ニーチェのレビュー一覧

  • ツァラトゥストラ(上)
    ドイツの思想家・古典文献学者ニーチェの思想のエッセンスが詰め込まれた本。

    名前だけ借用したゾロアスター教の開祖ツァラトゥストラの口を通して、ニーチェの思想が語られる。キリスト教聖書のパロディでもあり、物語でもあり、詩でもある。

    人生は無意味だ。でも、だからこそ、無意味から始めてみなくちゃあならな...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    一言でいうと
    【徳を積み過ぎたツァラトゥストラが街に降りてきて徳について話してくれる内容の本】

    ニーチェの最高傑作と名高い「ツァラトゥストラ」。何も知らない時は、私はそれが人物の名前だと気づかなかった。

    山で徳を積み過ぎて、「あー、暇になりすぎた!太陽だって持っている燦々とした日光を何の見返りも...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(下)
    「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、 何事かをなすにはあまりにも短い」と中島敦は言っていますが、苦しみを何度味わっても自分の生を肯定的にとらえ上昇を希求すれば、何度繰り返しても足りない。学ぶことは永遠にある。って言ってる気がしました。
    最後は、全てのものごとは繋がっている、喜びは苦しみが深いほ...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    この本は聖書のパロディーだと訳者あとがきに書いてあったけど、聖書を知らなすぎて元ネタが全くわからなかった。でも、パロディーなんだとしたら当時のキリスト教世界の人々にとって衝撃的な問題作であったことは容易に想像できる。私なら、お釈迦様とかのエピソードを色々出してきてそんでもって「釈迦は死んだ」とか言わ...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(下)

    大きなあこがれについて

    おお,俺の魂よ,俺はお前に全てを与へた.俺の手は,お前に触れて空つぽになつてしまつた.ところが,いま!いまお前は俺に微笑みながら,実に憂鬱さうに云ふ.「私と貴方では,何方が感謝すべきなんでせうね?与へる側が,受け取つてもらつた事を感謝すべきなんぢやないかな?プレゼントする...続きを読む
  • ツァラトゥストラはかく語りき
    原書のエッセンスが充分理解できる。神は死んだ。まさに資本主義におけるサラリーマンのほとんどがそのように仕事ををしている。
  • 道徳の系譜学
    ニーチェは、今の日本人こそ読むべきだと思う。言葉の一つ一つが自分に向けられているかのように刺さってくる。
    中二の頃、岩波文庫で読んでいたときと違って、訳が新しいとニーチェでもものすごく読みやすくなっている。これは論文というよりむしろ詩と言った方がいいかもしれない。
  • ツァラトゥストラ(上)
    子供に音読してもらって聞いているのだけど、内容の深遠さよりも、描かれている状況のバカげた感じに打ちのめされて爆笑するしかなくなる、稀有な作品。
  • 善悪の彼岸
    永劫回帰、超人、ルサンチマンなどの概念を生み出したことでも知られるニーチェだが、
    なぜニーチェが、どうゆう理由で、それらの概念、価値を創り出したのか? それを良しとしたのか?
    この本ではそれらのワードはまだ出てきてはいないが、その結論に至るまでの思考の変遷をニーチェと共に追体験することが可能な本だ。...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    岩波文庫版で一度読んだが、ニーチェがこの本で伝えたかったことがいまいち掴みきれなかったことに悶々としていた為、光文社の新訳で再読。岩波文庫版よりだいぶ砕けた訳で、平易な言葉のためとても親しみやすい。こちらの訳も読んでみて正解。
  • 道徳の系譜学
    第一論文は語源的に、良いと悪い、善と悪の系譜をたどっていく。これまでのニーチェの直感的、詩的な記述に比べ、論理的な記述が明晰である。

    第3論文まで読んで、人間の底無しの深淵を覗き込んだような気がした。すごい筆力だった。

    ヨーロッパとキリスト教、そして学問体系に挑み、瓦解させ、それでも、さらに生き...続きを読む
  • 道徳の系譜学
    人は欲望を満たすために社会を形成したが、その社会によって人は欲望を抑制されることとなった。社会における善は、自己肯定から辛抱強さへとその価値観を奴隷により逆転された。良心は自分の自由な本能を外ではなく内に向けざるを得なくなり、疚しい良心、として成長した。その良心は、禁欲的な生に高い価値があると解釈し...続きを読む
  • 善悪の彼岸
    ニーチェ以前の哲学を批判し、あるべき哲学者像を呈示した書。哲学の理論とはその創始者の自己認識であり、道徳的な意図を持って成長したものだと言う。道徳には主人の道徳と奴隷の道徳との2種ある。以前の哲学者が依った道徳は後者であった。真理への意志とは力の意志なのだから前者に依って哲学すべし、というのがニーチ...続きを読む
  • 善悪の彼岸
    ニーチェは初読。新訳かつ、原文では自明であろうが訳すと何を指しているかわかりにくくなる箇所は本文中で補足されているので読みやすい。用語や人物の注は巻末にまとめて。もう少し解説が欲しいところもあったが、1冊の文庫にまとめるのであればこれくらいが限度か。

    序盤はニーチェの姿勢をわかっていなかった為、本...続きを読む
  • 道徳の系譜学
    これまでの文化、哲学、さらには学問全体を、徹底的に分析し批判することで、ヨーロッパを支えてきた従来の価値観を転倒し、新たな価値観を探る。

    「どう生きるべきか?」という問いに、徹底的に、本気で向き合った、不朽の名著。

    以前、岩波文庫版『善悪の彼岸』で挫折してしまったが、今回、『ニーチェ入門』を読ん...続きを読む
  • 善悪の彼岸
    非真理とは生の条件であるのに、その真理を追究しよう時点で哲学とは善悪の彼岸に立つ行為なのだ、と言うところから本書は出発する。哲学だったり宗教によって導き出された“真理”に固執した人々は深淵に取り込まれるか、家畜のような生き方を引き受けることになる。家畜のようになった人々は絶対的指導者を欲し深淵に取り...続きを読む
  • ツァラトゥストラI
    「神は死んだ」で、市中に根を張る既成の(まやかしの)価値観からの脱却を叫び、「超人たれ」でローリングストーンな生き方をすすめる。この本は現代でも十分示唆に富む。

    しかし、もしツァラトゥストラ(すなわちニーチェ)の語りがすべて終わった後「あなたの説はごもっともです。それでは次に、あなたの説を聞いたう...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(下)
    神は与えられるものではない、神は見出すものであ る。同様に、生きる意味は与えられるものではな い、見出すものである。

    無神論者ツァラストラは叫ぶ
    「お前の道化の言葉 は、この俺には迷惑なんだよ!」

    そんなハードな展開も一変、訳者・丘沢静也氏が寄 せられた解説のうち「気楽に読むには」が秀逸 で"n...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    隠遁することによってしか産み出しえない表現の数々!訳も一か八かのスタイルで伸び伸びしている。内容のごく一部でも読者が理解しうるように、そして哲学的な思考に支配され生きづらさを抱えている人であればあるほど、深淵を覗こうとするならばたどり着く境地が本書に描かれているのかもしれません。次に読む予定のシリア...続きを読む
  • 善悪の彼岸
    とにかくニーチェの女嫌いと女のこき下ろしがスゴい(笑)

    こんな本が今出版されたら、問題ありでしょう。