河合香織のレビュー一覧

  • 分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議

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    旧専門家会議は、特措法の下に無かったので、法律上立場が曖昧だったので廃止されて、その後に分科会に再編されたようです。(この辺の事情知らなかった)

    普段メディアで目にするコロナニュースだと、扇動的だったりして見る度に右往左往だけしてしまいがち。
    この本で昨年の6月まで活動していたコロナの専門家会議の中が、どう動いていたかが描かれていたので、これ読むとニュースから受ける印象が変わると思う。

    SNSでは、批判一本槍な風潮も目につくけど、それぞれの組織の仕事のやり方や専門性の違い。
    または、法律との兼ね合いが絡まって、これを普通の人が解きほぐして、運営を行うのは至難の業だという事が痛い程よく分かっ

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    2021年04月24日
  • 新型コロナウイルスを制圧する ウイルス学教授が説く、その「正体」

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    ウイルス学の権威 東大医科研の河岡教授への対談本。
    面白い。
    分かっていることと分かっていないことを、冷静に解説してくれているので、こういう本が重要。マスコミは煽るだけで役に立たないので、今は自分で知識を身につけな、と思わせてもらました。
    正しく恐れて、ストレスなく、日常生活を送りたいものです。
    リバース・ジェネティクスによる、ウイルスの人工合成はすごい技術だ。

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    2020年09月05日
  • 絶望に効くブックカフェ

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    面白かったです。
    最近は地の底まで凹んだりすることはあまりなくなりましたが、ここで紹介されている本があればこれからもなんとかなりそうです。
    読んだ本読んでない本…一周目では、マルクス・アウレリウス「自省録」、辺見庸「もの食う人びと」、G、ガルシア=マルケス「予告された殺人の記憶」、アントニオ・タブッキ「インド夜想曲」、スティーブン・ミルハウザー「魔法の夜」が読みたいです。
    著者の言葉も優しくて落ち着きますし、購入して手元に置きたいです。

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    2019年05月18日
  • ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち

    購入済み

    面白かったです

    題名のウスケボーイスに惹かれて読み始めました。日本のワインがこのように苦難の時代を経て出来た事を知り、もっとワインのことを知りたいと思いました。
    美味しく飲む事には変わりないんですけどね。
    父も庭先でブドウを作ってますが、美味しいブドウを作るのは大変。水の管理や病気にカラス…
    家に居ないなぁと思ったらブドウの棚の下で過ごしてます。

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    2019年02月13日
  • 絶望に効くブックカフェ

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    失ってなお、私の中に根を張る思い。
    思い出になると思ったら甘かった。
    執着ともちがう。ただ…。

    いや、この先は書くまい。

    ともかく、この本にさえ目が向かず、
    やっと手が伸びる状況になり…。
    ページを捲るのも苦しく、何日もかけて読んだ。

    結果として…

    押し付けがましくなく、良いブックリストである。
    変に救おうともしていない。淡々と紹介されていく本。

    本ごときでどうにかなるものかとは思うが、あれか、これかと差し出された中に、はっと読んでみようかと思うものがあるのはさすがだった。

    筆者ご自身もかなりの読書家であろうし、選んだ本の抄録は、確かに、紹介された心理に添うものがある。

    どれがあ

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    2019年09月18日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    「性」とは生きる根本。
    それはたとえ障害者であっても同じこと。

    脳性麻痺の男性を風俗店に連れていく介助者。
    障害者割引のある出張ホストクラブの利用者と経営者。
    障害者専門のデリヘルで働く聴覚障害のある女の子。
    知的障害者にセックスを教える講師。
    体の動かない障害者にセックスボランティアを行なう主婦。

    性の介助について、オランダまでも出向き、その最前線で取材を重ねる。
    どう考え、どう捉え、どう係るのか?
    タブーに大胆に切り込み、手探りしつつも問いかけてくる、真摯なルポルタージュ。

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    2017年08月13日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    面白い内容だが、最終的に、障害者の性ではなく、人間一般の性に逃げてしまっているのが残念だ。結局つまらない結論にいきついてしまっている。ただのインタビューだけじゃ浅い。セックスで興味をひくだけのレポート。

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    2017年07月28日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    著者の立場とか動機とかが最後の最後まで出てこないのに、著者の知りたいという切実感が半端なく、その気持ちの熱量によってぐいぐい読み進めてしまう。テーマそのものがセンセーショナルで、興味はあるがなかなかうかがい知れないことを知ることが出来、知的好奇心も満たせた。若くて美しい女性が著者だけに、この人もセックスワーカーなのかと勘違いして買った男性は多そうだ。僕はその点は誤解はなかったが、男性とのセックスを前にしたわくわく感を主語無しに書いてある部分はちょっと反則(笑)。
    それはともかくとして、著者としての一線がちゃんと引かれているからこそ、下品にならず、知的読み物として、作品のバランスが保たれている。

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    2016年06月08日
  • 帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件―(新潮文庫)

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    以前に読んだ。
    私がノンフィクションに引き込まれるきっかけとなった本だ。

    現実にこんな世界があるんだという思いが、
    大きい恐怖として感じられて、しばらく本書の表紙を見るのも怖くなってしまった。

    しかし、あの時の衝撃は忘れられない。
    また買い直そうかなぁーって今思っている。

    死人は出ないし、残虐性も低い事件だ。
    ・・しかし、殺人事件を扱ったようなノンフィクションよりも、
    恐怖感が強かった。

    なんでかなぁ。

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    2013年10月19日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    ネタバレ

    障害者の性と恋愛について書かれてるノンフィクションです。

    題名からすると、なんだか卑猥な感じのする本、とイメージされがちですが、これはとっても真面目なノンフィクションです。
    まず初めに驚いたのは、「障害者でも性欲があるんだ」。ということ。
    私たち健常者は当たり前の日常生活を送ってて、いつの間にかに健常者と障害者を区別・差別してしまってる。
    でも障害者も一人の人間。
    体が思うように動かなくても、思うように喋れなくても、麻痺しても、性欲はある。
    とても驚きました。
    彼らは、本当は普通に恋し、愛した人と結ばれたい。
    そう思うのに、「自分が障害者だから」という理由で諦めてしまってる。
    だから、性欲を

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    2012年11月28日
  • 帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件―(新潮文庫)

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    わたしはこの事件をよくおぼえている。つたえられたあらましがあまりに奇妙だったからだ。行方がわからなくなった、というのがたぶん第一報で、つれさられた、との続報がながれたのは、それからすこしあとだとおもう。報道された断片によれば、被害者は小学5年生、祖父母と叔父と暮らす10歳の女児で、加害者はその近所にすむ40代の中年男。女児がかえってこないので、家族が警察に相談し、逃亡、いや誘拐か、があかるみにでたのだけれど、といっても、どうやら交流は以前からのようで、かれらの小旅行は、今回がはじめてでもないらしい。しかも、おとずれた沖縄で、ふたりは親子だといつわり、男がはたらく運転代行業者の寮に住み込んでいた

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    2010年08月30日
  • 帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件―(新潮文庫)

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    2010年57冊目。
    ダウナーな内容で、気分が一気に落ち込みました。読む際には、自分の健康状態、精神状態を確認してから読んだ方が良いと思います。
    でも、言い換えればそれだけ作者の取材や描写が良かったということです。

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    2010年06月10日
  • 選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子

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    本書の終盤、被告の弁護士が取材に答えている。

    「人が生きること、死ぬことは本来法律が決めるものなのか?生命倫理や宗教が決めることでしょう」

    これはわかる話である。法の論理と生命の倫理は相性が悪い。なんらかの法があるとして、必ずそれでは救われない者が現れる。法は決定をするからだ。勝訴、敗訴というが、ふつうに考えれば負けた者は救われない。なにかを決定するということは必ず暴力性を伴ってしまう。
    そして、生命の倫理は決定との相性がすこぶる悪い。Aは生かしていいがBは殺してよい、などという決定はすべきではないし、少なくとも倫理的には不可能な決定である。

    しかし、出生前診断で障害を持った子を妊娠して

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    2025年11月26日
  • 母は死ねない

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    著者が様々な母親と出会って、自分をある程度さらけ出すことでその母親の本音を引き出す形でそれぞれのストーリーが展開しており、何度も読み返すことが多かった.男の立場からみると、母親の女としての強さばかりが目立つ話がほとんどで、男としての不甲斐なさを度々感じた.やはり母は強いのだと思うが、これからの時代 男も女の行動の一端をサポートする、あるいは立ち変わる というようなステップが必要で、その意味で男が変わっていく必要があるな感じた.

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    2025年05月02日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    知らない世界を知る。
    読書の魅力が詰まった一冊だった。

    身体障害者、知的障害者の性という
    一昔前までタブー視された課題に踏み込んだ傑作だと思う。
    身の回りにいないから、知らない。分からない。
    考えたこともない。無知なことが本当恥ずかしかった。

    障害者も健常者と同じように、性欲がある。
    人を好きになる。結婚をする。子供を産む。
    どこか特別で、難しいことなのではと思ってしまうが、障害者や介助者は、当たり前のこととして、難しく考えない。

    生きるとは性と向き合うこと、
    性と向き合うとは生きることなんだと考えさせられた。

    本が発売されたのは20年以上前で、
    今とは状況が変わり、障害者の性に対する

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    2025年04月28日
  • 母は死ねない

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    母と娘であることが、ただ家族であることが
    どうしてこんなにも難しいのだろう。
    他人であれば当然の、価値観や生き方の違いを、親子だというだけでなぜ自分と同じでなくてはいけないと決めつけるのか。
    母親はこうあるべき、家族だからこうでなくてはいけないという幻想から、
    そろそろ放たれてもいいんじゃないか?
    母だけではない、女性だから、子どもだからと尊厳を奪われ型にはめられ苦しむ人が
    一人でも減りますように。

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    2024年10月07日
  • 分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議

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    【感想】
    コロナの罹患者を乗せたダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に到着したのが2020年2月3日。あまりに急なコロナの襲来に、政府は慣れない対応に追われ、国民は不安と恐怖に駆られることとなった。

    しかしそれからわずか数日後に、コロナ対策のためのアドバイザリーボードが厚労省内に設立された。WHOでSARS対策に携わった押谷、同じくSARS蔓延時にWHO西太平洋事務局長として指揮をふるった尾身など、感染症対策の専門家たちが厚労省から依頼を受け、アドバイザーとして組織を結成したのである。その後、このアドバイザリーボードの委員たち数十名が、そのまま内閣官房下の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会

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    2024年07月29日
  • 選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子

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    『』内は本文より抜粋。

    ●出生前診断の結果、医師の誤診によりダウン症ではないとの診断だったため産んだ子どもがダウン症だった夫婦が、ダウン症児自身が生まれてくるべきではなかったと起こした訴訟。著者は訴訟に違和感を覚え、原告の母親の弁を聞きたいとの気持ちが発端となった一冊。出生前診断の是非についてかなり考えさせられる。

    その子は合併症で闘病の末三ヶ月で亡くなる。

    概要だけを聞けば、「障害ある子を産んだこと自体が損失だった、弁償しろ」という乱暴な主張に取られかねない印象を受けるが、原告の母親の話を著者が丁寧に聞き出し、母親としての愛情や苦悩や煩悶を生々しく感じ取れる内容。かなり訴訟に対する見方

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    2024年06月21日
  • 老化は治療できるか

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    欲望の果てに行きつく「不老不死」。しかし、それは叶えることはできない。人の最大寿命は120歳。どんなに頑張ってもそれ以上は生きられない。老化細胞を生存させるGLS1の阻害、カロリー制限によるオートファジーの維持、サーチュインを働かせるNMN点滴、悪玉細胞GPNMBをワクチンで退治…。研究は進むが、今できることはほとんどない。結局はバランスの取れた生活が一番。禁煙、休肝日、多品目食、腹八分、適度な運動、十分な睡眠。健康寿命を延ばして、目指せスーパーセンチュリアン。110歳過ぎても読書レビューを書き続けよう。

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    2024年01月28日
  • 母は死ねない

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    「出産も、子育ても、
    自分の思い通りにいかない日々を積み重ねていく。
    その時間から、人生も人も思い通りにはできない
    というのを学んだ」

    この言葉は、最愛のわが子が失踪し、
    すべての力をかけて子を探した母が、
    子の死を受け入れた時に語られた言葉。

    圧倒されるというか、刺さるというか、
    語彙力無さすぎて表現し難いのだけれど
    残しておきたい言葉が他にもたくさんあった。

    その一部↓

    誰も好き好んで被害者になったわけではない。
    不条理な暴力にあっただけだ。
    その苦しみの上に、さらにスティグマを抱えて
    生きていかなければならないのだろうか。

    .

    私自身は、きっとこれからも間

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    2024年01月19日