ニーチェのレビュー一覧

  • この人を見よ

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    ニーチェ晩年の自伝ということで、ニーチェ自身が自らの主張と、過去の自分の作品の解説をしてくれている。そのため、ニーチェを学ぶ際の最初の一冊として良いと思う。例えばツァラトゥストラは前提知識がないと(前提知識があっても)非常に難解であるが、この本では、ツァラトゥストラで何を伝えたかったのかということを解説してくれる。主張に共感できるというわけではないが、ニーチェの熱さと躍動感がひしひしと伝わってくる興味深い本だ。

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    2025年05月27日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    全然理解出来なかったけど、何となくすごい本なんだろうな、ってオーラは感じた。
    世間で言われてる常識的なものを小難しく逆張りしていくんだけど、比喩がすごくてなかなか読み取れない。

    ニーチェと言えば力を求め、弱者を嫌う哲学だと思ってたけど、悪に対しても寛容なのは以外だった。

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    2023年10月05日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    前に読んだ泉谷閑示『「普通がいい」という病』でふれられていた「三様の変化」の話を、原著で読んでみたくて手にとる。

    実際の文章(本書では「3つの変化について」という題)は、抜粋よりもさらに肉付けが豊かで、情景に迫力があり、読めてとてもよかった。

    どの鱗にも「汝なすべし」が金色に輝く、「つくられたすべての価値」である龍に対し、ライオンの精神が「われ欲す」と言い、新しい創造のための自由を手に入れるーーここの描写が圧巻で、とても好き。

    さいきん、なんとなく社会から「こうしろ」「ああしろ」と言われている気がして、それを受け入れてしまいそうになることが多々あるのですが、私の心にもライオンをすまわせて

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    2023年07月23日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    下巻も引き続き難解でした。もっともっと大人になって読み直したりするかな〜しないだろうな。
    とにかく2021年初頭に立てた目標のひとつ「ニーチェの『ツァラトゥストラ』を読む!」は達成できたのでよかった。
    永劫回帰、【これが生きるってことだったのか? じゃ、もう一度!】ってすごい言葉だよなぁ。

    〈 地上では、よいものがたくさんつくられてきた。役に立つものもあれば、気持ちがいいものもある。そのためにこの地上は愛すべきものなのだ。
     非常によくできたものもある。たとえば女の乳房。役に立つし、気持ちもいい。〉

    〈こんなことを言ってくれた女性がいる。「たしかに私、結婚を破綻させたけれど、でもね、まず最

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    2022年03月05日
  • ツァラトゥストラ(下)

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     ようやく読み了える。三島由紀夫『花ざかりの森』を読んだ後は「もうどんな本でも読める」と思い上がったものだが、世の中には三島と違う難しさがあったのか。
     ツァラトゥストラの従者みたいな鷲と蛇が人語を操るのに驚く。
     福音書のイエスは滅多に笑わぬ印象だが、ツァラトゥストラはよく笑う。ダンスを好み、とりわけサイドジャンプが得意らしい。
     自費出版でわずか40部しか印刷されなかったという第4部は、奇人変人が続々と現れいでてくるので、いくらか面白い。
     大島弓子がマンガ化するとよい、と萩尾望都が主張していたけれど、ヴィジュアルが想像できない。
     これより解説書をひもとく。

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    2022年01月06日
  • ツァラトゥストラ(上)

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     登山家のような心理で「あの山にはまだ登ってないな」と、ツァラトゥストラ山の五合目まで登る。大好きな番組『100分de名著』のオープニングで本の見開きが大写しになる。選ばれた書物は『ツァラトゥストラ』だ。
     特段これといって難解な言い回しではないのに、どうにも理解しづらい。
     熱に浮かされて10日で書き上げたという第1部から圧力が伝わってくる。
     引用したくなるくだりも多い。「趣味というのは、秤の分銅であると同時に、秤の皿でもあり、また測る者でもある」。荒巻義雄のSF短篇『大いなる正午』、タイトルの出典は第1部の終りだったのか。
     上巻で判ったこと。ツァラトゥストラは40歳ぐらい。ひげをたくわ

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    2021年12月25日
  • この人を見よ

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    今まで感じたことがないような凄みを感じました。難しくて分かりにくかったというよりもニーチェ氏の考えについていけなくて分かりにくかったです。おいおいとツッコミたくなるような部分も多いので信じるか信じないかは読んだ人次第だと思います。

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    2021年11月07日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    自らの生きにくさの中で、心の中に湧き上がってくる様々な自分(思考)と格闘する様を、物語仕立てで象徴的に、しかしまた結構赤裸々に語っているように思う。全体的な印象は、なんだか痛々しい。というか、イタい。けれど、だからこそ生きるのに不器用な人々を力づけ続けてきたのだろう。

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    2020年03月28日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    今までにもニーチェの著作は2,3冊読んできたが、やはりこれが一番振り切れていて、ニーチェが自分のやりたいことを思いきり解放している感じがする。ニーチェのいわゆる有名な言葉は、ほとんどがここから出ていることも、確認できた。ただ、ニーチェの言いたいことを予めある程度わかっていないと、読むのが苦しい本だと思う。

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    2020年03月11日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    上巻に引き続き、さっぱり分からず。
    ただ、「自分は評価されていない!」と思った夜に読んだときは、どこか共感する文面があった気がして、探してみたが分からなくなっていた。

    「お前の隣人を大事にするな!」(新しい石版と古い石版について 4)→「バカとは付き合うな!」に似てる??

    「夢遊病者の歌」の節が大事。

    次は『善悪の彼岸』、『道徳の系譜』、まんが版『ツァラトゥストラ』を読もうか。

    訳者あとがきから引用
    「偉大なものは単純である」フルトヴェングラー
    「人生を重く考えることは、かんたんだ。人生を軽く考えることは、むずかしい」ケストナー

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    2020年02月01日
  • 善悪の彼岸

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    ネタバレ

    ツァラトゥストラを分かりやすく書き直したというだけあって曙光よりだいぶ理解できた。と思う。すごくまじめに読んだら面白かった!ニーチェ先生が私たちのレベルまで降りてきてくださっているという感じ。

    まず支配者の道徳と奴隷の道徳があって、奴隷=一般人はキリスト教程度で満足していればよいけど、支配者、新しき哲学者は奴隷も何もかも利用して高次の課題にあたり、新たな道徳価値を創造する。そういう人々が必要なんだ、ということ。
    精神は自分の周りを同化し、征服し、わがものにすることで成長しようとする、これが生の本能、力への意思。キリスト教的道徳のもので、この本能は悪として否定され、支配者になるべき人を傷つけて

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    2019年10月29日
  • 善悪の彼岸

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    権力が横暴を極め、富裕層はひたすら自らの富を蓄積することだけを求めているような時代。ルサンチマンではなく、もっと強靭な個の思想を持つことが求められているような時代だからこそ、ニーチェは読み直されなければならないと、内なる声が教える。

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    2019年08月23日
  • 善悪の彼岸

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    遠近法により、哲学や道徳の絶対価値を批判し、秩序や善悪の判断を捨て、解釈だけがある新しい哲学について論じた本


    光文社古典新訳文庫 ニーチェ 善悪の彼岸


    「真理を女性と考える」という軽妙な序文から始まるが、「哲学の暴力」「悪循環の神」「家畜の群れとしての人間」「道具としての人間」「多くの人と同じ意見をもつ悪趣味」など ニヒリズムな言葉の数々に驚く

    道徳を哲学の初期段階と位置付け、道徳を復讐、欺瞞、強制と結びつけるような過激な表現が多い


    「生そのものは本質において、他者や弱者をわがものとして、傷つけ制圧することである」










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    2019年05月28日
  • 道徳の系譜学

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    何かに対するアンチとして生まれる行動を批判し、ルサンチマン(怨恨の念)というシステムの起動を捉えていたニーチェ。

    アンチ、つまり何かへの敵対や恨み及びそこからしか創造できないこと。

    アンチから始まる道徳の究極の形態としての発展してきたものがキリスト教であった。

    ニーチェ その名前だけならば知っている。
    実際、ニーチェは特に日本では非常に有名な哲学者だ。

    例えば出版点数で見ると以下のようだ。

    「ニーチェの著作の出版点数は、出版国別では本国ドイツに次いで世界第二位、言語別でも、ドイツ語、英語訳、フランス語訳に次いで世界第四位です。日本は、世界一のニーチェ翻訳大国です。ドイツ語圏以外で、ニ

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    2018年11月25日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    やっと上下巻読み終わり。上巻は本当に何を言っているのか
    難解すぎて意味不明でしたが。
    下巻も意味不明なのは変わりないのですが。読んでいて
    面白いと感じてしまう内容(というか文体)でした。
    読んでいて気持ちがよくなってくるという感じでも
    あります。非常に不思議な内容でした。

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    2018年05月18日
  • 善悪の彼岸

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    「ツァラトゥストラ」よりは、その意味するところが明瞭だった。哲学批判や、生の本質が平等ではないなど、鋭い指摘があった。訳は読みやすかった。女性については、なぜここまで保守的なのだろうか。

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    2017年10月08日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    結構時間をかけて読んでしまったせいでまとまった感想を述べることが難しい。理性による啓蒙の時代において、マルクスとは別な形で時代の疎外を体験したニーチェが、全く新しい悟りに近い思想を披歴した決断の書。神の時代から超人の時代へ。精神から身体へ。忍従の美徳からの解放へ。真の人間を求めてツァラトゥストラに語らせるニーチェの福音書。

    正しいか間違っているかはあまり意味がなく、その情熱と時代精神に脱帽。


    17.4.14

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    2017年04月14日
  • ツァラトゥストラII

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    そんな時に読んだニーチェは僕を鈍器でぶん殴ったようだった。

    ニーチェとのコミュニケーションで僕が学んだことは以下のことだ。

    現生に希望をもてるよう向き合うことが人生だ。

    虚栄心ではなくよく生きようとする情熱に生かされなさい。

    しょうもない歴史が繰り返し、自分もその歴史の一部分だとしても、そのことを真摯に受け止め、そしてそれを超克しようとする人々を超人という。

    かなり恣意的な解釈も含まれるが、こんな感じである

    ニーチェの言っていることの9割は理解できていない、しかしその1割を理解するだけでも人生に大きな影響を与えるニーチェはやはり偉大なのだろう。

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    2014年12月26日
  • ツァラトゥストラI

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    長い旅に出るとき、僕は哲学書を持っていく。
    それは怠惰な自分が哲学書に向き合える唯一の機会だからである。

    ドイツからポルトガルまでの流浪の一人旅、通じない言語、スカスカの財布と相談するたびに、僕は本を開いた。

    ニーチェは雄弁だった、それが一人旅の自分にはすごく心地よかった。

    つい最近、宗教の持つ意味を深く考える機会が多かった。
    それは身の回りの変化や将来に対する漠然とした不安に根差したものだった。

    下巻書評につづく

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    2014年12月26日
  • この人を見よ

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    この自叙伝が書かれたのは、ニーチェが44歳のとき。この年が彼の正常な精神活動の最後の一年だったらしい。
    彼の精神活動の最後に遺されたこの自伝は、ニーチェの思考と著作の全体について自ら細かく解明していく構成になっている。
    シニカルな余裕に満ちた箴言、大上段から一気に振り落とす傲慢な名句に心踊るニーチェ好きには、目次からどストライクかもしれない。
    ・なぜわたしはこんなに賢明なのか
    ・なぜわたしはこんなに利発なのか
    ・なぜわたしはこんなによい本を書くのか
    言うまでもなく『この人をみよ』の「この人」とはニーチェさん自身のことである。

    とはいえシニカルな余裕というよりは、自己欺瞞にすらも目を背ける、傲

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    2013年09月09日