梨屋アリエのレビュー一覧
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空気の読めない中学2年の上川夏鈴は、ある日、仲良しの茉白と電車で出かけた帰りに白杖を持った男性に出会う。彼に茉白が席を譲ったら、見えないはずのその男性は、スマホを取り出し見始めた。そのことに疑問を持った夏鈴は…。
私が子供の頃って、ちょっと変わった子、空気の読めない子で終わってたが、今は何でも発達障害とか、グレーゾーンとか診断が下される。それがいいのか悪いのか何とも言えないけれど、生きづらい世の中なのは確か。
障害に対する偏見は、一昔前よりも緩くなったかもしれないけど、未だに、差別や可哀想と言った同情が多くある。
小学3年生の姪っ子は先天性の重い障害があり、特別支援学校に通っている。車椅 -
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あなたは、「きみ」の存在を意識しているだろうか
読むのが苦手なひすい。書くことが苦手な心桜。女にも男にも分られたくない理幹。養育里親の養子となった拓真。過食ぎみの小晴。化学物質過敏症の留美名……。周囲から理解されにくい困りごとを抱えた中学生たちの苦しみと希望を描く連作短編集。あなた自身の中にも、あなたの周囲の人の中にも、彼らと似た部分があるかもしれない。「怠けている」「わがままだ」と決めつけず、「きみ」の存在を意識し合えたら、どんな世界になるだろう。
「あの子がそんなふうに困っていたなんて、全然気づかなかった。なんていう大人にはならないよ。」
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ある6年生の2学期ベスト本。こ -
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自分の感覚や考え方だけだといろんなことが見えなくなるんだな。
生きにくさや、困りごと…。
一人ひとりが何かの困りごとがあるのかもしれない。
私自身も、この中の登場人物と重なる部分を持っている。
読みたい本がなかなか読めなくて、
気持ちや集中が散り散りになって、
漢字もなかなか覚えられないし、
時間をなかなか守れなくて…
そんな自分が好きになれなくて、一つ失敗をするたびに自分を心の中で責めていたあの頃。
その時の自分の気持ちも思い出しながら読み進めた。
発達障害、心の性、里子、過食。
こうして言葉にすると枠にはまってしまって、本書の魅力を伝えられないけれど、
この作品の登場人物の持っている困 -
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君枝の周りでは不思議なことが起こる。トルソーがしゃべり、大人の傘で空を飛び、誰にも見えないものが見え、ありえないことを体験する。しかしそんな君枝のことを誰も理解してくれない。
不思議な体験に巻き込まれて七転八倒あらたいへん、でも面白かった! てな話かと思いきや、そうではなかったのです。
君枝にとって不思議は日常。小さな頃はそんなものだと思っていたが、成長するにつれ周りの人には不思議は感じられないと知る。不思議体験は楽しいことばかりでなく困ったことも多い。それなにの君枝の困っていることを、周りは怠けているふざけている嘘つき虚言と理解してくれない。
「変わった子」として「私たち」とは違うものにさ