梨屋アリエのレビュー一覧
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ネタバレ障害の扱い方に対してなんとか警察みたいになる自分がとても嫌で、でもそもそもそういうことにとらわれている自分も嫌であり、結局なにも考えないようにするという悪循環に陥る自分がいます。この物語も最初はうまくいかないことのほとんどが夏鈴のせいのように思えて苦しくてたまらなかった。でも、きっかけはやはり夏鈴でしたが、生方さんが本当のことを言えて、それぞれがお互いを想ったり傷つたりしていたとわかってきて、ラベルをもつ者とラベルのない者たちとの物語から少しずつ霧が晴れていき、それぞれの人物像はっきりと浮かび上がっていきました。相手の人と違う部分への知識や体験はあった方がいい、自分の人と違う部分について相手にわかってもらった方がいい、夏鈴、茉白、乃愛、について著者はまさに私に伝わるように本当に素晴らしい物語を書いてくれて、今私はみんなのことがわかるし好きになりました。著者の感性と物語をつくる力を心から尊敬します。続きが読みたいです。書きたいと思っていただけるぐらいの社会が未来にあればいいなと思います。
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Posted by ブクログ
空気の読めない中学2年の上川夏鈴は、ある日、仲良しの茉白と電車で出かけた帰りに白杖を持った男性に出会う。彼に茉白が席を譲ったら、見えないはずのその男性は、スマホを取り出し見始めた。そのことに疑問を持った夏鈴は…。
私が子供の頃って、ちょっと変わった子、空気の読めない子で終わってたが、今は何でも発達障害とか、グレーゾーンとか診断が下される。それがいいのか悪いのか何とも言えないけれど、生きづらい世の中なのは確か。
障害に対する偏見は、一昔前よりも緩くなったかもしれないけど、未だに、差別や可哀想と言った同情が多くある。
小学3年生の姪っ子は先天性の重い障害があり、特別支援学校に通っている。車椅子で生活していて笑顔がチャーミングで本当に可愛い。
障害がわかった時、弟に「何かあったら、手伝うからね。困ったことがあったら相談してね」と言ったら、「相談することなんかないから、普通に接して欲しい」と言われて、私は弟家族に対してなんて失礼なことを言ったんだと、ものすごく後悔した。
目が悪い人が眼鏡をかけ、耳の聞こえづらい人が補聴器をつけ、足の不自由な人が車椅子に乗る。
それが普通で当たり前。そういうことがもっともっと広がって欲しい。
朝陽くんのお兄ちゃん、銀河くんの夢。無事叶うといいなー。
梨屋さんのあとがきも点字表や指もじ表、ゆび手ん字表が載っているのも勉強になった。 -
Posted by ブクログ
あなたは、「きみ」の存在を意識しているだろうか
読むのが苦手なひすい。書くことが苦手な心桜。女にも男にも分られたくない理幹。養育里親の養子となった拓真。過食ぎみの小晴。化学物質過敏症の留美名……。周囲から理解されにくい困りごとを抱えた中学生たちの苦しみと希望を描く連作短編集。あなた自身の中にも、あなたの周囲の人の中にも、彼らと似た部分があるかもしれない。「怠けている」「わがままだ」と決めつけず、「きみ」の存在を意識し合えたら、どんな世界になるだろう。
「あの子がそんなふうに困っていたなんて、全然気づかなかった。なんていう大人にはならないよ。」
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ある6年生の2学期ベスト本。この本の中では、中学2年生たちが深く深く悩んでいる姿が描かれていて、読んでいると辛くなるシーンが多い。しかし、さまざまな困りごとや苦しみを抱えた人がいるということに、共感しながら気づくことができる。6年生になると、こうした本をベスト本に選ぶ子がいるんだなと驚いた。気軽には勧められない作品だけど、こうした作品を必要としていたり、知れてよかったと思ったりする子もいるんだな。読んでみてよかった。
お話ごとに語り手が変わることで、それぞれの子の抱える苦しみも、その苦しみが周囲に理解されないもどかしさもよく伝わってくる。「困りごと」を抱えている「きみ」の存在を意識することが、「双方向の配慮」への第一歩なんだなというメッセージを受け取ったように思う。
困っている様子のリアルな描写がすごいな、勉強になるなあと思いながら読んだが、あとがきで、作者自身がひすいでもあり、心桜でもあり、留美名でもあると知り、納得した。