ニーチェのレビュー一覧

  • 道徳の系譜学

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    ニーチェの訳本とは思えないくらいに非常にわかりやすい語り口であった。『道徳の系譜学』の違う訳を参考にしたくて、本書を購入したが、一冊目では理解しづらかった部分も、非常に明瞭に理解できるようになった点がよかった。
    しかし一冊目から光文社の本のみというのも、哲学を読み解く醍醐味が半ば失われてしまう気もするので、二冊目の参考書としてもっているくらいがとても良いと思う。
    また、解説も内容をわかりやすく伝えようとしている訳者の姿勢が伝わってよかった。




    以下、第二論文のみ再読した際に、一部メモをとったので、そのメモを自分用に全て載っけておく。


    第二論文感想・メモ

    第二論文2を読んで思ったこと

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    2025年11月02日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    ついに『ツァラトゥストラ』を読み終えた。約700ページの大作だった。平易な言葉使いだが、難解。時々GPTに意味を聞きながら何とか読み終えた。しかし最後は一気に読んでしまった。面白かった。読む前と読んだ後では世界の見方が少し変わる気がする。ツァラトゥストラは心の友になるだろう。

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    2025年08月13日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    ドイツの思想家・古典文献学者ニーチェの思想のエッセンスが詰め込まれた本。

    名前だけ借用したゾロアスター教の開祖ツァラトゥストラの口を通して、ニーチェの思想が語られる。キリスト教聖書のパロディでもあり、物語でもあり、詩でもある。

    人生は無意味だ。でも、だからこそ、無意味から始めてみなくちゃあならない。あの世に意味を見出して、この世の生を弱めても、生の無意味を克服することはできない。生きていることにうんざりしているときにこの本を読めば、きっと新しい無意味を見つけられる。

    ニーチェは、「神は死んだ」というフレーズが特に独り歩きして有名だけれど、「人間だったんだよ、神なんて。」(57)という表現

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    2023年08月07日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    一言でいうと
    【徳を積み過ぎたツァラトゥストラが街に降りてきて徳について話してくれる内容の本】

    ニーチェの最高傑作と名高い「ツァラトゥストラ」。何も知らない時は、私はそれが人物の名前だと気づかなかった。

    山で徳を積み過ぎて、「あー、暇になりすぎた!太陽だって持っている燦々とした日光を何の見返りもなく分け与えてるんだから、私もそうしよう!」という設定が個人的に面白かった。

    人間は、ラクダ→ライオン→子どもの順に成熟する「三様の変化」が私は好きだ。

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    2022年02月07日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    この本は聖書のパロディーだと訳者あとがきに書いてあったけど、聖書を知らなすぎて元ネタが全くわからなかった。でも、パロディーなんだとしたら当時のキリスト教世界の人々にとって衝撃的な問題作であったことは容易に想像できる。私なら、お釈迦様とかのエピソードを色々出してきてそんでもって「釈迦は死んだ」とか言われたら、はぁ?ってなるかもしれない。いや、まぁ、釈迦は死んでるんだけど。というか、私は仏教徒ではないけど…
    ニーチェの無神論は、なんとなく禅宗などの考え方とニアミスな部分がある気がする。
    坂口安吾ともなんとなく通じるような。
    ハッとする言葉がたくさんあった。
    下巻が楽しみです。

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    2022年01月21日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、 何事かをなすにはあまりにも短い」と中島敦は言っていますが、苦しみを何度味わっても自分の生を肯定的にとらえ上昇を希求すれば、何度繰り返しても足りない。学ぶことは永遠にある。って言ってる気がしました。
    最後は、全てのものごとは繋がっている、喜びは苦しみが深いほど素晴らしくなる、しんどいから人生は深くなる、すべてを味わえと、どこか宇宙的な極致に到っている感じがあります。
    ニーチェは苦しみの多い生だったのではないかとこの本を一冊読んだだけでも伝わってきますが、そんな中でも、今を頑張れ、過去を肯定しろ、大丈夫だ、笑うんだ、軽々とダンスをしながら、誰かの基準では

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    2022年01月21日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    ネタバレ


    大きなあこがれについて

    おお,俺の魂よ,俺はお前に全てを与へた.俺の手は,お前に触れて空つぽになつてしまつた.ところが,いま!いまお前は俺に微笑みながら,実に憂鬱さうに云ふ.「私と貴方では,何方が感謝すべきなんでせうね?与へる側が,受け取つてもらつた事を感謝すべきなんぢやないかな?プレゼントする事は,必要に迫られてるからぢやないかな?受け取るのは,憐んでゐるからぢやないかな?」おお,俺の魂よ,俺には,お前の憂鬱が微笑んでゐるのがわかる.お前は豊かすぎるので,憧れの手を差し出してゐるのだ!

    FriedrichWilhelmNietzsche
    AlsosprachZarathustra

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    2021年09月05日
  • ツァラトゥストラはかく語りき

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    原書のエッセンスが充分理解できる。神は死んだ。まさに資本主義におけるサラリーマンのほとんどがそのように仕事ををしている。

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    2021年07月11日
  • 道徳の系譜学

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    ニーチェは、今の日本人こそ読むべきだと思う。言葉の一つ一つが自分に向けられているかのように刺さってくる。
    中二の頃、岩波文庫で読んでいたときと違って、訳が新しいとニーチェでもものすごく読みやすくなっている。これは論文というよりむしろ詩と言った方がいいかもしれない。

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    2021年06月29日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    子供に音読してもらって聞いているのだけど、内容の深遠さよりも、描かれている状況のバカげた感じに打ちのめされて爆笑するしかなくなる、稀有な作品。

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    2020年09月01日
  • 善悪の彼岸

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    永劫回帰、超人、ルサンチマンなどの概念を生み出したことでも知られるニーチェだが、
    なぜニーチェが、どうゆう理由で、それらの概念、価値を創り出したのか? それを良しとしたのか?
    この本ではそれらのワードはまだ出てきてはいないが、その結論に至るまでの思考の変遷をニーチェと共に追体験することが可能な本だ。

    結論が正しいかどうかの議論とは別に、
    その結論に至るまでの道筋に対峙していくことができる。時代を超えて。
    それが古典の醍醐味である。

    善悪の彼岸というタイトルのこの著書は、
    過去から作り上げられてきた良し悪しという価値基準をぶち壊しにかかるニーチェの精神の奮闘を共に味わうだけでなく、参加するこ

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    2020年04月26日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    岩波文庫版で一度読んだが、ニーチェがこの本で伝えたかったことがいまいち掴みきれなかったことに悶々としていた為、光文社の新訳で再読。岩波文庫版よりだいぶ砕けた訳で、平易な言葉のためとても親しみやすい。こちらの訳も読んでみて正解。

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    2018年12月25日
  • 道徳の系譜学

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    第一論文は語源的に、良いと悪い、善と悪の系譜をたどっていく。これまでのニーチェの直感的、詩的な記述に比べ、論理的な記述が明晰である。

    第3論文まで読んで、人間の底無しの深淵を覗き込んだような気がした。すごい筆力だった。

    ヨーロッパとキリスト教、そして学問体系に挑み、瓦解させ、それでも、さらに生きよと言う。恐ろしい本だ。

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    2017年10月11日
  • 道徳の系譜学

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    ネタバレ

    人は欲望を満たすために社会を形成したが、その社会によって人は欲望を抑制されることとなった。社会における善は、自己肯定から辛抱強さへとその価値観を奴隷により逆転された。良心は自分の自由な本能を外ではなく内に向けざるを得なくなり、疚しい良心、として成長した。その良心は、禁欲的な生に高い価値があると解釈し体現する司牧者によって点検される。学問もまた価値を生み出す権力を必要とし、自らは価値を創造することが出来ないため、禁欲的な理想を求めるものである。禁欲的な理想の果実たる、真理の価値を問い直そう、というのがニーチェの主張だ。
    神に罪を被せたギリシアと神に罰を背負わせたキリスト教との対比が興味深かった。

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    2016年11月08日
  • 善悪の彼岸

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    ネタバレ

    ニーチェ以前の哲学を批判し、あるべき哲学者像を呈示した書。哲学の理論とはその創始者の自己認識であり、道徳的な意図を持って成長したものだと言う。道徳には主人の道徳と奴隷の道徳との2種ある。以前の哲学者が依った道徳は後者であった。真理への意志とは力の意志なのだから前者に依って哲学すべし、というのがニーチェの主張である。後者の道徳の欺瞞性は我々も無意識的にでも勘付いているはずだ。例えば例えば「いい人、なんだけどね・・・。」などと評する時だ。その台詞にはニーチェが指摘した善と愚の接近がある。なお、本書は寄り道が多い。稲妻に撃たれるようなものもあれば、女性やユダヤ人に対する読むに耐えないものまで。そんな

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    2016年11月07日
  • 善悪の彼岸

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    ニーチェは初読。新訳かつ、原文では自明であろうが訳すと何を指しているかわかりにくくなる箇所は本文中で補足されているので読みやすい。用語や人物の注は巻末にまとめて。もう少し解説が欲しいところもあったが、1冊の文庫にまとめるのであればこれくらいが限度か。

    序盤はニーチェの姿勢をわかっていなかった為、本音なのか皮肉で言っているのか掴めないまま読み進めたが、アフォリズムという断章を積み重ねる形式で記述されているが故、個々の内容の意を汲むのはそれ程難しくはなかった。ただ後書きにあるように断章間を紡いで真意を読み取ることまでできたかは甚だ怪しい。

    上辺のみの理解で感想を語ることになるが、選民的貴族主義

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    2016年11月02日
  • 道徳の系譜学

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    これまでの文化、哲学、さらには学問全体を、徹底的に分析し批判することで、ヨーロッパを支えてきた従来の価値観を転倒し、新たな価値観を探る。

    「どう生きるべきか?」という問いに、徹底的に、本気で向き合った、不朽の名著。

    以前、岩波文庫版『善悪の彼岸』で挫折してしまったが、今回、『ニーチェ入門』を読んでから本書に挑戦。
    内容は難解だが、訳文は読みやすい。

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    2016年10月15日
  • 善悪の彼岸

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    非真理とは生の条件であるのに、その真理を追究しよう時点で哲学とは善悪の彼岸に立つ行為なのだ、と言うところから本書は出発する。哲学だったり宗教によって導き出された“真理”に固執した人々は深淵に取り込まれるか、家畜のような生き方を引き受けることになる。家畜のようになった人々は絶対的指導者を欲し深淵に取り込まれた人は落ちた世界で聖者とならざるを得ないかもしれない。ヨーロッパ史を考慮すると、頷かざるを得ない示唆に富んでいた。あと、PPはこの本の解釈するための物語だったのでは?!ってくらい理解を助けられた。

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    2016年08月16日
  • ツァラトゥストラI

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    「神は死んだ」で、市中に根を張る既成の(まやかしの)価値観からの脱却を叫び、「超人たれ」でローリングストーンな生き方をすすめる。この本は現代でも十分示唆に富む。

    しかし、もしツァラトゥストラ(すなわちニーチェ)の語りがすべて終わった後「あなたの説はごもっともです。それでは次に、あなたの説を聞いたうえで感じた私の説を聞いてください。」とニーチェに語りかける機会があったとしても、ニーチェは絶対にこちらの声に耳を傾けはしなかっただろう。それほどに本書は注意して読まないと、一方的にその内容に飲み込まれる恐れがある、と感じた。

    この本が世に出てから年月を経た現在では、一気に通読しなくても適当に合いの

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    2015年11月10日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    神は与えられるものではない、神は見出すものであ る。同様に、生きる意味は与えられるものではな い、見出すものである。

    無神論者ツァラストラは叫ぶ
    「お前の道化の言葉 は、この俺には迷惑なんだよ!」

    そんなハードな展開も一変、訳者・丘沢静也氏が寄 せられた解説のうち「気楽に読むには」が秀逸 で"nowhere"とは何処でもないとも訳せます が"NOW"と"HERE"にも分解できるんです、という話 がササった。ツァラトゥストラ

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    2015年06月16日