梨屋アリエのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルは恋愛小説?となるけど、
内容はまったく違います。
ヤングアダルトのジャンルだけど、これは大人も読むべき。
登場人物が抱える悩みは多種多様。
「読む」ことができない子、
「書く」ことができない子、
男でもなく女でもない真ん中のあの子、
養子縁組でほかの家族のなかで悩む子、
親の期待に応えたい拒食症の子、
匂いに敏感な「化学物質過敏症」の子。
自分だけが、特別ですか?
自分だけが、我慢すればいいですか?
「ほかとは違う」あの子が生きやすい世の中に、せめて変えていけたらいいなと思う。日本はみんなと一緒と前ならえが好きだからなあ、、。
大切なのはいろんなひとがいろんなことを知っていくこと。「あの子だけずるい」にならないように教育していくこと、知っていくこと。
ただちょっと、この本に出てくる大人と親が、まともな人が少なすぎてどうなのだろう… -
Posted by ブクログ
両親と、同学年で3ヶ月違いの養弟と暮らすひすいの、新中学2年の担任教師は、個人が読んだ本と感想を書いた「読書カード」を掲示し、班ごとに冊数を競う方針を掲げた。彼女は、本そのものや読み聞かせは好きだったが読むことは苦手で、なかなかカードが出せず焦っていた。ところが、同じクラスの入来理幹は、プライバシーを理由にカードの提出を拒む。担任に気に入られたいひすいは、理幹の行動に驚くが、同じクラスの心桜の汚い字で幼い文章のカードにも、その字をパソコンで打ち替えたカードに張り替える担任教師にも驚くのだった。
ディスレクシア、書字障害、化学物質過敏症、里親養子、外国人の血筋、過食症……、中学2年生の様々な悩みを、語り手を替えながら描く。
*******ここからはネタバレ*******
異性で、しかも実娘と同学年の養子を迎えた親子がどう物語を展開していくか期待しながら読み始めたこの本は、結局、物語としての進展は見せず、いろいろな悩みを紹介して終わりました。
特に、著者の抱えている困難と同じ書字障害や化学物質過敏症についての記述はこれが中学2年生の言葉かと思うくらい詳細で、解説書のようです。
他の人には理解してもらいにくい困難さを理解しようとしよう、お互いが気持ちよく暮らせるように配慮し合おうということで物語は締めくくられますが、本作で紹介される悩みがたくさん過ぎていささか消化不良に感じます。
とはいえ、共感できるところもありました。理幹が、読書カードとプライバシーについて争ったところです。
私自身、高校生の時、大嫌いな国語教師から自らの心情を描いた作文を書くように言われて拒否したことがあるので、気持ちがわかります。
今でも、学校に掲示してある絵や習字等の作品、文集等を見ながら、子どもたちは自らの作品の公開を拒否できないのか、したくない子もいるだろうにと考えてしまいます、教育とプライバシーの境目についてもっと議論してほしいところです。
物語としては物足りないが、たくさんの議論のネタを提供してくれる道徳の教科書のような一冊です。
表現は平易で読みやすいけれど、ところどころ深いところがあるので、中学生以上か、しっかり考えるのが好きな高学年からオススメします。 -
Posted by ブクログ
好きという気持ちで空を割ってしまう少女、選択を迫られた時に踏切の警告音のなり出す少女、背中に羽根の生えた少年、足下15センチ浮いている少年、月に帰りたい少女と森になりたい少女。
少し不思議な現象が起こりつつ、そこに描かれているのは恋心。そして彼女ら彼らにはどうしようもない家庭の事情。
このふたつは中学生にとって心の多くを占めるものでしょう。そこに焦点を当て真っ直ぐ描きながら、不思議な現象を用いることで「物語」として受け取りやすくしている。そんな印象がありました。
登場人物らが背負うものは様々なものです。そこには自分の中にあるものと、自分の外にあるものがあります。
恋がわからないと思う心があれば、自意識の高さ故に空回りする恋もあり、相手のいる人を好きになってしまうどうしようもない恋もあれば、自分と似た相手と同化したいと願う恋もある。
両親の離婚、離れて暮らしていた父親とのぎこちない生活、働かず部屋でアニメを見続けるお隣の30過ぎの女性、家族と隔絶する姉、潔癖性の父親から受ける虐待。自分のことだけでも持て余すのに、外からも様々な要因に迫られる。
中学生の心は定まらず、感情は身体に納まり切れない。そんな彼女ら彼らを少し不思議な現象を交えて描く連作短編集でした。 -
Posted by ブクログ
高校生男女7人が交代に語り手となる連作掌編小説集。
ひとりひとりの気持ちが細やかに描写されています。掌編ということで1編1編はごく短め。それぞれの子が抱える問題がスパッと解決される訳ではなく、高校生の日常をスパッと切り取って見せられているような感じがあります。それがきっと登場人物と同年代の読者には身近なものとして写るのでしょう。
読んでいくうちに登場人物への認識が変わっていくのが面白かったです。この子はこういう考えもするんだ、この子にはこういう一面もあるのだと驚かされる場面が多々あったのです。
きっと自分自身でも気付いていなかった自分が、他人との交わりの中で出てくるのでしょう。一人称で書かれる物語だから、本人が気付いていない自分がふと出てくる瞬間に立ち会え、その人物の新たな一面(でも本当はその人物の中に元々あったであろう資質)が見えるのが面白いです。
きっとこれからもこの子たちは自分でも気付いていない自分の気持ちと向き合っていくのでしょう。それは「成長」と呼ばれるものなのかも知れません。それが高校生という年代がもつ煌めきなのでしょう。
…なんて思ってしまうのは、おじさんの視点で読んでいるからでしょうね。 -
Posted by ブクログ
世の中のヨゴレを知らないピュアな子たちには読ませたくなーい!なんてのは、建前で(笑)
多分、誰もが人にはいえない秘密や歪んだ思い、どす黒いものを大なり小なり持っていて…逆に真っ白な子がいたら、周りが大変そう
この本にでてくる7人の高校生・中学生たちも普通に見えて、いろいろ事情があるようで…
中学・高校の頃の恋とか親友とかって、大人になってみたら背中をかきむしっちゃうようなイタイものだったり、親友という名のクラスメイトだったり、でも友だちなんだよね
壊れそうになっても、また繋ぐことができるのは、若いからなのか
繋ぎ直すごとにレベルアップするものなのか…
「きみのためにはだれも泣かない」
まずは自分で泣きやがれって感じですか
それにしても、最近は一般書なのかYAなのかライトノベルなのか、面倒な本が多い中、きれいにスパッと見事なYAで、久しぶりに気分がいいです(笑)