あらすじ
夏鈴が電車で見かけた青年は、白杖を使っていたのに、席をゆずられたら、座ってスマホを見はじめた。詐欺? 文句を言おうと話しかけたことから、思わぬ交流が始まる。夏鈴の祖母は、見えない・聞こえない・話せないヘレン・ケラーを「三重苦」だと言うけれど、盲ろう者だとわかった彼は、そんなふうには見えない。一方、大好きな親友の茉白は、障害があると対等な友だちにはなれないと言い、夏鈴はその言葉に大きく動揺する。
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Posted by ブクログ
空気の読めない中学2年の上川夏鈴は、ある日、仲良しの茉白と電車で出かけた帰りに白杖を持った男性に出会う。彼に茉白が席を譲ったら、見えないはずのその男性は、スマホを取り出し見始めた。そのことに疑問を持った夏鈴は…。
私が子供の頃って、ちょっと変わった子、空気の読めない子で終わってたが、今は何でも発達障害とか、グレーゾーンとか診断が下される。それがいいのか悪いのか何とも言えないけれど、生きづらい世の中なのは確か。
障害に対する偏見は、一昔前よりも緩くなったかもしれないけど、未だに、差別や可哀想と言った同情が多くある。
小学3年生の姪っ子は先天性の重い障害があり、特別支援学校に通っている。車椅子で生活していて笑顔がチャーミングで本当に可愛い。
障害がわかった時、弟に「何かあったら、手伝うからね。困ったことがあったら相談してね」と言ったら、「相談することなんかないから、普通に接して欲しい」と言われて、私は弟家族に対してなんて失礼なことを言ったんだと、ものすごく後悔した。
目が悪い人が眼鏡をかけ、耳の聞こえづらい人が補聴器をつけ、足の不自由な人が車椅子に乗る。
それが普通で当たり前。そういうことがもっともっと広がって欲しい。
朝陽くんのお兄ちゃん、銀河くんの夢。無事叶うといいなー。
梨屋さんのあとがきも点字表や指もじ表、ゆび手ん字表が載っているのも勉強になった。