河合香織のレビュー一覧

  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    自分とは異質なものに接すると、つい反射的に身構えてしまう。
    多かれ少なかれ、人にはそういった傾向があるのかもしれない。

    障害者は当然同じ人間なのだけれど、その見た目が異形だから、つい、自分とは違うという意識が働いてしまうのだろう。
    分からないことは、怖い。
    分からないことには、興味津々。

    私も、純粋な興味からこの本を手にした。
    でも、そうなのだ。
    みんな同じ人間なのだ。
    うわべで惑わされて、見えなくなっているけれど。

    かといって、障害者の方の性の問題は、そうやすやすとクリアできるようなものではないだろう。
    誰の性も、本来はごく個人的なことなのに、介助のありかたを一律化・一般化なんてできな

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    2015年06月30日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    元カレのお兄さん、母の友人の子供、
    大学同級生のお姉さん…
    身近にいながら考えなかったこもごも。
    必ず全員が抱いているわけでもないけど、
    必ず関わる人がいる問題。
    やっぱりきちんと教育すべきだよね、
    隠さないで、私たち自らもそういう機会が必要だったと思う。
    難しいテーマだった。

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    2015年02月25日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    いつまでもタブー化されている・されるであろう題材を書いてある。確かにどういう現状なのか。興味があったので読んでみましたが、もっと皆が考えていくべきだなっておもった。健常者だろうが障害者だろうが人間としての本能だしね

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    2014年03月24日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    非常に読みやすい文章で、この分野に特に知識とか持っていなかった僕でも容易に分かる内容でした…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、少々ショッキングというか、刺激の強い箇所もいくつかありましたけれども、障害者だって健常者同様、性欲はあるんだゾ! ってなことを知る上で最適な一冊かと思います…この本を読んだ人の中には「障害者にも性欲ってあるんですね!」みたいな感想を述べてきた人が居たとか…この感想自体にアレですね、我々健常者がいかに日常生活の中で障害者に会っていないかを物語るようですね…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    この人の本は他にも一冊あるみたいですから、そちらの方も賞味してみましょうか…そんな

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    2014年03月18日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    ネタバレ

    日本では障害者の性は長い間タブー視されてきた。障害者にも性欲があることじたい一般的には十分認識されてこなかった。最近になって少しずつ語られてきている。しかし「セックスボランティア」はまくいっているわけではなく、受け手の障害者もみな悩みながらの試行錯誤。感情の処理ができなかったりれない感情が芽生えて妨げになったり周囲の理解が得られず苦しむことが多かった。「人権」の中に「セックスする自由」は含まれているのかな。考えさせられる問題だが売春行為、性を売り物にすること自体に抵抗があるため、どこまで人権として認められるのか難しい。性を「生理現象」の文脈で語られているとしたら本当に排泄介助同様に手袋着用、汚

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    2013年12月30日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    単なる性的な欲求の解放だけを求めているならば(簡単に言うと自慰行為のお手伝い)、男でも女でもおじさんでもおばさんでもいいはずなのです。それが、「若い女がいい」というところには、何かしらの付加感情とか付加欲求があるはずなのです。しかし、それが「今までタブー視されてきた障害者の性の人権のことだから」とうやむやにされている。そういう感じがした。「障害者だって性的欲求があるはずだ!健常な男性と同じように、その欲求を解消する権利があるはずだ!」と声高に叫ぶことはまあ意味があるとは思うのですが、その先が問題だと。障害者だからということで免除されているなにかもやもやとしたものが、ある、気が。

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    2013年12月10日
  • セックスボランティア(新潮文庫)

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    「世の中には、知らないことの方が明らかに多い」ということを、改めて実感する本だった。

    障害を持っている人の方が、積極的な気がした。

    「こうして欲しい」と言わなければ、感覚がない部分があったりするから、第三者を介していたり、健常者よりも時間がかかることをしているのだから、意味がないというか、だったらやらなきゃいい。

    自分をよく知っている。向き合っている。

    恥ずかしい、などと言ってはいられない。

    見習うべきだと思った。

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    2012年09月20日
  • 帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件―(新潮文庫)

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    単行本(「誘拐逃避行」)の後味の悪さに、こちらで解説の角田光代さんはなんと書いているのかな?と確認。
    そうそう、と思うところと、でもね、と思うところ。

    とにかく「心の闇」なんて言葉に逃げ込んだら、何もわからないのだから。

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    2011年09月08日
  • 帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件―(新潮文庫)

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    角田光代の解説はたしかに良い。けれど、ブラックボックスは何なのか、自分のこととして「考え続ける」という結論が凡庸。この手の感想は聞き飽きた。本当に考え続けているなら、何か成果が出たっていいころだろうよ。と。

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    2011年08月25日
  • 帰りたくない―少女沖縄連れ去り事件―(新潮文庫)

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    例えばゴールデンウィークやクリスマス、お盆やお正月になると、家族や親しい人たちと幸せな時間を過ごしている人々の映像がテレビからあふれる。確かにそれは幸せな風景だけど、そんな時間を共に過ごす人のいない人にとっては、こんな映像を次から次へと見せられてどんなにか孤独が身にしみることだろうと思う。47歳の男が10歳の少女を連れ去ったとされているこの事件に対する嫌悪感はすごくある。二人の行動が理解できないし、特に男の行動のなかには絶対に許すことのできないものがある。けど、じゃあ孤独な世界に身をおくことになってしまったこの二人に他の選択肢はあったのか。それぞれの孤独から抜け出すために、他にどんな方法があっ

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    2011年08月06日