が入っています。1月、2月と来て、今回の3月は、人名に掛かっており、凝った趣向になっています。
舞台は、いつもの街グラスゴーです。今回は、複数の事件が同時に進行します。12才の少女アリス・ケリーの失踪事件、ロックスターのボビー・マーチ変死事件、マレー警部の姪ローラ・マレーの家出に連続強盗事件の捜査もします。これらの事件が、うねり絡み合いながら、ラストの大雨の中での対決シーンに収斂します。途中、ハリーは、盟 -
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アメリカンフットボールにスター選手とオデルと将来を約束されてる歌姫のブリタニーのカップル。
どちらも高校生でアフリカ系アメリカ人。
で、深夜にバス置き場でブリタニーが頭をビール瓶で殴られ死亡、そこに居合わせていたオデル、指紋からその前の喧嘩から圧倒的に有罪と思われ、そこでボーの登場。
この流れで絶対、犯人は違うとわかって読み進む。
検事長のヘレンが若い頃レイプされてできた息子ザニックが
いかにも怪しい。
でもそんなすぐわかるような仕掛けにはなってないはず…
と思ってよみ進めると、やはり最後の最後で真犯人が。
まさかのバンド仲間のイアンだったとは。
でもボーが写真でイアンに姉のキャシーの首にブリ -
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ネタバレ街中で1人を射殺した犯人がそのあと自殺、その背景を調べる主人公マッコイ、この事件がなぜ起こったのかを比較的ゆっくりめに進んでく。
マッコイの過去も徐々に明らかになって、街の悪の親玉クーパーとは義兄弟のようだし、元奥さんはいけ好かない男と一緒にいるし、権力者に嫌われていることがちょっとずつわかってくるのが面白い。
人物関係も読んでいるとなるほど
さっきのあれはこれのせいかと分かるようになっている。主人公が心の中で読者へ丁寧に教えてくれたりはしないので、それが嫌な人は読み辛いと感じるかも。
マッコイのことを知った状態ならシリーズ2作目はもっと面白くなってそう。 -
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ネタバレ刑事ハリー・マッコイシリーズの開幕作品。グラスゴーのスコットランドノワールとのことで、もともとノワール小説は苦手で敬遠しがちなとこがあったけど、最近新刊が出るのでよく買う。でもとても面白かった。海外の警察小説は、かなり痛めの描写が多い印象だが、それに加え本作は主人公がかなり問題警官で、麻薬はやるは愛人は娼婦だわ、アルコール漬けだわ、暴力団のような奴と幼馴染で便宜供与してるわで、感情移入に時間がかかった。しかし、慣れてしまえばどうってことはなく、物語にどんどん引き込まれていくけど、どんどん血塗られて人も死んでいく。とりあえず既刊の3月まで購入、本国は5月まで。12月まで続くけど付いていけたらいい
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テネシー州プラスキ。ジャイルズ・カウンティ高校のアメリカンフットボール・チーム「ボブキャッツ」がライバル校を相手に歴史的な勝利を収め、試合後には地元の人気バンド「フィズ」がそのスタジアムでコンサートを行い町中が熱狂した夜――翌朝、バス置き場で遺体が見つかった。被害者はフィズのカリスマシンガー・ブリタニー。容疑者は、彼女の恋人で「ボブキャッツ」のスター選手オデル。現場に残された証拠はどれもオデルが犯人だと示していたが、彼は無実を主張し、彼が父親のように慕う弁護士ボーセフィスに弁護を依頼する。地元の黒人コミュニティは騒然とし、オデルをブリトニー殺害の犯人と敵視しはじめる。一年前に子どもたちの親権を
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ネタバレ2024年の5作目は、大好きな作家ロバート・ベイリーの新作です。主人公は、哀しみに悲観せずに前を向こうとする熱血正義感な男ボーセフィス(ボー)・ヘインズです。
衝撃の2連チャンで終わった前作「嘘と聖域」からの流れを大いに受けていますので、前作から読む事をおすすめします。
舞台は、いつものようにプラスキです。アメリカズ・ゴッド・タレントのファイナリストで、人気バンドのフィズのカリスマシンガー、ブリタニーが町のバス置き場で死体で発見されます。彼女は、ビール瓶で殴られていました。犯人と疑われたのは、彼女の恋人で有り、ハイスクールのフットボールのスター選手、オデルでした。オデルには、逮捕歴と暴力事件で -
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テネシー州プラスキ。無敵の検事長ヘレン・エヴァンジェリン・ルイスは、女子高校生が被害者となった、街の実業家によるレイプ事件の裁判に臨もうとしていた。しかし、裁判の直前にヘレンは元夫の殺人容疑で逮捕されてしまう。ヘレンはかつて、殺人容疑で起訴したことがありながら、最も信頼を寄せている弁護士ボーセフィス・ヘインズに弁護を依頼する。愛する妻ジャズと心の師トムを喪い失意の底にいたボーだが、たった一人で圧倒的不利な裁判に挑むことに。しかし事件の背後には38年間明かされることのなかった禁忌があった……。
新シリーズ開幕。やや駆け足気味の部分もなくはないが、最後まで読ませるリーガルミステリ。 -
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アメリカの先住民の環境がこんなにも悲惨なものだとは知らなかった。法に守られず、それこそ居留地の中は無法地帯。
法の守護が無く警察も当てにならない。
そこで主人公のような処罰屋が必要となる。
物語は、そんな主人公の甥のネイサンが麻薬の密売人と嫌疑をかけられた事で、ネイサンを救うために主人公が奮闘する話で、テンポよく話の内容もよく練られていて面白い。
読みやすく、軽い気持ちで読み進められた。
ネイサンを発見する方法に関しては、ちょっと賛否が分かれるんじゃないかな?
この物語の背景を考慮しても無理が有ると思うけど、まぁ、そこまで違和感は無く僕は読めたから、個人的には良しとしようと思う。
ラストのハッ -
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舞台は、1973年1月のスコットランド・グラスゴー。70年代のグラスゴーは、斜陽の時代。失業率が高く、町は治安が悪い事が想像されます。テイストとしては、エイドリアン・マッキンティのショーン・ダフィのシリーズに近いものが有るでしょうか?ショーンのシリーズは、紛争の最中の北アイルランドという強烈な背景が有り、成功しているかはともかく、密室殺人にも挑戦しており、かなり読み応えの有るシリーズですが、こちらは警察官を主人公としたノワール小説の趣が強いです。
主人公の刑事ハリー・マッコイが、囚人ネアンに呼び出され、明日、ローナという少女が殺されるという情報を得ます。そして、翌日、ハリーの目の前で、少女が