葉山透のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
0能者ミナトシリーズ1作目。
タイトルにある「0能者」とは零能者。
つまり能力をまったく持たない者、という意味だ。
怪異を討つためにミナトは能力以外のものを使う。
科学の知識に裏付けられた方法だったり、ミナトが0能者として生きてきた経験によって培われた知恵でもある。
毒舌で人を食ったような態度がミナトの通常仕様だ。
実は褒められることが苦手だったり、他者を護ろうとする気持ちが強かったりと、表面からだけではわからない人間性を隠していたりもする。
0能者、九条湊。
御蔭神道の巫女、山神沙耶。
総本山の天才少年、赤羽ユウキ。
他の能力者たちが手に負えない怪異たちに、三人は協力しあい立ち向かう。
主 -
Posted by ブクログ
怪異に対して、論理的に分析し、科学等の知識を用いて立ち向かっていく異端の怪異退治請負人の活躍を書いたシリーズ。
構造的にミステリーとしての側面が強く、一種の探偵もの的な雰囲気が味わえる。
こういった架空の現象を題材にしている物語は、少し間違えれば設定の破綻を招いてしまうが、このシリーズに限ってはそのような過ちはなく、9巻まで続いている事もその緻密に練られた構成を裏打ちしている。
しかし、このシリーズの魅力はなんといっても主人公であるミナトの魅力にあるだろう。
最弱からの逆転という話は、古き良き王道であり、昨今でもそのような作品が多く人気になっている。
ミナト自身も、霊能力等を持たなず、同業 -
Posted by ブクログ
ネタバレ科学が隆盛を極めるこの時代においても、世の中には「怪異」と呼ばれるものがまだひっそりと存在していた。
それは、異形のものたちで、未だ科学では説明できないような存在のものたちであった。
当然、それを退治するものたちもいる。
「修験者」、「法力僧」……呼ばれ方は様々だったが、そのものたちは、修行と己が持って生まれてきた才能とで怪異と相対する。
ところがその中に、ひと際変わった存在の男がいた。
彼の名前は九条湊。
どこか斜に構えたクセのある青年だが、彼が「異端」とされるのはそこではない。
彼は、怪異を相手にするための、霊力、法力、神通力……その他いろいろな力を一切持っていないのだ。