あらすじ
豪華客船に現れる船幽霊。柄杓で水を撒くだけの時代錯誤な怪異に巨大な船を沈められる訳がない。湊が依頼を受けたのは言うまでもなく──クルーズを楽しむためだった。 ユウキと沙耶は湊に見切りをつけ、早々に事件を解決。これで大っぴらに遊べるとばかりに、湊は泥酔しカジノで暴れボヤ騒ぎまで起こす始末。 だが、怪異は終わっていなかった。巨体を誇る豪華客船が傾き始めたのだ。裏に潜む本物の怪異の仕業か? 転覆寸前の極限状況の中、湊の科学的推理が始まる!
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Posted by ブクログ
読書録「0能者ミナト4」5
著者 葉山透
出版 メディアワークス文庫
p75より引用
“ 昨夜、船幽霊を退治したあと礼として船
内の有料メニューを全部無料にすると言われ
た湊は寿司をたらふく食べ、高い順から酒を
飲み、バーで美人バーテンダーを口説き、カ
ジノでチップを換金できないと聞いて暴れ追
い出され、しまいにはシガーバーで葉巻を吸
いながら寝てしまいボヤ騒ぎを起こした。”
目次より抜粋引用
“第一話 『船』
閑話 『叫』”
霊力や法力を持っていないにも関わらず、
怪異と相対する青年を主人公とした、短編連
作小説。
自腹では乗ることが出来ないであろう豪華
客船への乗船を条件に、船の怪異退治を引き
受けた主人公・九条湊達。それほど大変そう
にない依頼内容から、船旅を楽しむ事に気を
向けていた一行だが…。
上記の引用は、船で一仕事を終えたあとの
主人公・ミナトの行動を描いた一文。
こういういわゆる主人公らしい主人公ではな
いミナトの言動に慣れると、たまらなく面白
い作品ではないでしょうか。
今巻も一冊で一エピソードの長編仕立て、
それほど長すぎない文章量で、読みやすい話
となっています。
オカルティックな話と科学的な考え方の療
法を楽しめるならば、読むのが楽しいシリー
ズではないかと思われます。
ーーーーー
Posted by ブクログ
安定して面白いです。今回はユウキが目立ってて楽しく読み進められました。ミナトも相変わらずですが、あの老夫婦たちはミナトの上をいってるなぁーw年の功ってやつですかね。素敵な老夫婦キャラでした。
最後の小話には笑いました。リサコwww
Posted by ブクログ
シリーズ第4弾。
今回のお仕事は、乗客数約800名の豪華客船に現れる
船幽霊を退治すること。
たかだか十数体の船幽霊が柄杓で水を汲んだところで
豪華客船が沈むはずはない。
しかし、そんな客船が傾き始め、不気味な異音が響く。
2カ月前に沈没した大型タンカーも船幽霊に沈められた?
いやぁ~今回のハラハラ度は半端なかったぁ~
湊の推理は、やはり予想外ではあったけど
なるほどぉ~と思わせる内容。
そして何より、最後に湊が見せた思いやりが
たまりませんなぁ~。口が悪くても許せてしまう。
さぁ~続きを読みましょ♪
Posted by ブクログ
今回は舟幽霊の話ですよ.
というわけで豪華客船が沈没しかけます.
つい最近どこぞの船が傾いた挙句復帰できずに沈没したので
文字を読んでるだけなのに
状況がすっごく連想できて楽しかったっす.
現代の知識を備えた舟幽霊,強敵だった….
Posted by ブクログ
この手の作品の常なのか、どんどん事件のスケールが大きくなってきました。化野氏の蠱猫シリーズや神永氏の八雲シリーズと同じですね。
スリリングではあるものの、あまり極端になりすぎると最初の頃の素朴な面白さが薄れてくるので、ほどぼどで留めて欲しいと思います。
Posted by ブクログ
豪華客船に現れる船幽霊
柄杓で水をまくだけの怪異に、現代科学が乗っかると…こうなる
毎回最後のトリオのやりとりが好きなのですが、今回が一番好きでした(^_^;)
頑張れリサコ!
負けるなリサコ!
次回に期待(*^ω^*)
Posted by ブクログ
今回はひとつの事件だけだったので、読み終わってからも内容の整理がしやすかったです。湊はなんだかんだで優しいところあるなーって、嬉しい気持ちになりました。次回作も楽しみです。
Posted by ブクログ
「0能者ミナト4」
豪華客船に現れる船幽霊。柄杓で水を撒くだけの時代錯誤な怪異に巨大な船を沈められる訳がない。湊が依頼を受けたのは言うまでもなくクルーズを楽しむためだった。ユウキと沙耶は湊に見切りをつけ、早々に事件を解決。これで大っぴらに遊べるとばかりに湊は泥酔しカジノで暴れボヤ騒ぎまで起こす始末。だが、怪異は終わっていなかった。
今回の怪異「船幽霊」は決して力が強くない。しかし、その怪異はある船を沈め、湊達が乗船した豪華客船をも沈めようとする。さらに、海が凍りつき、湊とユウキはある女性を助ける為に乗り込んだ船の中で塩漬けになった死体と少し異なる船幽霊を目撃する。
まさにタイタニック並みの展開となり、今まで湊が挑んだ事件の中で最も多くの人達が危機に晒され、同時に湊はこれまで自身が挑んだ事件の中で最も多くの人々を救いました。その結果、湊は今までに無いだろう感謝の嵐を受けます。また、湊が怪異の付き物を落とす最後の展開も見事ですし、最初は湊を嫌っていた副艦長との妙な信頼関係と最後の挨拶は良かったですね。これで、湊も少しは悪態を丸くすれば良いのに。
また、ユウキは沙耶をかなり好きであるということや沙耶のバニー、湊のいたずらなども登場しますが、一番印象的なのは「何故海が一瞬で凍ったのか?」ということです。
第4弾は湊のほぼ独断場。
Posted by ブクログ
特別な秘密が明らかになるとか、メンバーが増えたりも減ったりもせず、誰かの過去が明らかになる事もなく、豪華客船乗って、妖怪退治です。
読んでいる時はサクサクと楽しかったですが、読み終わってから、あーいつもと同じだったなーって感じでした。でも、読んでいる時楽しかったので良いです。
Posted by ブクログ
古来より言い伝えられてきた「船幽霊」の基本定義。
柄杓で細々と水を汲み船を沈めようとする。
今よりももっと規模の小さな船が主流だったころは、それでも船幽霊によって沈没させられた船もあったかもしれない。
けれど船体は巨大化し、小さな柄杓でどれほど海水を汲み上げようが船を沈めることなどできない。
湊を悩ます「船幽霊」に行動原理と、現実に起きている状況との違和感。
湊はそこに科学的で論理的な解を見つけ出す。
ヒントは読者の前に提示されていたのに、まったくそのことに気がつかなかった。
もちろん、科学的な知識が必要なことはわかるけれど、何となくでも思いつかなかったのは少し悔しい。
豪華客船が舞台ということもあって、今回はいつもよりもスケールの大きな展開になっている。
温厚な老夫婦から、口うるさい副船長まで、登場人物もさまざまだ。
曲を弾き続けていたヴァイオリニストもカッコいいし、恋人の死を嘆く女性の存在も物語の重要な鍵となっている。
いつもとは少し違った展開だったけれど、なかなかスリリングで面白かった。
短編ばかりでなく、こうした中編も読みごたえがあっていい。
Posted by ブクログ
豪華客船での怪異…二度クルーズに乗ったことがあるので実際に起きたら怖すぎるーと思いながら読破しました。上品な人の前でも取り繕うとしたりしない湊はいろんな意味で強いなと思いました。