あらすじ
七人ミサキ──入れ替わる魂を求め永遠に彷徨う、悪夢のような怪異。三年前、孝元が助力を求めたのは、今と変わらず横柄で奔放な湊だった。 依頼人を守るために汲々とする総本山の手練れをよそに、まったくやる気を見せない湊。 すでに悪名高い“零能者”に、僧達は忌々しげな態度を隠さない。だが、湊の自由な発想とアプローチは次第に皆の心を捉えていくのだった。 連鎖する呪い、そしてその数の多さ。永遠に途絶えることがないという怪異に、湊は思いもよらない方法で迫る。
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読書録「0能者ミナト7」5
著者 葉山透
出版 メディアワークス文庫
p68より引用
“他の数字と比べて遭遇率ががくっと落ちる。
生態が脅かされない。生存競争が起こらない。
だから生き残った。素数の性質が生んだ偶然
の産物。それが素数ゼミなんだ」”
目次より抜粋引用
“第一話 『七』
第二話 『化』
閑話 『占』”
霊力や法力を持っていないにも関わらず、
怪異と相対する青年を主人公とした、短編連
作小説。
就職難の中、趣味を活かせる職場で不満を
持ちながらも取材をこなす女性カメラマン。
先輩と共に比較的危険と言われる怪異を追っ
ている所…。
上記の引用は、素数ゼミについての主人公・
ミナトの台詞。
日本だと、セミは毎年同じくらいの時期に同
じ種類のセミが見られるので、あまり馴染み
がない素数ゼミ。一時に大量に湧いて出るの
で、結構厄介なものだそうですね。生物の生
存に、数学が深く関わっているというのは不
思議なものです。
二話目から感じる、切なさと悲しさと優し
さは、昔話から感じる思いと同じものである
ように思われます。人の心を動かす物語の作
りは、今も昔もあまり変わりないものなのか
もしれません。
ーーーーー
Posted by ブクログ
七人ミサキ。知らない怪異だったのだが、割と有名なようで。結局七人ミサキは、七人ミサキが怖いというよりは、息子を思う母の妄執というか、執着というか…。理性とか、判断力とか…そういうものを失ってひとつのことにとらわれてしまった人間が一番怖いのかもしれない。あるいは、親というものに恵まれなかった小織の方なのか…。『化』の方は、最初癒されたのだが、真相が分かるとなんだか悲しくなってしまった。
Posted by ブクログ
シリーズ第7弾。二本立てです。
第一話「七」過去のお話になります。
七人ミサキは、殺した人間を仲間にして、一人を成仏させる。
連鎖する呪いを終わらせることはできるのか?
その発想がいつもながらスゴイです。
第二話「化」
人口三百人程の村人が全員消失した?
残された怪異の気配は村全体に及んでいる。
怪異の正体は?消えた村人はどこへ行った?
あれも怪異だったんですねぇ~
泣けました。こういうのは弱いんですよ。
湊の優しさが垣間見えるお話でした。
Posted by ブクログ
短編二本と大人たちの喫茶店での会話ネタ.
今回は「七人ミサキ」と「化け狸」ですたね.
しかしまさか妖怪話で
あの生き物の話題が出るとは思わなかったわ.
そして全国各地の七人ミサキ達で熾烈な生存競争が!
狸の話は涙ちょちょぎれるわー.
次も楽しみだー
Posted by ブクログ
かわいくて切ない後半の物語が好きです。
孝元さんと湊のやり取りがたくさんあったのもうれしい。やっぱりちょっと孝元さんもおかしい人です。
それにしても腕時計。
あればかっこつくけどなくても困らないことに気づいてしまったタイミングでこれですかー