リー・チャイルドのレビュー一覧

  • 副大統領暗殺(下)

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    初期作だから面白いだろう、と思ってはいたが読み応え抜群! 事件の様相が二転、三転していく様は推理小説を読んでいるかのよう。今作も堪能しました。リーチャー、いいですね。推理力、行動力、そして容赦のなさ! 全て好みのヒーローです。

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    2024年09月21日
  • 副大統領暗殺(下)

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    リー・チャイルド『副大統領暗殺 下』講談社文庫。

    現在、アメリカで刊行されているジャック・リーチャー・シリーズ全28作の2002年に刊行された第6作で、邦訳作品では第15作目にあたる。このシリーズは邦訳が刊行順では無いが、全て独立したストーリーなので読んでいても、余り違和感を感じない。

    上巻の盛り上がりに比べると結末がイヤに呆気ない。そんなことが理由で次期副大統領の暗殺を図り、無関係な一般人やシークレットサービスまでも射殺してしまうのかと疑問を感じた。しかし、上下巻通して評価すれば、高評価ではある。

    シークレットサービスの幹部であるM・E・フレイリックから依頼を受けて、元部下のフランシス

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    2024年08月18日
  • 副大統領暗殺(上)

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    リー・チャイルド『副大統領暗殺 上』講談社文庫。

    現在、アメリカで刊行されているジャック・リーチャー・シリーズ全28作の第6作で、邦訳作品では第15作目にあたる。

    記憶にも新しいトランプ元大統領の暗殺未遂事件は非常に衝撃的な事件だった。普通の若者が高性能ライフルを簡単に入手出来て、簡単に凶行に走ることが出来るという事実は、銃社会アメリカの病巣を再び浮き彫りにした形となった。犯人の若者がその場でシークレットサービスに射殺されるという如何にもアメリカらしい無慈悲な決着の付け方にも驚かされた。

    2022年には日本でも安倍晋三元首相の手製銃による暗殺事件が発生し、日本国内を震撼させた。

    こうし

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    2024年08月17日
  • 宿敵(下)

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    ネタバレ

    完璧なカナヅチの私には荒れた海の中なんて考えるだけで恐ろしくて、さすがのリーチャーも死んでしまうのかと思った。結局は正義は勝つ!なので安心だけど。
    ところで、この感想はVIVANTの一挙放送を観た後に書いるのだけど、VIVANTの作中に今作の冒頭と同じプロットがあってワクワクした。

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    2024年01月21日
  • 消えた戦友(下)

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    ネタバレ

    安定の面白さ。リーチャーなら必ずやり遂げてくれると分かっていても、読むのをやめられない。それは結末の爽快感を味わいたいがためだ。徹底的に叩きのめす、それが快感なのである。

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    2023年11月11日
  • 消えた戦友(下)

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    リー・チャイルド『消えた戦友 (下)』講談社文庫。

    ジャック・リーチャー・シリーズ第11作、14作目の翻訳作。

    放浪生活が長く、素寒貧のジャック・リーチャーがやたらと金にがめつく、悪党たちのポケットから持ち金を強奪するシーンが何度か描かれるのには少し興醒めした。しかし、スリルに富んだストーリーは面白い。


    カルヴィン・フランツの残したUSBから手掛りを得たリーチャーたちはラスベガスへと向かう。しかし、リーチャーの推理は外れ、ラスベガスでは何も得られなかった。

    殺害されたカルヴィン・フランツが残したUSBの情報と行方不明になっている軍事企業ニューエイジの保安副部長を務めていたトニー・スワ

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    2023年08月30日
  • 消えた戦友(上)

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    リー・チャイルド『消えた戦友 (上)』講談社文庫。

    ジャック・リーチャー・シリーズ第11作、14作目の翻訳作。2007年の作品。

    これまでは単独での行動が多かったリーチャーだが、今回は昔の同僚たちと事件の捜査を行うという、これまでとは少し変わった趣向の作品。安心安定の面白さ。

    日本では2000年に刊行された『キリング・フロアー』でシリーズが 開幕したが、『反撃』『警鐘』『前夜』と刊行された後、一度翻訳が途絶えた。ところが2012年にトム・クルーズ主演で『アウトロー』が映画化されるや再び息を吹き返し、その後は年に1作のペースで翻訳されている。アメリカでは27作目までが刊行されており、まだま

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    2023年08月29日
  • 葬られた勲章(下)

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    テロとの戦いに突入しているアメリカの姿を描いています。

    テロとの戦いって、対テロリストというだけではなくて、対自国民という事にもなるんですね。それが故に、リーチャーは、警察や連邦機関から追われながら、テロリストに孤独な戦いを挑む羽目になります。一体、何から何を守っているのか?もっとも、リーチャーの戦いが孤独なのは、いつもの事ですが。

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    2023年07月17日
  • 宿敵(下)

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    事件の解決に向かっている途中、リーチャーがMP時代に取り逃した犯人の姿が見え始めます。今回リーチャーが潜入した事件の背景、事の黒幕は、その嘗ての犯人につながっていたんですね。

    最後、リーチャーがピンチに陥るのですが、その後、意外に最後までは短かったのは、仕方ないのか。まぁ、あそこから更に長く話が続くのは、リーチャーのダメージから言っても難しかったしね。

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    2023年06月13日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    恥ずかしながら私自身は本書を読むまで作品と名前が一致していなかったのだけれど、米国では誰もが知る巨匠エドワード・ホッパー。
    様々な作家の作品からなる『短編回廊』とは違って、一冊丸ごとエドワード・ホッパーの絵画から紡がれた物語はどこか懐かしく、登場人物とはこれまでもドラマや映画、小説などで出会っていたような不思議な既視感と絵そのものから漂う危うい気配にゾクゾクした。おもしろかった!

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    2023年05月10日
  • 奪還(下)

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    ネタバレ

    アクションはほぼないが、頭脳戦が読ませます。しかし、ラスト近く、リーチャーが悄然と農場を後にしようとする所だが、何故5人もの人間を連れて出ていけたのか、と考えなかったのだろうか? タイヤの跡からわかるのだが、リーチャーならその前に気づくのでは? と思った。読み落としか読み違いしてるのかな?

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    2022年11月06日
  • 奪還(上)

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    非常に謎解きの要素が強い一冊。これまでのリーチャーシリーズを読んでいなくても楽しめる作品です。作中で述べられている米国人、英国人の気質の違い、軍の部隊ごとの違いなども興味深い。リーチャーは人を殺すことにちゅうちょしない。こういう考え方は私には理解が及ばない。銃や人を殺すことが身近にあることとそうでないことの違いかなとも考えた。
    しかし、読んでいる間はそんな小難しいこと考えずに楽しめた。

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    2022年09月03日
  • 奪還(下)

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    リー・チャイルド『奪還(下)』講談社文庫。

    2006年に刊行されたジャック・リーチャー・シリーズの第10作。既に26冊が刊行されており、本作は邦訳の13作目となる。

    二転三転四転の全く予想を覆す展開ばかりが続き、非常に面白い。思い返すと上巻冒頭のリーチャーの推理が全て空振りに終わったのは、著者の緻密な計算だったのか。この作品が今から15年以上前に刊行されており、初の邦訳だというのだから何とも勿体ない。

    リーチャーは元FBIの私立探偵ポーリングと共に誘拐犯の正体を追う。二人は最も有力視していた民間軍事会社の社長レインに戦地に置き去りにされ、4年間捕虜となっていたホバートの居場所を見付けるが

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    2022年08月16日
  • 奪還(上)

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    リー・チャイルド『奪還(上)』講談社文庫。

    2006年に刊行されたジャック・リーチャー・シリーズの第10作。

    冒頭こそ偶然が重なる強引な展開に不自然さを感じたものの、読み進むうちに面白くなってくるから不思議だ。

    戦争の残酷さ、祖国と仲間に裏切られた男の怒りと執念……

    民間軍事会社の社長エドワード・レインの二度目の妻ケイトと娘ジェイドが拉致され、犯人の要求によりベンツの車中に準備した100万ドルの身代金がベンツごと奪われる。

    偶然、カフェに居たリーチャーはベンツが犯人により持ち去られる場面を目撃する。翌日、再び訪れたカフェで社長の部下から目撃情報を尋ねられたリーチャーは自ら進んで誘拐犯

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    2022年08月16日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    1882年に生まれ、1967年に亡くなった、エドワード・ホッパーというアメリカの画家の17の作品を題材にして、17人の作家が、それぞれの絵に対しての短編物語をつくるというコンセプトの本。要するに、エドワード・ホッパーの17の作品に対して、17編の短編が書かれ、本書はそれを収めた短編集だ。
    アイデアを思いつき、物語をつくることに参加を呼びかけたのは、ローレンス・ブロックである。ローレンス・ブロックは私の最も好きな作家の一人なので、読んでみることにしたのだが、ローレンス・ブロックが書いた短編だけではなく、面白い短編が多かった。ローレンス・ブロック以外にも、マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーバー

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    2021年09月24日
  • 宿敵(下)

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    リー・チャイルド『宿敵(下)』講談社文庫。

    ジャック・リーチャー・シリーズの前期作品にあたる第7作の最新邦訳。既にシリーズは25作刊行されているようだが、邦訳の方は虫食い状態で邦訳順も滅茶苦茶で、本作が10作目。

    次々とリーチャーを襲う苦難と危機。リーチャーはそれをどう乗り切り、自身の目的を果たすのかというのが読みどころ。2003年に刊行された作品であるが、古さは感じず、噂に違わず非常に面白い作品である。

    ジャック・リーチャーが10年来の宿敵クインの命を狙い、アメリカ司法省麻薬取締局はザカリー・ベックの犯罪の証拠を追い、行方不明となった潜入捜査官のテリーザ・ダニエルの救出に奔走する。10

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    2021年08月14日
  • 宿敵(上)

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    リー・チャイルド『宿敵(上)』講談社文庫。

    邦訳順が滅茶苦茶ではあるが、ジャック・リーチャー・シリーズの前期作品にあたる第7作の最新邦訳。シリーズ最高傑作の呼び声高い作品。次々と襲う窮地をリーチャーは持ち前の知恵と度胸で乗り切っていく。物語全体に緊張感があり、先の読めない展開に手に汗握る。

    物語は衝撃的な幕開けで始まる。大学のキャンパス内で学生が怪しい男たちに拉致されようとする現場に居合わせたジャック・リーチャーは男たちを射殺。揚げ句、警察官までも射殺し、学生を救出して現場から逃走する。

    リチャード・ベックという名の学生はオリエンタルラグ輸入業者の富豪ザカリー・ベックの息子で、リーチャー

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    2021年08月14日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    20世紀を代表するアメリカ人画家の一人であるエドワード・ホッパーの作品は、写実的だが郷愁を感じさせるタッチ。現代的な孤独感。描かれる人物の物憂げな表情。ありふれた構図なのだが何故か惹かれるものがある。
    そんな魅力に惹かれる作家も多く、この本の編者であり著者の一人が、これまたアメリカ探偵小説の雄ローレンス・ブロック。ホッパーの作品から発想された短篇小説を創り出すというアンソロジーの企画に賛同したのは、彼と交友関係のある多彩なアメリカ人文筆家達。
    18枚のホッパーの作品に、ブロックを含め、17人の作家が描く17編の短編は、ミステリー、サスペンス、ハードボイルド、スパイモノ、ホラー、ヒューマンドラマ

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    2021年03月07日
  • 葬られた勲章(上)

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    リー・チャイルド『葬られた勲章(上)』講談社文庫。

    ジャック・リーチャー・シリーズの第13作。2009年の作品。

    信じられないことに再びリーチャーが火中に飛び込むかの如く事件に巻き込まれていく。事件がリーチャーを呼ぶのか、それともリーチャーが事件を呼ぶのか……という冒頭の展開から事件は謎が謎を呼び、リーチャーが事件に巻き込まれるたのは必然だったという展開に。

    深夜のニューヨークの地下鉄でジャック・リーチャーは自爆テロリストのような不審な女性を目にする。リーチャーがその女性に話し掛けると女性は自らの頭部を銃で撃って自殺する。事件の目撃者として警察の事情聴取を受けたリーチャーに近寄る4人の男

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    2020年08月18日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    楽しめた!
    知ってる作家も知らない作家も、1枚の絵から広げる想像力の半端なさをまざまざと見せつけられた思い。キング御大、ジョイス・キャロル・オーツ、ローレンス・ブロックなどはさすがの出来で、中でもジョー・R・ランズデールがダントツ。ウォーレン・ムーア、クリス・ネルスコットが発見だった。

    しかしそれぞれヴァラエティに富みながらも、全体としてはダーク寄りの傾向なのは、そもそもエドワード・ホッパーの絵の中にある「孤独感」「空虚感」の為せる技だろう。

    読む前、読みながら、読んだ後、何度もホッパーの絵を見返したことよ。

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    2019年06月24日