葉山透のレビュー一覧
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「0能者ミナト4」
豪華客船に現れる船幽霊。柄杓で水を撒くだけの時代錯誤な怪異に巨大な船を沈められる訳がない。湊が依頼を受けたのは言うまでもなくクルーズを楽しむためだった。ユウキと沙耶は湊に見切りをつけ、早々に事件を解決。これで大っぴらに遊べるとばかりに湊は泥酔しカジノで暴れボヤ騒ぎまで起こす始末。だが、怪異は終わっていなかった。
今回の怪異「船幽霊」は決して力が強くない。しかし、その怪異はある船を沈め、湊達が乗船した豪華客船をも沈めようとする。さらに、海が凍りつき、湊とユウキはある女性を助ける為に乗り込んだ船の中で塩漬けになった死体と少し異なる船幽霊を目撃する。
まさにタイタニック並みの展開となり、今まで湊が挑んだ事件の中で最も多くの人達が危機に晒され、同時に湊はこれまで自身が挑んだ事件の中で最も多くの人々を救いました。その結果、湊は今までに無いだろう感謝の嵐を受けます。また、湊が怪異の付き物を落とす最後の展開も見事ですし、最初は湊を嫌っていた副艦長との妙な信頼関係と最後の挨拶は良かったですね。これで、湊も少しは悪態を丸くすれば良いのに。
また、ユウキは沙耶をかなり好きであるということや沙耶のバニー、湊のいたずらなども登場しますが、一番印象的なのは「何故海が一瞬で凍ったのか?」ということです。
第4弾は湊のほぼ独断場。 -
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「0能者ミナト2」
江戸時代、寛延年間に村人すべてを殺戮したという怪異「鏖」。長く封じられていたはずのそれが、眠りから覚めた。総本山、御蔭神道の名だたる手練が犠牲となり、関係者を震撼させていた。へそ曲がりで有名な九条湊の仕事を選ぶ基準は「面白いかどうか」、そんな彼の腰は重い。しかし、この事件には恐るべき秘密が潜んでいた。
怪異が自分の意で人間を喰うこともあるが、人間が怪異を利用することもあるということを痛感する第2巻。最終的に事件を解決する湊は総本山に捕まり、ユウキや沙耶と離れ離れになるなど、第1巻には無い展開もあります。
とにかく今回一番良かった点は怪異である「鏖」です。当初、この「鏖」自身が人間を積極的に喰らっていたと思われましたが、実際、その事件にはある布石(人間)がありました。そして、湊がその布石を取り除いたら真の「鏖」が登場して、その「鏖」を倒せばよいと思ったら、そこには実に練られた背景がありで「鏖」を突き詰める展開がじっくりと進みます。そして、「鏖」を倒す所でも怪異とは無縁な科学的現実的要素も揃っていて、最後の湊のシーンもお見事です。なるほど、総本山と湊の価値観の違いはこれからもしっかり続いてきそうです。
また、第2巻では沙耶とユウキの活躍も登場します。沙耶は真面目さを生かした調査と湊との掛け合い、ユウキは法力と生意気を生かした湊との掛け合い。お見事。しかし、気になるのは湊と総本山の関係です。湊はああ見えてかなり周りを理解していると見受ける。 -
Posted by ブクログ
読もうと思いつつ一ヶ月半もほったらかしてたが、ようやく読めた。
全炭素生物を絶滅に追いやる最悪の遺産災害、珪素生物の大侵攻をどうやって食い止めていくかがメインストーリーで、クレールとその母親の物語が進行していく感じ。闘真があんまり活躍できていないように感じた。多分由宇との絡みがほとんど無かったからだと思う。むしろ八代とマモンの絡みがいい感じにあって、こっちの方がニヤニヤした。
全体でみると、次でロシア編が終わって新しい章が始まるんだと思うが、そろそろ決着つけてくれ。だいぶ長い期間やってるから、最初の頃のストーリーを忘れてしまった。
ドラマCDになったのにソコからのメディアミックスがないのはどう言うことなんでしょう?1、2巻ぐらいはOVAでも良いのでアニメ化してくれないかな? -
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ネタバレ前巻から2年超開いての続きは風呂敷が更に広げられますが、
それまでの展開が既に常軌を逸しております。力を持つ者達の都合の良い展開と見るよりは、
常人の域を超えた世界の鬩ぎ合いと受け止めるのが良いかと感じます。
一般社会、生活の中で万能者が活躍している訳ではないので。
この様な非現実的、常ならない世界を描いた作品では、その設定如何で綻びが生じ、
世界観を損なったり、作者の文章力如何で現実感を損ね、
嘘っぽさを強く意識させてしまう事が多々あるかと思います。
しかしこの作品に於いては徹底してシリアスに描かれ、設定も確固たるものがあるので、
SF的要素とアクションとが程良く融合した作品に仕上がっていると感じます。
その知能によって身体能力ですら超人的なものに引き上げる由宇であっても、時折弱さも見せ、
度々危機に見舞われてもおり、死への意識も存在しております。
闘真にしてもオカルト的に超人的な能力を振いますし、考え足らずに突っ走ることもありますが、
他の作品の主人公に見られるような都合の良い力の発揮と無自覚な驕りには至っておりません。
苦悩する様は過ぎた力はあっても人間であることを感じさせますし、
それもまた作者の構成力を表しているでしょう。
物語はグラキエスの脅威から未だ脱しないまま、次巻へと展開を引き摺ってしまっていますが、
どの様に二人の若者をまた繋ぎ、事態を収めさせるかが注目されます。
とは言っても、続きが発表されるまでに2年以上の時間が空くのは避けて貰いたい気がします。
流石に読み始めでは物語の流れが、登場人物の特徴や関係図が断片化しており、
それを繋ぎ直すのに手間取りました。読み返せば良かったのでしょうが、他にも作品は出ていますし、
9Sも結構な量があります。作者が病気であった時期もあったようですが、
出来れば続きは1年以上空けないよう願います。