河合香織のレビュー一覧
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★自分が母となり、自分の命よりも大切な存在ができることは、喜びも大きいが、苦しみも深いということを初めて知った。
★当時の私は子供を寝かしつけると、「自分はだめな母親だ」という気持ちに押し潰されそうになり、子供に謝りたくなった。なのに、子が起きている間には、反省も忘れて何もできないでいる。仕事と日々の生活で余裕がなかった。
→◎わかる。痛いくらい、目をそむけたくなるくらいこの気持ちがわかる気がする。仕事、両立、忙しい、それを言い訳にする自分が嫌になる。ダメな母親だ、そう思うくらいなら、仕事やめればいいのに。そう思いながらも、どちらも手放したくなくて、必死になってる自分がいる。必死になれる -
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子どもを持つ決意、持たない決意。そして、子どもを産んだ後の親としての喜び、哀しみ、悩み、後悔…
親となった今では、子どもに関する悲しいニュースを聞くのが辛く、涙が出てしまうのだが、この本はそのニュースの裏にある当事者の親の気持ちをリアルに綴っている。実際に起きた事件についての取材や、筆者の周りの人との会話に基づいて書かれているので、まるで自分の目の前でその人が語っているかのような臨場感がある。
子どもを育てる上で、「親は死ねない」というのは、本当にその一言に尽きる。法律上や経済面の責任だけでなく、愛情の面でも、「私はこの子が死ぬまで死ねないし、この子が私より先に死ぬことは決してあってはいけない -
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新型コロナウイルス感染症が日本で発生・拡大し始めた初期から第1波の終息までの間、未知の感染症にどう対応すべきか誰もわからない中で、専門家として検討し発言していったコロナ対策専門家会議、その主要メンバーたちの言動・行動を追ったドキュメント。
素人目には、その後の新型インフルエンザ等対策有識者会議の下の新型コロナウイルス感染症対策分科会と主要メンバーが同じなので、組織がどう変わったのかも意識されにくいが、そういう仕組みについても触れられている。
それにしても、あまりにも最近のことで、記憶にも生々しいことで、専門家と政府との関係に関する違和感なども残っているが、その裏で、専門家会議が真摯に、しかも手 -
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新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は政府に対し状況分析や科学的根拠を持って対策を提案するため2020年2月に設立された。同年6月、西村大臣からの唐突な廃止発表まで約5ヶ月間、「3密の回避」、「人との接触8割減」、「新しい生活様式」などを打ち出してきた。
本書は専門家会議の議論や葛藤の様子を会議メンバーや関係者の証言で振り返るノンフィクションである。議論の内容、政治や行政との溝と連携のあり方、市民生活への影響などについて、どのように考えていたかが生々しく伝わってくる貴重な一冊だ。
未知のウイルスに対して、手探りながらも高所大所からレベルの高い議論がなされ、庶民目線ではなかなか難解なところもあ -
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トランプ大統領の新型コロナウイルス感染症罹患のニュースはとても衝撃的だった。
一方、東京都の発表では、5月までに比べて6月以降の方が確実に死亡率は下がっているという。
今、新型コロナウイルス感染症がどのようなフェーズにあって、どう向き合っていけば良いのか難しいところだ。
確かな知識がほしい。
本書は、ウイルス学の世界的権威がコロナについて、これまでにわかって来たこと、分かっていないことを比較的冷静に伝える内容。
ほんとは、「正しい知識を身につけて、恐れることなくウィズ・コロナを実践してほしい」と、言いたいところだけど、これから起こることが予測できないので、「恐れることなく」とは言えないそうだ -
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多少、日本ワインに興味がないと「?」って感じの「岡本英史、城戸亜紀人、曽我彰彦」がワインと出会い、作るまでの物語。映画化もされている。
やっぱり少しおかしな(普通でない)人、計算しない(できない)人でないと、こんなワインを作ろうなんてしないんだろう。凡人かつ計算高い私には無理だ。
今も昔も飲み物や食べ物の宣伝手法は「体にいい」。本格ワインが入ってきたときも「甘くないものはまずいという認識であり、しかし、アルコールを添加していない天然のワインだから薬としての効用は高いという」という打ち出しだったようだ。少し前も「ポリフェノールは体にいい」で赤ワインが大ブームになった。
本書では、ワ -
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当時、大学卒業後だった著者が書いた取材をもとにしたルポルタージュ(デビュー作)。障害者にとって”無かった”ことにされる性の問題について切り込んだ内容。
河合香織さんの本を読むのは「選べなかった命」に続いて2作目となります。
時系列的にはこちらの方が「選べなかった命」より前になりますが、既に2018年「選べなかった命」を出版した彼女が、なるべくしてなった形だということがその文面から伝わってきます。
取材に際して葛藤する初々しさはありつつも、どこか真剣でひた向きな取材姿勢が伝わってくるようでもありました。
少し障害者について接点があったこともあり、私自身では「障害者=特別な人ではない」というこ -
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正直なところ、本のタイトルに対して助平な気持ちがあったから読んだ。50歳目前にして性欲は食欲や睡眠欲とあまり変わらない。10代や20代の頃は歳をとれば自然に衰退するものだと思っていたけど、今のところその様子はない。本能だから逆らえないとも思う。身体障害者と健常者の間でもそこに違いはないみたいだ。ただ、人の介助ないしでできるか否かは大きい。他人にオープンにすることではないからだ。ホントは誰もがしていることだ。どんな美男子や美少女だって。身体障害者と健常者にそこに違いはない。愛がなくてもしたいものはしたい。でも、「したいって」他人に言わないとできない障害がある人はむしろ潔い。