ニーチェのレビュー一覧

  • この人を見よ
    「なぜ私はこんなにも利発なのか」のような見出しからもわかるように自らを人類史上希有な、旧来思想の転覆者として語る自伝的文章。堂々とした文体が魅力的だが危険でもある。
  • 善悪の彼岸
    目の前の絶望に蓋をし、まるでそれを見ないように遊戯し続ける状況は、現在でもある事。現在の悪い所は、目の前の絶望に蓋をし、更に唾を吐き捨て、踏みにじっている事だろうと思う。目の前の絶望に対して、逃げずにしっかり地に脚付けて見つめる事、こうした事が出来ないままでは、現状も、これからも変化はあり得ないし、...続きを読む
  • 善悪の彼岸
    「利他的なことは善いことだ」的な道徳とかキリスト教は、他人の成功に対する嫉妬と、その他人が自分にその成功を分け与えてくれないということに対する不満、つまり弱者によるルサンチマンにすぎない。そのような道徳は、平等主義、民主主義、功利主義などの、人間を凡庸化し畜群化するものでしかない。人間がより高い存在...続きを読む
  • この人を見よ
    数年前から、超訳ニーチェがちょっとしたブームだけど、最初に手を出したのが本書。

    阿部六郎訳で旧かなの新調文庫版。まだ平成になる前、世の中、バブルで浮かれてた。

    バブルにも乗れない僕には、あまりにも強烈すぎた。
  • この人を見よ
    ニーチェが発狂する1888年の前年の秋に書かれた。
    題名のラテン語“Ecce homo”は新約聖書『ヨハネによる福音書』19章5節から引用されてる。
    各章の表題が笑わせてくれる。
      ◆なぜ私は、こんなにも賢いのか?
      ◆なぜ私は、こんなにも利発なのか?
      ◆なぜ私は、こんなにも良い本を書く...続きを読む
  • 道徳の系譜学
    西洋文明批判というニーチェの畢生の課題を、道徳の価値を問うという方法から遂行する。一応論文集という体裁はとっているが、中身はアフォリズムが敷き詰められた独特の文体である。しかしその中にも、道徳の起源を古き時代の支配関係、種族、生理学的反応などに見出そうとするニーチェの苦心が読み取れる。全てを混ぜっ返...続きを読む
  • 善悪の彼岸
    生きているということは実はとんでもないことだったんだと思った。と言っても罪の意識なんかはまるで感じないのだが…

    道徳には二種類あって、高貴な者の道徳と、奴隷の道徳。
    高貴な者は強く、比類なき能力があり、自ら是とするものを「よい」こととなす。彼そのものが価値の創造者である。

    奴隷は高貴な者に奉仕す...続きを読む
  • 善悪の彼岸
    力強いアフォリズムは断片的には心に響くが、何を訴えかけているのかは、ほとんどつかみきれなかった。真理は女性であるとしたためか、女性に対して辛辣な発言も少なくない。
  • この人を見よ
    何をそんなに思いつめているのか、という印象しか受けない。彼は哲学者であるらしいが、詩人でもあり、狂人でもあろう。
    たまにこういう哲学者が現れるのかな、とも思う。今までの哲学にすべて絶望して、罵っている。まあ、分からなくもないが、破滅的思考は身を滅ぼす。もっともこれは彼の最後の作品であるので、他を読ん...続きを読む
  • 善悪の彼岸
    ツァラトゥストラがまったく理解されなかったために、分かりやすく書いたのがこの本らしい。
    が、ツァラトゥストラのほうがまだ分かりやすいというへんな本。
    今何のことを言っているのか、というのが具体的にイメージできないと読み進めるのがきつい。
    でも夜中に勢いで書いたような文章は個人的には好き。
    さらにこれ...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    ≪神は死んだ≫で名を馳せるニーチェの主著。≪私は決して論文なぞ書かない≫との声明を発した彼だけに、アフォリズムと散文というスタイルを駆使して、哲学書とは感ぜられないほどに文学的なユーモア溢れる作品に仕上げている。読み物としてはすらすら読めるが、二―チェの思想の探究としては他の邦訳か2次文献を当たった...続きを読む
  • この人を見よ
    ニーチェ自身がニーチェについて語る。書名の「この人」とはニーチェのことであり、当時世間から理解されることが少なかったニーチェが「(愚民ども)この私を(もっと)見よ!」と言っている。(笑)
    「解説」を読むとこんなにも深淵な大望が記されているのかと思いをいたすが、普通に読んでいると随所で笑いがこみあげて...続きを読む
  • この人を見よ
    ひゃっひゃー(・∀・)
    おもしろすぎたww
    真剣に「なぜ私はこのように賢明なのか」
    「なぜ私はこれほど利発なのか」
    「なぜ私はこのようなよい本を書くのか」

    電車の中で笑いをこらえるのに必死でした。
    この1,2週間電車で乗り合わせたたくさんの人の中でまさか19歳の女の子がニーチェ読んでると思った人は...続きを読む
  • ツァラトゥストラII
    本書には第3部から第4部が記載されている。

    第3部は、洞窟に帰る道すがら、自身の行動を振り返り、
    永劫回帰の思想を完成させるまで。

    振り返りということもあり、第1部、第2部で言及したことを
    ツァラトゥストラ自身が解説している感じになっている。
    よく、ニーチェを自己啓発本に仕立て上げたものがあるけ...続きを読む
  • ツァラトゥストラI
    主人公であるツァラトゥストラが人々に自身の超人思想を
    説いて回っているうちに永劫回帰という真理を見つける
    という物語風作品。
    ニーチェの代表的な作品。

    ツァラトゥストラは好きで何回か読み返しているが、
    読むたびに新しい発見があって面白い。

    そもそも、ニーチェを初めて読んでみようと思ったのは、
    ...続きを読む
  • この人を見よ
     『なぜわたしはこんなに賢明なのか』、『なぜわたしはこんなに利発なのか』、『なぜわたしはこんなによい本を書くのか』など「なぜ~」シリーズと『ツァラトゥストラはかく語りき』、『善悪の彼岸』など各著書の解説文を収録した本。

     この本でも人々のルサンチマンの温床となる「道徳」を捏造してきたキリスト教に...続きを読む
  • 道徳の系譜学
    読み物としては、善悪の彼岸のほうが面白かった。テンポも良かったし、語り口にキレがある。とはいえ、ルサンチマンやニヒリズムといったニーチェ用語に生で接することができて嬉しい。どこまでも冷徹な目で世界を眺める様子はさすが。
    論文形式といえど、結局はニーチェ節が満載で、敵対者に対して恐ろしいほどの語彙力で...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    はじめてのニーチェ。
    訳が秀逸なのか、軽い語り口で語るツァラトゥストラとそれを取り巻く人々の掛け合いや自然の様子などの情景が思い浮かべられ、初心者でも何とか読めた。

    ツァラトゥストラの語るストーリーや概念は理解できないものも多く、消化不良感もものすごくあるけど哲学書なんてこんなもんなんだろう。

    ...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    光文社古典新訳文庫のほうでもよんでみました。
    岩波文庫より感覚的に理解できるのではと思った。
    気持ちよくながれるように読めた。

    内容は自分的には好きだけど、これ実践していったら、世間一般の幸せから遠ざかるだろうなあと思います。まあだから超人なのだろうけど・・・。
    そして俺の精神レベルでは、「この世...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(下)
    第一部、第二部(上巻)の方が分かりやすいと感じた。またの機会に全体を読み返してみよう。
    個人的に好きなのは第一部。簡潔で力強く、心に響く。