塚田有那のレビュー一覧
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「死」を学際的に検討する過程で、よりよい「生」とは何かについて考えされさせられた。死とは生物学的な個体の絶命という意味を超えた観念であると感じた。死者を弔うのは他者であるが、その死者の存命中はもちろん、死後に至っても相互作用の中で誰かの自己と社会が形成されていく。そのような「分人」的観点で捉えると、「死」は自己完結するものではない。また、「弔う」ことの本質は儀式という表層的なものではなく、生成変化を伴う生者と死者の社会的な共生だと思った。
一方で、テクノロジーによって新たに生じる死者の権利、死後労働の観点は非常に悩ましい。生命はその有限性によってこそ輝くが、死後も残り続ける SNS 上の情報や -
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Posted by ブクログ
ネタバレ新たなマリー・アントワネット像を描いた惣領冬実の『マリー・アントワネット』の制作秘話。
私としては、あの『マリー・アントワネット』は天地がひっくり返るくらいの新解釈だったので、どのようにしてそこにたどり着いたのかが分かって興味深かった。
萩尾望都と惣領冬実の対談を読んで、『王妃マルゴ』も読んでみたくなった。
また、私の専門の19世紀末の“切り裂きジャック”でも、タブロイド文化の隆盛が事件に大きな影響を与えている。
それ以前の世界では、記録として残されている歴史は全て“勝者の歴史”だったものが、勝者でも敗者でもない第三者から見た歴史が、ここまで後世の人々の歴史観を左右するという事実が印象的だ -
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私のマリー・アントワネットのイメージは、もろ『ベルサイユのばら』のアントワネットだ。そんなアントワネットのイメージが覆されたのが、惣領冬実さんの『マリー・アントワネット』である。
惣領さんの『マリー・アントワネット』を読んだとき、物足りなさを感じたが、今回この本を読んで、惣領さんの『マリー・アントワネット』になぜ物足りなく感じたかがわかった気がした。
そして、歴史漫画を描く難しさ、面白さというものを考えさせられた。惣領さんは、歴史漫画に対して常に真剣に向き合っていると感じた。だから、適当には描けない(だからm『チェーザレ』も止まってしまったようだ)。
歴史をイメージや先入観で見るのではな -
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マウスによるPC操作から、タッチパネルによるスマートフォン操作に変わった時に、
ボタンを押す操作から、ガラスに触れる操作に変わった。
押すから触れる操作へと変わったとことで、
いかにボタンらしい表現を施して押させるかから、
どうやって触れさせて、触れたときにどう感じさせるのかに変わった。
見た目を美しくし、音やインタラクションによる気持ちよさを追加し、
触った時にいいなと感じる気持ちを抱かせる。
時代はVRへと繋がっている。VRはどうなろうのだろうか?
ガラスなどの物理的な制限がない分、視覚的な要素が強くなることを考える。
物が動いていること、光っていることなど、
人が視覚で検知しやすいこ -
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Posted by ブクログ
相変わらず繊細で綺麗な絵だなぁ…
私が子供の頃から活躍されていた少女漫画家さんも大分お年を召されてきて大分絵が変わられたり線が太くなる方が増えた中、この方の絵はあまり変わらない気が。というかまあ惣領さんのマンガで最初に読んだ作品が「ピンクな君にブルーな僕」だったのもある意味特殊過ぎたような気がしないでもない。
なにせフランス革命・マリーアントワネットというとどうしてもベルばらを思いだしてしまうのであちらが正史のような気になってますがそんな訳もないんだよな。この続きは破滅しかないのですがなんとなくもう少し長く読んでいたかったなぁという気になりました。 -