リー・チャイルドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
▼安定のジャック・リーチャー・シリーズ。
副大統領に、暗殺を匂わす手紙が来て、リーチャーが依頼されて「その警護係」をやりながら、最後には犯人をやっつける。以上。
▼きっかけは、
・副大統領を警護するシークレット・サービスのとある女性から依頼。彼女はリーチャーの亡くなった兄の、元彼女だった。
そして、その彼女とリーチャーが結局恋愛関係になる。んだけど、彼女が殺されてしまう。というわけで、副大統領を守る、という目的が「彼女の仇を討つ」に変換されて最後の戦い。
▼いつもどおり、全体の七割地点まで、犯人と動機が明確に分からない。分かったらあとは段取り(笑)。今回みたいに国家権力そのものと共闘すると、仕方ないですね。
▼ちょっと違うのはほぼ全編、「リーチャーの軍隊時代の部下の、強い女性ニーグリー」が相棒として活躍。リーチャーとのやりとりがちょっと面白い。 -
Posted by ブクログ
(上下巻併せた感想)
▼何作目かの、ジャック・リーチャー・シリーズ。アメリカ退役軍人のジャック・リーチャー。軍人としてのキャリアをずっと憲兵隊として過ごした、つまり軍隊内の警察であり、捜査官だった。叩き上げのエリート(矛盾?)だったが若くして少佐で思うところあって退官、その後は年金暮らしだが、なんとホームレス。着のみ着たまま、所有財産は着てるものと歯ブラシとパスポートとキャッシュカードだけ。ヒッチハイクか電車バスで安宿から安宿へ、アメリカを放浪している…つまり、たれも彼に電話できないし、行動を捕捉できない。格闘と記憶力と銃器の扱いと洞察力で米軍随一と謳われたリーチャーの行先に、毎回1話完結でトラブル事件ミステリーと美女と悪者たちと戦いが立ち塞がる…が、強いぞリーチャー連戦連勝、というのが大まか御紹介文です。
▼話の段取りは以上なんですが、三人称描写が基本ながら、リーチャーの思考に寄り添う書き方で、リーチャーの思考は米国軍人ではあったし誇りはあるけれど、かなりリベラルで。作品が大まか2000〜現在くらいのアメリカ各地を描くのですが、「荒廃したアメリカ」「格差社会アメリカ」「ドラッグと犯罪のアメリカ」などに鋭敏なセンスで、かつ旧職場の米軍はしばしば悪の巣窟として描かれたりします。なるほど作者はイギリス人です。
▼今作は、珍しく「チーム物語」。軍隊時代のリーチャーの最高チーム、8人がいた。今はみんな退官している。そのうちひとり、探偵をしていた仲間が、変死他殺体で発見される。仲間たちが10年ぶり?とかで集合。集まったのは4人。あとの3人は?…。リーチャーを隊長に探偵作業が始まる…。というものです。
※以下、ネタバレ※
▼残り3名は殺されている。
旧友のうちひとりが、軍需メーカーに勤めた。警備担当みたいな。その会社の工場では、最新兵器部品を作っていた。そして悪い幹部が「不良品に見せかけて大量の部品をテロ集団に高く売却」という犯罪をやっていた。リーチャーの旧友の1人がそれに気づく。極秘操作のために旧友たち動員。だがなんと警察内に悪い連中の仲間がいた。さすがに騙され殺された。
と、いうのが今回の悪者たちと経緯。
▼で、それらが暴かれるまでがストレスだけどドキドキで。ときどき悪いやつが暴力手段に出るとリーチャーが勝ってすきっとして(笑)。終盤全貌が分かり、実力行使対決して、勝利、敵討ち、パチパチ。
▼殺されたであろう4人のうち、3人までは死体が出てくる。もうひとりは死体が出てこない。なので、「ああこの4人目がきっと裏切ったんだな、悪者なんだな。苦い感じくるんだろうな」と、予測していたら、違った。なんだけど、4人目は「あいつも死んだ」と語られるだけで死体は出てこない。こ、これは……この4人目が裏切り野郎だと思わせておいて予想を裏切るためだけの設定だったのだろうか…。 -
Posted by ブクログ
▼「葬られた勲章」上下、リー・チャイルド。初出2009年。青木創訳、講談社文庫。リー・チャイルドさんの名探偵ジャック・リーチャー・シリーズの第13作。このシリーズは見事なまでに「どの話から読んでも楽しめる」ように作られているので、第何作というのがあまり受取手には意味が無いんですが。
▼導入はエンタメとして非常に素敵でした。ニューヨーク、深夜の地下鉄。リーチャーは自分の目の前の女性が「自爆テロを行う人物の特徴」を全て兼ね備えている佇まいであることを見て取って、声をかける・・・。するとその女性は突然拳銃で自分の頭をぶち抜いてしまい・・・。その女性は国防省で働いていた。
▼毎度同じくなんですが、リーチャーと個人的には全く関わりなくとある陰謀が進行している。そこに途中から「予想不能偶然因子」としてリーチャーが乱入してきて、目の前のてがかりからじわりじわりと真相に近づいていく。このあたりのミステリ構造は「新宿鮫」だってチャンドラーだってそうなんです。この黄金パターンは分かっていても楽しめるんでしょうね。
▼このシリーズの特色は、割とこの「葬られた勲章」が典型かもしれませんが、そこに国家安全レベルの闇が関わってきます(主人公が元軍人ですからね)。そして途中も、クライマックスも、血まみれのバイオレンスアクションで、それこそがリーチャーさんの十八番だ、という。
▼ネタバレですが、最後はマンハッタンの夜を「異国テロリスト」たちとリーチャーさんの孤高の対決になって、一応は当然ながらハッピーエンド。ただアメリカの国際的な「正義」という宗教自体はリーチャーは別段信じちゃい無いという虚無を残して非常に個人的な解決で終わっていきます。さすが、作者がイギリス人。
▼それにしてもこのシリーズのもうひとつの特色は、原題が「どの作品がどのタイトルでも全然構わないものになっている」こと。邦題の方がまだしもです。この作品はGone Tomorrowですが、他にもThe Enemy,Worth Dying For,Die Trying,Nothing To Lose…などなど。このあたりも意図的に「具体的過ぎないほうがいい」という007の映画的な論理があるのかしらん。 -
Posted by ブクログ
▼「宿敵(上下)」リー・チャイルド、青木創訳。講談社文庫。初出は英米で2003。
退役軍人で元MP(軍隊内の警察)のジャック・リーチャーさんが毎回難事件を解決する、言ってみれば名探偵モノのミステリー&アクションスリラー的なシリーズ。
▼FBIだったかCIAだったか、そんな組織の中の「はぐれ部隊」に非公式協力するお話しです。犯罪組織に潜り込んだ潜入捜査員が露見してつかまって、それを救出するために、再び今度はリーチャーが犯罪組織の一員として潜入するという趣向。
▼これが厳密には人助けでは無くて、リーチャーがMP時代に煮え湯を飲まされた(でも捕まえた)”宿敵”がそこに絡んでいることが分かったために、再び個人的復讐を兼ねてミッションを受けたという設定。
▼潜入するために派手に「悪者の一味の息子の拉致未遂事件」をでっちあげるというのがオープニングで、面白く読ませます。
▼相変わらず全体の2/3以上をかけて謎をとにかく徐々に解いていく手法にわかっていても楽しまされますね。