山本巧次のレビュー一覧
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★吹っきれた女性は、綺麗だ。(p.51)
(一)北海道の鉄道が出てくるお話集。
(二)各話にちいさな謎が提示され解決されるが積み残ししつつ次の話に入り。
(三)最後の話で積み残しを一挙回収。
■簡単なメモ■(★は主要語)
【一行目】雪を頂いた十勝岳の稜線が、畑の向こうにくっきりと見える。丘の上に一列に並んだ木々は新緑に彩られ、内地からおよそ一月遅れてやってくる北の大地の春を、人々に告げていた。
【第一話】美馬牛の紅茶専門茶房オーナーは謎の美女。
【第二話】祖母を探して北浜でストーカー野郎に間違えられ。
【第三話】音威子府駅。おや、こんなところにアタッシェケースが。
【第四話】落石で自殺 -
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こどもの頃、阪堺電車の沿線に住んでいた。駅名や沿線の雰囲気が、よみがえり、懐かしい思いで読み進めた。車両177号の思い出として昭和初期から平成までを繋いでいく。6つの短編の主人公も少し接点を持ちながら、話が進む。「財布とコロッケ」で、出会った二人は後に結婚し、そのきっかけを作った小学生はのちに電車の運転手になる。「防空壕に入らない女」では、学徒動員で女子学生運転手となった雛子と防空壕に入らなかった信子の出会い、「25年目の再会」で、なぜ、防空壕に入らなかったのかがわかり、「鉄ちゃんとパパラッチのポルカ」で、実はその後も二人の仲は続いていることが描かれている。177号の最後は、結婚した2人が始め
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おしいれの奥の階段を通って、現代と江戸時代を行き来し、二重生活をおくっている優佳(おゆう)のシリーズ第4弾。
これまでは、江戸で起こった事件を、現代の科学捜査を駆使して解決してきました。
今回、初めて、現代で起こった疑惑を江戸で調べることになります。その疑惑というのは、葛飾北斎の絵の贋作疑惑です。これまでと違い、未来から持ち込まれた案件なので、江戸の人たちからすれば「おゆうは誰に頼まれて、何を調べているのだ」と、怪しさ満載です。未来人だとバレてはならないので、おゆうはピンチでした。
ところが、贋作疑惑は、江戸で更に大きな事件に発展してしまいます。
おゆうは、いつもの仲間、奉行所の同心の伝三郎た