河合香織のレビュー一覧
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旧専門家会議は、特措法の下に無かったので、法律上立場が曖昧だったので廃止されて、その後に分科会に再編されたようです。(この辺の事情知らなかった)
普段メディアで目にするコロナニュースだと、扇動的だったりして見る度に右往左往だけしてしまいがち。
この本で昨年の6月まで活動していたコロナの専門家会議の中が、どう動いていたかが描かれていたので、これ読むとニュースから受ける印象が変わると思う。
SNSでは、批判一本槍な風潮も目につくけど、それぞれの組織の仕事のやり方や専門性の違い。
または、法律との兼ね合いが絡まって、これを普通の人が解きほぐして、運営を行うのは至難の業だという事が痛い程よく分かっ -
購入済み
面白かったです
題名のウスケボーイスに惹かれて読み始めました。日本のワインがこのように苦難の時代を経て出来た事を知り、もっとワインのことを知りたいと思いました。
美味しく飲む事には変わりないんですけどね。
父も庭先でブドウを作ってますが、美味しいブドウを作るのは大変。水の管理や病気にカラス…
家に居ないなぁと思ったらブドウの棚の下で過ごしてます。
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Posted by ブクログ
失ってなお、私の中に根を張る思い。
思い出になると思ったら甘かった。
執着ともちがう。ただ…。
いや、この先は書くまい。
ともかく、この本にさえ目が向かず、
やっと手が伸びる状況になり…。
ページを捲るのも苦しく、何日もかけて読んだ。
結果として…
押し付けがましくなく、良いブックリストである。
変に救おうともしていない。淡々と紹介されていく本。
本ごときでどうにかなるものかとは思うが、あれか、これかと差し出された中に、はっと読んでみようかと思うものがあるのはさすがだった。
筆者ご自身もかなりの読書家であろうし、選んだ本の抄録は、確かに、紹介された心理に添うものがある。
どれがあ -
Posted by ブクログ
著者の立場とか動機とかが最後の最後まで出てこないのに、著者の知りたいという切実感が半端なく、その気持ちの熱量によってぐいぐい読み進めてしまう。テーマそのものがセンセーショナルで、興味はあるがなかなかうかがい知れないことを知ることが出来、知的好奇心も満たせた。若くて美しい女性が著者だけに、この人もセックスワーカーなのかと勘違いして買った男性は多そうだ。僕はその点は誤解はなかったが、男性とのセックスを前にしたわくわく感を主語無しに書いてある部分はちょっと反則(笑)。
それはともかくとして、著者としての一線がちゃんと引かれているからこそ、下品にならず、知的読み物として、作品のバランスが保たれている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ障害者の性と恋愛について書かれてるノンフィクションです。
題名からすると、なんだか卑猥な感じのする本、とイメージされがちですが、これはとっても真面目なノンフィクションです。
まず初めに驚いたのは、「障害者でも性欲があるんだ」。ということ。
私たち健常者は当たり前の日常生活を送ってて、いつの間にかに健常者と障害者を区別・差別してしまってる。
でも障害者も一人の人間。
体が思うように動かなくても、思うように喋れなくても、麻痺しても、性欲はある。
とても驚きました。
彼らは、本当は普通に恋し、愛した人と結ばれたい。
そう思うのに、「自分が障害者だから」という理由で諦めてしまってる。
だから、性欲を -
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わたしはこの事件をよくおぼえている。つたえられたあらましがあまりに奇妙だったからだ。行方がわからなくなった、というのがたぶん第一報で、つれさられた、との続報がながれたのは、それからすこしあとだとおもう。報道された断片によれば、被害者は小学5年生、祖父母と叔父と暮らす10歳の女児で、加害者はその近所にすむ40代の中年男。女児がかえってこないので、家族が警察に相談し、逃亡、いや誘拐か、があかるみにでたのだけれど、といっても、どうやら交流は以前からのようで、かれらの小旅行は、今回がはじめてでもないらしい。しかも、おとずれた沖縄で、ふたりは親子だといつわり、男がはたらく運転代行業者の寮に住み込んでいた
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本書の終盤、被告の弁護士が取材に答えている。
「人が生きること、死ぬことは本来法律が決めるものなのか?生命倫理や宗教が決めることでしょう」
これはわかる話である。法の論理と生命の倫理は相性が悪い。なんらかの法があるとして、必ずそれでは救われない者が現れる。法は決定をするからだ。勝訴、敗訴というが、ふつうに考えれば負けた者は救われない。なにかを決定するということは必ず暴力性を伴ってしまう。
そして、生命の倫理は決定との相性がすこぶる悪い。Aは生かしていいがBは殺してよい、などという決定はすべきではないし、少なくとも倫理的には不可能な決定である。
しかし、出生前診断で障害を持った子を妊娠して -
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知らない世界を知る。
読書の魅力が詰まった一冊だった。
身体障害者、知的障害者の性という
一昔前までタブー視された課題に踏み込んだ傑作だと思う。
身の回りにいないから、知らない。分からない。
考えたこともない。無知なことが本当恥ずかしかった。
障害者も健常者と同じように、性欲がある。
人を好きになる。結婚をする。子供を産む。
どこか特別で、難しいことなのではと思ってしまうが、障害者や介助者は、当たり前のこととして、難しく考えない。
生きるとは性と向き合うこと、
性と向き合うとは生きることなんだと考えさせられた。
本が発売されたのは20年以上前で、
今とは状況が変わり、障害者の性に対する -
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【感想】
コロナの罹患者を乗せたダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に到着したのが2020年2月3日。あまりに急なコロナの襲来に、政府は慣れない対応に追われ、国民は不安と恐怖に駆られることとなった。
しかしそれからわずか数日後に、コロナ対策のためのアドバイザリーボードが厚労省内に設立された。WHOでSARS対策に携わった押谷、同じくSARS蔓延時にWHO西太平洋事務局長として指揮をふるった尾身など、感染症対策の専門家たちが厚労省から依頼を受け、アドバイザーとして組織を結成したのである。その後、このアドバイザリーボードの委員たち数十名が、そのまま内閣官房下の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会 -
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『』内は本文より抜粋。
●出生前診断の結果、医師の誤診によりダウン症ではないとの診断だったため産んだ子どもがダウン症だった夫婦が、ダウン症児自身が生まれてくるべきではなかったと起こした訴訟。著者は訴訟に違和感を覚え、原告の母親の弁を聞きたいとの気持ちが発端となった一冊。出生前診断の是非についてかなり考えさせられる。
その子は合併症で闘病の末三ヶ月で亡くなる。
概要だけを聞けば、「障害ある子を産んだこと自体が損失だった、弁償しろ」という乱暴な主張に取られかねない印象を受けるが、原告の母親の話を著者が丁寧に聞き出し、母親としての愛情や苦悩や煩悶を生々しく感じ取れる内容。かなり訴訟に対する見方 -
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「出産も、子育ても、
自分の思い通りにいかない日々を積み重ねていく。
その時間から、人生も人も思い通りにはできない
というのを学んだ」
この言葉は、最愛のわが子が失踪し、
すべての力をかけて子を探した母が、
子の死を受け入れた時に語られた言葉。
圧倒されるというか、刺さるというか、
語彙力無さすぎて表現し難いのだけれど
残しておきたい言葉が他にもたくさんあった。
その一部↓
誰も好き好んで被害者になったわけではない。
不条理な暴力にあっただけだ。
その苦しみの上に、さらにスティグマを抱えて
生きていかなければならないのだろうか。
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私自身は、きっとこれからも間