小畑健のレビュー一覧
-
物語の導入としては◎
掲載誌の主要年齢層には、正直囲碁は難しいとは思うが、それでも設定が上手なので、ルールを知らなくてもこの作品の世界にスムーズに入っていけると思う。
ただし、将棋もそうなのだが、トッププロへ至る道のりがあまりに長く、どうしても息切れしてしまうのがこの題材の難しいところだろう。おまけに掲載誌の連載の掟(アンケート)もあり、えてしてその競技には似つかわしくない出来事をやむを得ず織り込む、という事態になりがちなのだが、そういった先の展開はともかく、序盤については手放しで楽しめる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ神候補が一堂に集まりつつある10巻。
新しい登場人物たちも個性的で、だからこそ主人公の基本的キャラクタのように思える“静”が際立つのかなぁ。
話は核心、ゴールへと確実ににじり寄ってきてはいるものの、スピードがゆっくりには感じられる。
でも、バトルシーンが特に無くとも、なかなか真剣に読んでしまう展開。
神候補が集まり、神になったらどんな世界を築いていくのか…全員が同じ答えを持っていることはなく、賛否分かれる。
この問いにこの物語として明確な答えを設けるのか、その辺りはぼやかすものの別の明確な結末へ導いてくれるのか、私にはさっぱり先が読めません。 -
Posted by ブクログ
リタ・ヴラタスキの物語から始まる2巻。彼女がキリヤ・ケイジと出会うところから、キリヤ・ケイジ、リタ・ヴラタスキの2人のストーリーが合流する。
てっきり前巻までは、ギタイという未知の生命体に人類が如何にして立ち向かい勝利(あるいは敗北)していくのか?そこが物語のメインだとばかり思っていたけど、ケイジとリタの激しくも切ないラブロマンスがメインであったのか。1杯食わされたという気持ちで胸がいっぱいになって青い空にむかってこんちくしょ~!と叫びたくなった。なんなんだこのプラトニックラブ、モーニングコーヒーの香りとか、好きすぎる。血なまぐさい戦場を舞台にこんなに美しい愛を描き出せるとは…原作の桜坂洋さん