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Posted by ブクログ
HONZノンフガイドから。もう何だか、ひと昔前という気すらしてしまうけど、コロナ渦にまさに突入せんとする最初期の混沌を収めた一冊。この時期は、さっさと任務をほっぽり出した前々首相の末期とも重なる訳だけど、良心たる本会議の存在すらもし無かったとしたら、果たしてどこまで愚かな暴走が突き進んでいたんだろう…と、改めてゾッとする。本書は表立って、まだまだ不気味な謎が多かったウイルスに対し、その時点での最適解を求めんとする会議メンバーの奮闘録なんだけど、その裏側に見え隠れする、ときに有害とすら思える政権の存在もしっかりと記録されている。今後当然、後方視的検証も重要になってくるけど、その中で、本書は重要なルポ足り得ると考える。
Posted by ブクログ
◯とても面白い。NHKのドキュメンタリーさながら、臨場感があり分かりやすい。
◯専門家会議って国の組織じゃなかったのか、から、感染症の感染拡大、専門家たちの市民を守るという思い、専門家が訴えられる?!まで、波瀾万丈というかジェットコースターのような展開。
◯著者のスタンスも非常に好感。事実をどちらの立場に立つのでもなく、ありのまま伝えようという意志を感じる。だからこそ、行政、政治家、専門家と幅広い取材が可能となったのだろう。その記載内容に信頼がおける。
◯去年のその頃の自分を思い出しながら読めるという同時代性も良い。これは是非多くの人に読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
コロナ対策に関する提言で頻繁にマスコミに登場した「専門家会議」。3密とか、人との接触7割減とか、さまざまな提言を発信されました。その専門家会議は発足から約半年を経て、後継の組織へと引き継がれたのですが、その半年間に政権や厚労省などとどのようなやり取りがあったのかを追ったドキュメントです。
感染症の専門家であっても新型コロナは初めて遭遇する感染症で、”サイエンスは失敗が前提。新しい知見が出てくれば、前のものは間違いということになる。そういう積み重ねが科学であり、公衆衛生はエビデンスが出そろう前に経験、直感、論理で動かざるを得ない部分がある(本書より尾身先生の発言を抜粋)”という姿勢で臨まれたのに対し、政権や厚労省は”間違いたくない。誤ってはならない(無謬性の原則)”という姿勢で臨むため、どうしても両者の考え方には溝ができてしまう様子が克明に記録されています。
あくまで政権に科学的なアドバイスを与えるという立場で関わるはずだった”専門家会議”が、あたかも政策を決定している当事者と勘違いされるほどに前面に出ざるを得なかった事情、疲弊する経済界や自粛疲れの市民からのいわれのない誹謗・中傷を受けながらも”コロナ禍の収束に向けて何かできないか”と粉骨砕身で臨まれた様子が伝わってきます。
学者として譲れない部分と政権や行政とのすり合わせの中で妥協を強いらる状況への葛藤、感染症の専門家としての責任感や、どこまで政策決定に責任を持つのかという迷いとか、さまざまに変化していく状況下での専門家の皆さんの動きが鮮明に描かれています。コロナ禍がいまだ収束せず、多忙を極める専門家の方々の姿を、よく取材できたなぁ、と驚きを禁じ得ない印象です。
記者会見でよくお見掛けする尾身先生はかつてWHOで感染症対策の最前線を経験された方で、記者会見などでは一見クールな印象を受けますが、本書からは責任感の強さや使命感に燃える熱さが伝わってきて、この方が日本のコロナ対策の中枢にいて下さったこと、今も責任ある立場で関わって下さっていることが日本にとっての幸運ではないかとさえ感じさせられました。
Posted by ブクログ
対策案の考案、厚労省等の関係各所との調整、国民への情報発信などを、凄まじいスピード感で実行していった専門家の先生方に、敬意を表したい。
もどかしく感じたのは、省庁内部や、国と地方など、縦割りに伴う信頼関係の薄さ、連携不足であった。
特に、感染状況のシミュレーションに用いる感染者数等のデータを、地方自治体の発表資料から手作業で引っ張ってきていたことには衝撃を受けた。
最近になって、科学的には徐々に解明されてきているにも関わらず、ワクチン接種や医療体制拡充などの対策がなかなか進まないのも、各組織間の連携がうまく行っていないことも原因にあるように思う。
専門家会議に参加されていた先生自身による振り返りの著書等もあるようなので、読んでみたい。
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