あらすじ
とある寒村で、青年と家畜が惨殺される事件が起こる。事件に“怪異”の存在を嗅ぎ取った御蔭神道は、高校生ながら英才と称される水谷理彩子を派遣する。彼女が現場で出会った発見者は少し年下に見える少年だった。 殺人現場を見ても落ち着き払い、冷静すぎるぐらい論理的な少年──九条湊に戸惑う理彩子。いつの間にか理彩子は少年のペースに引き込まれていくようになり。 湊と理彩子が出会い、初めて“怪異”に挑むことになった事件とは?
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Posted by ブクログ
読書録「0能者ミナト6」5
著者 葉山透
出版 メディアワークス文庫
p22より引用
“「誰にでも優しいっていうのは、大事なも
のを持ってないってことだ。特に一番大事に
しなきゃいけないものを大事にしてない」
「一番大事なもの?」
「自分だよ」
「だから異常者か」”
目次より抜粋引用
“第一話 『首』
第二話 『件』
閑話 『戯』”
霊力や法力を持っていないにも関わらず、
怪異と相対する青年を主人公とした、短編連
作小説。
大雨の中、携帯の電波も届かない田舎道を
歩き、目的の家へ辿り着いた少年。電気の点
いている家の中へ呼びかけるものの、返事は
なく…。
上記の引用は、主人公・ミナトと刑事の会
話。死んだバイトの先輩に付いてのもの。
自分の身を顧みることなく、人に手を差し伸
べられるというのも、どこか変なことなのか
もしれないと、考えさせられる一節です。
自分を労りつつも、人に優しく出来る人間で
あれたらいいなとは思いますが、なかなか出
来ることでもないのではないでしょうか。
主人公・ミナトの過去と人間らしさが、大
いに描かれる重要な巻。巫女の理彩子との因
縁も描かれ、物語に奥行きを持たせる人間関
係の始まりを見ることが出来るのではないで
しょうか。
ーーーーー
Posted by ブクログ
過去から現在に続く湊の因縁の話。過去編の今より少しだけ素直で純粋さを持った少年湊が可愛いし、この事件を経たからこそ今の「零能者 九条湊」が居るんだな…と感じました。霊能力を持たない湊にとっての因縁の相手が怪異なのが皮肉っぽくて葉山先生の話やキャラクター同士の人間関係の描き方が本当に好きだと改めて思いました。6巻がいちばんすき
Posted by ブクログ
湊の過去が見えた作品。昔はかわいらしい性格をしていて、怪異にかかわったばっかりにこんなゆがんだ性格に…なんてことを想像していたらまさかの…。件は有名な妖怪。この話で今回取り上げられるとは思っていなかった。しかし、過去の怪異が現在につながるとは。なかなか面白かった。いつもはそれぞれ話は繋がっていないが、今回は話が分かれつつも、全部つながっているようだ。
Posted by ブクログ
湊の高校時代(と言っても学校行ってる描写は無いけれど)とそこから現代まで繋がる話。
今ほどひねくれてもなく、優しさも分かりやすい高校時代の湊は良い奴で、どうしてこうなったかなぁってw
今回の怪異の件は湊にとって物凄く相性の悪い相手だったけど、しっかりと解決。
誰かの為に涙したり、怒りを表したり。
いつもよりも生の感情を露わにしてた湊が今までよりも遥かに好きになった。
そして物凄く泣けるくらいいい話だった。
Posted by ブクログ
気に入ったところ。
ネタバレ注意
「いまのおまえの存在は『私は嘘つきです』のパラドックスと一緒だ。『予言ははずれる』という予言が当たると予言ははずれることになり、『予言ははずれる』という予言がはずれると予言は当たったことになる。その思考に出口はない。永遠にな」
Posted by ブクログ
ミナトという人物は今までは謎のキャラでしたが、この巻ではじめていろいろなことが判明しました。
これまでは零能者であるがゆえに奇抜な発想をする根性悪wな主役だと思ってたんですが、ミナトは実は天才だったんですね。天才ゆえの苦悩も垣間見えてミナトにもいろいろあるんだなぁと、過去編含め興味深い6巻でした。
10年前からの件との因縁の対決。とっても面白かった、珍しく焦るミナトや落ち込むミナトも見れて女心もくすぐられましたともw
あー、もうこのシリーズ好きすぎる。
Posted by ブクログ
シリーズ第6弾。二話構成です。
第一話「首」
理彩子と湊の出会いと、初めて怪異に挑むことになった事件。
初めてにしてはショッキング過ぎる事件。
自ら解決した事件とはいえ、やるせない思いだったろう。
それを吐き出させてくれたのが、刑事の一言だった。
第二話「件」
10年前に解決したはずだった事件は、終わっていなかった。
怪異であっても、防ぎようがないと湊に言わせるほどに
最大というか最悪の敵。
なんか、いつもと違う湊を見ることが出来て
ハラハラドキドキ加減が加速しましたぁ~
Posted by ブクログ
湊と理沙子の出会いの話とか.
10年越しの因縁の話とか.
怪異の能力を外科手術で無効化するとか.
今回は天才少年とか天然巫女の出番が少なかったな.
何故なら理沙子回だから.
次は天才少年サイドとの過去の因縁な雰囲気ガガガ
Posted by ブクログ
湊と理彩子の若いころのはなしと、それに関わる現在のはなし。孝元さんは最後にちょっと出ただけでほぼお休みです。
サトリもですが、思考系というか予言系というか、そういったものがけっこう湊の敵ポジションで手ごわいんですかねー
今回は過去バナありで精神的にもけっこう追い詰められた感じの湊が新鮮な巻でした。
Posted by ブクログ
待ちに待った第六巻( ´艸`)
もー素直じゃない湊が大好きです!
湊と理彩子の出会いからの話ですが、10年越しの件との因果関係に区切りをつけられて、読み手としてもほっと一息
相変わらず世界観に溶け込めて面白かったです
はやく次回作でないかなー(^( ゚∀゚)^)
Posted by ブクログ
大抵は憎たらしい敵役や犯人も最後は「コイツを殺しても死んだ彼は生き返らない!だからお前は生きてその罪を償う為に生きろ!!」とか主人公サイドの寛大さを見せて終わる事が多くて、何じゃそらとか思う事も有るけど
本作は、件のやった事に比べて報復が酷いなぁと
何とかしようと思えばその方法しかないので、仕方ないんだけど、それにしても自分が件の立場だったらと思うとぞっとする