吉野弘人のレビュー一覧

  • 弟、去りし日に

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    不仲だった弟の変死と、ティーンエイジャーの少女たちを狙った連続殺害事件。一見、無関係の事件が実は深く関係している。ありがちな話だけど、ヴィクターの淡々とした語りが重厚感を与えていて飽きずに読めた。起きていることはグロテスクだけど、つくづく周囲に恵まれているな、というのが第一の感想。同僚、親戚、各州の保安官、誰も彼も協力的。さすがアメリカ。
    終盤は容疑者への拷問が続く。ここはかなり過激。さすがアメリカ。

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    2024年11月24日
  • ザ・プロフェッサー

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    作者初初読み。法廷ものが好きなので読んで見た。加害弁護士、被害弁護士共に自分の元教え子娘夫婦と孫を事故でなくした被害者が、事故を起こしたトレーラーの経営者から賠償金を取るための訴訟。相手の社長は人を殺してまでも裁判に勝とうとする極悪非道ぶり。白熱ぶりはなかったけど十分楽しめた。

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    2024年11月09日
  • 弟、去りし日に

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    吉野氏の訳が読み易いのかもしれないが、600ページ弱の作品も一気によめた。
    世間との交流を避ける保安官が10年以上も音信を絶っていた弟の轢死を知らされる所から物語は始まる。真面目で孤独なヴィクターが連続少女殺人事件と弟の死の関連性に着目し、、、と言う展開。読み進める内に、弟との絶縁の理由が明らかにされたりと、ミステリーもだが、中年男性の再生の小説のよう。しみじみ読ませて頂いた。

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    2024年11月01日
  • 弟、去りし日に

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    ネタバレ

    イギリスの作家、R・J・エロリーの邦訳2作目。一作目はかなり以前に集英社文庫から。

    十数年も昔に喧嘩別れした弟が、何度も車に轢かれて殺された。妻にも先立たれ、無味乾燥の日々を過ごすヴィクターは、弟の葬儀で初めて弟の元妻、そして姪の存在を知る。姪から弟の死の真相を探ってほしいと頼まれるが、自分の郡区域で少女の死体が発見され。。。

    孤独な男が、弟の死の真相を探りながら自分を見つめ直し、再生していく。ありがちではあるが、非常に良い作品。

    特に筆致が素晴らしすぎる。
    後で振り返りたくなる味わい深い文章。それでいて読みやすいため、厚さの割にすぐに読めてしまう。

    終わり方が若干強引かもしれないが、

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    2024年10月29日
  • 弟、去りし日に

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    めっちゃ、名作。
    雑なものが何もなく、足す必要があるものもない。
    文章も美しい。
    序盤ではハードボイルドな文体が、
    徐々に変化して、エモーショナルが垣間見られようになっていくのも素晴らしい。
    主人公がどう変わっていくのか、文体でみせていく。
    長らく日本での紹介がなく、今回16年ぶりで2作目らしいが、是非、他の作品も読みたい。
    イギリスの作家がアメリカを書く、それが絶妙なのだろう。

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    2024年10月07日
  • 弟、去りし日に

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    弟の訃報が届いたのは朝食後すぐのことだった。車で何度も轢(ひ)かれて殺されたのだという。保安官のヴィクターは、弟とは憎しみ合った末に疎遠になっており、悲しみは湧かなかった。だが弟の10歳の娘から、真相を調べてほしいと頼まれて……。姪(めい)との交流と真実を追い求める旅路が、ヴィクターの灰色の人生を切なくも鮮やかに彩っていく。一人の男の再生を描く、心震えるミステリ。

    引用したくなる台詞の宝庫。

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    2024年10月07日
  • 弟、去りし日に

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    ネタバレ

    アメリカ南東部、1992年を舞台に保安官が殺人事件を捜査する。
    分厚いですが展開が早くて読みやすいです。
    会話が多くやり取りがウィットに富んでいてずっと読んでられる。

    主人公の1人視点で、これまでの人生で起きたことのせいか、他人と距離を置いて生きており、終盤まで心の中ではウジウジしてる感じがちょくちょくあって可笑しい。

    殺人事件が2つ同時進行し、少女の殺人事件を調べつつ、弟の方は管轄外だし家族だから捜査は出来ないがそこに弟の娘が出てきて主人公に涙ながらに頼み、断れずにちょくちょく調べていくともう片方の事件と繋がっていて…?
    92年の設定もあり、今の便利なツールがひとつも無いから移動に次ぐ移

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    2024年10月06日
  • 悪魔が唾棄する街

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    少女失踪事件で騒然となるグラスゴーで、ロックスターのボビー・マーチが不審死を遂げた。捜査を行うハリー・マッコイは、さらに上司から家出した姪を探しだすよう命じられる。失踪事件との関連を疑うマッコイだったが…。

    シリーズ第3作。物語のまったく先が読めない分、楽しめた。巻末に広告がある、ショーン・ダフィのシリーズの続刊はどうした?

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    2024年06月15日
  • ザ・ロング・サイド

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    弁護士ボー。地元の高校フットボールスターが、メジャーデビューしようとしてる同級生歌姫を殺害したかもしれない件で弁護。

    法廷のシーン少なめ。それ以前のプロセス多め。面白かった。シリーズこれで終わりとは残念

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    2024年06月09日
  • 悪魔が唾棄する街

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    ネタバレ

    タイトルと表紙がめっちゃかっこよく進化した3作目!
    マッコイのキャラがどんどん深掘りされて、もっと感情移入して読んじゃう。
    毎回ボコボコにされるけど、今回は何回ボコられたのか、後遺症とか大丈夫なのかな。

    1の時はだらしない主人公だなと感じたけど、グラスゴーの街を見れば、マッコイが考える正義を成すために必要なものだと理解できるし、なにより権力に屈さない姿勢が応援できるし、かっこいい。
    早く次が読みたい〜!

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    2024年05月18日
  • 悪魔が唾棄する街

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    1作目は読んだ記憶ある。ハリー・マッコイが活躍するミステリー。兎に角全てに弱いマッコイが、少女誘拐事件、ロックスター不審死事件、そして色々、、嫌な同僚刑事とか幼馴染のギャングとか、彼の足を引っ張る様々な事件を身体を張りながら何とか解決する。敵も味方も全てのキャラがしっかりしててそれぞれ自分の仕事をしている。悪い同僚もしっかり描き込まれているので、主人公の腹立たしさも伝わってくる。

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    2024年05月19日
  • 闇夜に惑う二月

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    ネタバレ

    やっぱり2作目の方が面白さが増してる、今回はマレーとワッティーのどちらかとほぼ一緒にいるからチーム物感が増して前作とは印象がぜんぜん違う。
    事件も連続殺人事件の捜査でわかりやすいし、事件の顛末もショッキングでいい。
    マッコイとマレーの関係がやっと判明して、だからこんなにマッコイに目を掛けてんだなってわかった。
    前回よりパワーアップしてるところは憎まれ口の多さ(笑)
    けっこうキツイことを言ってるのに普通に聞き流すし、当たり前なやりとり感がかっこいい。
    クリント・イーストウッドの映画みたいでこの部分だけでめっちゃ満足した。

    ラストの1文は誰の言葉なんだろう、予想ではマッコイかな?と思ったけど違う

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    2024年05月03日
  • 悪魔が唾棄する街

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     1970年代のスコットランド、グラスゴーを舞台にした警察小説シリーズ第三作。本シリーズはノミネートされながらも受賞を逃してきたようだが、本作でついにエドガー賞優秀ペーパーバック賞を射止めたとのこと。シリーズのファンとしてはかなり気に入って読んでいるだけに嬉しいことこの上ない。また素晴らしいスピードで翻訳を進めてくれている吉野弘人氏にも感謝しかない。

     70年代中期のグラスゴーの混乱、その中で起きる捜査のでたらめさ、犯罪の暗黒っぷり、など小説の舞台としては文句なしのシチュエーションを切り抜いて見せてくれるこの作家の目の付けどころにも感嘆するしかないのだが、何と言ってもジェイムズ・エルロイを思

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    2024年05月02日
  • 彼女は水曜日に死んだ

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    読書チャンネルを運営するYouTuberさんがお勧めしていたので、手にしてみた。

    何らかの形で犯罪が描かれている物語が十篇。

    舞台は文化や風景に馴染みのないアメリカだけども、どうしてか一篇ごとに胸を打たれる。むしろ、主人公に自分を投影しちゃって、読みながら苦しくもなった。

    その理由は最後の一篇を読み終えて、解説を読み出した時、唐突に出てきた涙ではっきりした。

    「なぜ今のようにしか生きられないのか、なぜ自分が最も望まない形でしか生きることができないのか、そんな思いを抱えている人にこそ読んでもらいたい一冊である」という解説者の言葉に心の蓋を開けられてしまった。

    この短編集には、苦しくとも

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    2024年04月25日
  • 闇夜に惑う二月

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     ダーティな訳あり刑事ハリー・マッコイを主役としたシリーズの第二作早くも登場である。お次の第三作も既に出版されたばかりなので、遅れを取っているぼくは慌てて本作を手に取る。500ページを超える長尺の作品だが、スタートからぐいぐい牽引される、心地良いまでの読みやすさだった。

     アナーキーな印象の刑事マッコイに、年下なのに面倒見の良いワッティー、上司にはタフでハードでおっかないのだがどうにも面倒見の良いマレーという捜査トリオがとにかく良い。前作を引き継いで読んでゆくとレギュラー出演組の個性がそのまま増幅されるほどにシリーズの魅力にどんどんはまる。幼ななじみでギャングのボスのスティーヴィー・クーパー

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    2024年03月26日
  • ザ・ロング・サイド

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    「ケツの穴全開でいくわよ」

    闘いの始まりを告げる鬨の声はいつだってこの言葉だ
    今回ゴングを鳴らすのは、かつての麻薬中毒者で売春婦、現在はボーのアシスタントを務めるロナだ

    うまいなぁって思う
    のせられてるなぁって思う
    だけど「血」は正直だ
    カーっと熱くなる
    さぁ、行こうぜボー!
    こっちの準備はできてるぜ

    主人公のボーセフィズ・ヘインズかつての背番号41は、いつだって怒りに満ちている
    差別への怒り、不公平への怒り、そして不正への怒りだ
    彼を突き動かすこの怒りは、もちろん作者であるロバート・ヘイリーの怒りであり、この世界を生きる俺たちの怒りでもある

    だから熱くなる
    だから涙が溢れる

    「解決

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    2024年03月24日
  • ザ・ロング・サイド

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    テネシー州プラスキの弁護士ボーを主人公にしたリーガル物。今作がシリーズ最後と言う事でもしかしてボーに何かあるのでは、とハラハラしながら読んだ。プラスキの町の閉塞感や差別感がとても良く表れていて、どのページを捲っても胸が痛んだ。特に被告人オデルとボーの関係性が辛かった。

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    2024年03月06日
  • ザ・ロング・サイド

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     マクマートリー教授シリーズ4部作の後、ボーのその後を描く二部作の後半部が本書である。新たな事件でありながら前作を引きずるかたちの展開で、マクマートリーとボーによる<けつの穴全開>シリーズ全作? の完結編であることで、本シリーズはとうとう幕を閉じる。「胸アツ」の強烈形容詞を携えて一気に読者の胸倉を引っ張ってきた感のあるスポ根リーガル・ミステリーの最終の一幕をまたもしっかりと味わってしまった。

     舞台は、KKK誕生の地のプレートが遺る曰くつきの街、テネシー州プラスキ。主人公は元アラバマ大フットボールチーム花形選手だった黒人弁護士ボーセフィス・ヘインズことボー。スタートは、ジャイルズ・カウンティ

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    2024年03月05日
  • ザ・プロフェッサー

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    ジョン・ベイリーは、初めて読む米国の作家。
    アラバマ大学の法学教授、60代後半のトムは、元大学フットボールの全米王者。順風満帆に過ごしてきたが、妻を癌で亡くし、濡れ衣により教授職を追われ、自身も癌に冒される。娘一家を交通事故で亡くした昔の恋人から、法的な助言を求められるが、教え子に弁護を頼み、自身は身を引く。昔の恋人は、交通事故の相手の運送会社を相手取り訴訟を起こす。全く勝ち目がなさそうな闘いであるが、教え子とトムは、力を合わせて裁判を戦うことに。
    それが合っているかどうかは分からないが、自分自身のイメージとしては、アメリカ人が好きなタイプのストーリーではないかと思った。
    ■勧善懲悪、最後は悪

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    2024年02月26日
  • 血塗られた一月

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     訳者で本を選ぶ。ぼくにとっては珍しくないことだ。翻訳家の方は依頼されて訳す仕事もあれば、翻訳者自らが押しの作品を出版社に提案することで自分の仕事を作ることもあるらしい。本書の訳者である吉野弘人氏と言えば、ロバート・ベイリーの胸アツ作品群で知られる方なので、遅まきながら気になった本書を手に取る。

     本書はグラスゴーを舞台にしたスコットランド・ミステリー。背カバーには<タータン・ノワール>とあるが、タータンとはタータンチェックのことなのだね、なるほど。舞台も1973年と半世紀前なのである。アイルランドを舞台にしたエイドリアン・マッキンティのショーン・ダフィ・シリーズに少し似た熱い感のある本シリ

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    2024年01月27日