鹿田昌美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ<感想>
読んでいて胸の奥がざわつくような、しんどさを持った本だった。私にとって「読む」というよりも、自分の価値観や人生観と向き合わされるような体験に近かった。
第一に、子どもへの愛情と「母親という役割」への後悔は両立するということ。登場する女性たちは子どもを深く愛しているのに、それでも「母親という経験そのものを後悔している」と語る。この二つの感情が同時に存在し得るという事実は、これまで社会が許してこなかったものであり、だからこそ読者の心を強く揺さぶる。
第二に、社会的規範が「選択の自由」を奪っているという点だ。「産むのが当たり前」「母になってこそ一人前」という価値観が、女性たちの選択肢を静かに、しかし確実に狭めていく。自由に見えて自由ではない選択の構造が、女性を追い詰めていることが浮き彫りになる。
第三に、完璧な母親像という果てしない重圧がある。母親になった瞬間から、社会は女性に自己犠牲・子ども最優先・常時の幸福感といった理想像を求める。人生が自分のものではなくなるような感覚は、イスラエルだけでなく日本にも深く根づいている。
第四に、「後悔」は語ることすら許されないタブーであるという現実だ。「母親になったことを後悔する」と言うだけで、冷酷・異常・子どもがかわいそうと非難される。著者はこの感情を病気として片付けるのではなく、一人の人間としての正直な認知として受け止めるべきだと主張する。
この本がイスラエルで生まれたことには深い意味がある。イスラエルは先進国の中でも突出して出生率が高く、宗教的・歴史的背景から「子どもを産むことは義務」という価値観が強く根づいている。子どもを持たない女性は「かわいそう」あるいは「利己的」と見なされることもあり、母親になることはほとんど“避けられない道”として扱われる。この強烈な同調圧力の中で語られる「後悔」は、イスラエル特有の濃度を持ちながらも、同時に日本を含む多くの国の女性たちの現実と響き合っている。
また、読み手のメンタルによって感想が大きく揺れる本だと感じた。「後悔」という言葉が全面に出てくるため、母親であるかどうかに関わらず、読者自身の人生の選択にまで思いが及んでしまう。「自分の選択は正しかったのか」「もし別の道を選んでいたら」と、心の奥を静かに揺さぶられる。性別を問わず、人生の岐路を経験した人なら誰でも、この本の言葉に刺される部分があると思う。
読み進めるうちに、母親の後悔は社会の根幹を揺さぶるが、父親の後悔は構造的に揺さぶりにならないと感じた。『父親になって後悔してる』というタイトルの本であれば、そもそも社会的なインパクトを生み出すことは難しかっただろう。その理由は、男性が後悔しないからではない。むしろ、社会の仕組みそのものが、母親と父親に課している重さが根本的に違うからだ。女性は生物学的に命を生み出す存在であり、妊娠・出産という命がけのプロセスを経る。さらに社会は、母親に対して「無償のケア」「自己犠牲」「完璧さ」を当然のように求め続ける。
一方で父親は、育児の中心に立たなくても「手伝っている」と評価され、社会的な逃げ場も確保されている。この非対称性がある限り、「父親になって後悔してる」という言葉は、母親ほどの重みを持ち得ないのだと痛感した。この構造は、最近の大谷翔平選手の第2子誕生をめぐる「産まされた」批判や、“年子は母体に負担が大きいのに”という年子論争にもそのまま表れている。事情も知らないまま、母親の身体や選択を外側から勝手に評価し、道徳化し、被害者ムーブをする人々の姿は、母親の人生を公共の所有物のように扱う社会のまなざしそのものだ。母親の負担を本当に理解しているわけではなく、むしろ母親の主体性を奪う形で語られているように思う。
日本社会に目を向けると、育児が終われば孫育て、そして介護へと続く「終わりなきケアの連鎖」が女性の人生を囲い込む。母親という役割が、人生のどこかで終わるものではなく、半ば永続的に続いていくような感覚。それは、日常の中でふと感じるのではないか。「いつまで女性は“母”としての役割を求められるのだろう」と。
本書は、救いや解決策を提示するカウンセリング本ではない。むしろ、社会の歪みをそのまま解剖して見せる告発書に近い。そのため読後に前向きな気持ちになるのは難しく、「読まなければよかった」「暗澹たる気持ちになった」と感じる読者が多いのも理解できる。けれど、本が投げかける問いは重く、深く、逃げられない。女性の人生にのしかかる構造的な重さを見つめ直すきっかけとなる一冊だとは思う。それでも、この本は全体としてしんどかった。読み進めるほど、自分の中の古い痛みや、見ないふりをしてきた現実に触れさせられるような感覚があった。「必要な問いを突きつけられた」という意味では大切な読書体験だった。しかし、その重さは最後まで消えなかった。結局のところ、母親の人生は社会によって常に「語られすぎている」。 その一方で、母親自身が自分の人生を語ることは、いまだに許されていない。 この歪みこそが、私がこの本を読んでしんどさを感じた理由の一つなのだと思う。
<本文より>
◆(デブラ)子どもがいれば、たとえ他の面ではみ出していたり少数派であったとしても・・・人生が楽になるのです…[母になれば〕義務を果たしたため、もう最前線で戦う必要がなくなります57
◆彼女たちの言葉は、母になりたくないという主観的な願望が・・・・社会的示によれば、誰の母でもないことは、壊滅的な損失であり、生涯にわたって女性を悩ま続はることなのだ。66
◆「子どもは、・・・・・母から離れた一個人であるという感覚を増大し続けるが、女性は見という機の中でアイテンティティを進化させる・・・・・・」(フェミニスト作家ロジカ・パーカー)78
◆「良い母」親にはん見である喜びと満足を感じることが期待される90
→→→満足を感じない母は「悪い」母
◆母になったことを後悔する女性は・・・・・それについて話す機会が事実上ない。年は後悔という感情とは無縁とされているからだ。98
◆「母性愛」は今や、社会的・政治的・財政的な力によって形作られているだけでなく、社会的秩序を維持するたぬに利用されている。198
・無意識のうちに社会の期待(子を産むこと、良い母親になること)に応えようとしている。(心底、子を産みたいと願っているのではなく )
社会の期待に応えることを無意識のうちに自分の選択だと思い込んでしまう
(母親になること、成功すること、出世すること、草敬されること・・・実に様々なこと!)
「後悔」とは
責任感の表れと認識されるため、謝罪と同質のものだと捉えられる→「価値あるもの」一方、価値観に違反する反抗的な行為→「憎い敵や病気のようなもの」 -
Posted by ブクログ
【学びたいこと】
早起きを習慣化にしたいと考えている。
朝型のメリットや朝型になる方法を学びたい。
【質問&自分の答え予測】
Q1朝型のメリットは?
A1静かな自分時間が得られる。朝にしたいことをして充実感が高まり、ポジティブになれる。朝は頭が働く。
Q2モーニングメソッドとは?
A2早起きの方法。
Q3朝のランニングを習慣化するコツは?
A3毎朝外に出るなどの小さいことから始める。
【本書の答え】
A1
朝に自己研磨でスタートすれば、1日の終わりまでずっと良い精神状態でいられる。
A2
効果的に成長できる6つの習慣。一つだけでも自己成長する。6〜60分。
・サイレンス:瞑想、祈り、感謝、呼吸法
・アファメーション:「〇〇して〇〇ことに注力します!」と紙に書き、信じるまで唱える。
例)ランニングして、5kg痩せることに注力します!
・イメージング:行動イメージで気持ちを高める
例)ランニング楽しみ!最高の自分になれるんだ!
・エクササイズ:数分間の運動。血液と酸素を体と脳に循環させる。
・リーディング:本で成功者の真似をする。
・ライティング:日記を書いて、成長を実感
A3
「走るのと、現状の人生」どっちが嫌かと問いかける。成功するには自分を成長させることに時間を割くこと。
【本の概要】
本書は、著者が提唱する「モーニングメソッド」を実践することで、人生を大きく変えることができると説いた一冊。
著者のハル・エルロッドは大事故に遭いながらも、その現実を受け入れ、モーニングメソッドを通じて人生を好転させてきた。その実体験をもとに、朝の習慣が人生に与える影響を具体的に描いている。
【感想】
目次を見た段階では非常に興味を引かれたが、断食中ということもあり、集中力が続かず読み進めるのに苦労した。改めて再読したい一冊である。
一方で、具体的なメソッドが明確に示されている点は魅力的であり、まずは一つでも実行に移してみたいと感じた。
【実践すること】
・朝活に関する書籍を継続的に読む(多読) -
Posted by ブクログ
ネタバレ6歳までの子育てテクニックが記載された本。
語学について7歳くらいまではバイリンガルは可能。テレビをつけない時間が愛情を育て、ものを考えいい時間となる。子どもの暇な時間も同様で何をすればいいか自分で考えるからいい時間となる。親の反応によって子どもの成長に変化をもたらすこと。そのパターンは独裁、民主、優先、無関心とあり、それぞれ自己肯定感の欠如、比較的デメリットなし、過保護や自己優先的、非行につながる可能性が高いとの調査。1日21000語話しかける、1時間に15分と中々の水準。
今中2の娘を振り返ると小さい時は優先、話しかけていたが、下の子が出来ると母は下の子、私は上の子と役割に費やす時間が多くならざるを得なかったようにも感じる。一時は自己主張が弱く、協調性の観点で不安な面もあったが、現在は程よい自己主張と真っ直ぐな性格だと思われることから良いと思う。下の子は今でも甘えが激しくままうざったい程にも感じる場面もあるが後数年と考えると向き合いたいと思っている。
昔の本を読み返すのも答え合わせができて面白かった。 -
Posted by ブクログ
“子ども×科学”
2016年。発売からもう10年も経つ本ですが大事なことが書かれているんです。
子育てについて未知ではありませんか??
悩んではいませんか??
この本は母体にいる時から小学生にいくまで『子育て』について科学をもとに良いとされることを書いてある本です。
例えば赤ちゃんであれば…
『生後1時間未満から「真似」ができる。』
『生後6か月から10か月の赤ちゃんは「悪者を避ける」ことができる。』【本文抜粋】
という出生してからすぐに赤ちゃんの脳が休まず働き続けてていること・学習し理解をする高い能力をもっていることが書かれていて、赤ちゃんにはできることがたくさんあるということがわかります。
また、そんな赤ちゃん・子どもの『最も強い欲求は「親と一緒にいるときに安心すること」』。『安全で愛に満ちた、情緒が安定する環境を作ってあげることが大切。』【本文抜粋】
という基礎的な事柄から、
赤ちゃんの前で『けんか』してはいませんか。夫婦けんかにもルールもあります。【要約】
というような気になることまで書かれています。
以上は『愛情』の項目に書かれているものですが、
他にも『語りかけ・生活習慣・遊び・つながり・しつけ・動く・スローダウン』の項目ががあります。
妊娠中から小学校のお子さんを育てられる保護者の方、知るため、不安解消のため、楽しむために良いと思います。
特に赤ちゃんから2歳クラスの乳児の保育士の方、
どんな考え方があるのか知ることで考える幅が広がり、保育の質の向上につながると思います。
興味のある項目だけでも目を通してみてください。きっと明日からの日々がもっと楽しくなりますよ♪ -
Posted by ブクログ
研究論文のような形で少し読みづらかった。比喩もわかりにくい部分が結構あった。
この本で大切なことは「母親になったことを後悔すること」と「子供を愛していること」には何も関係ないということと、「母親」であっても一人の人間として後悔を語る場を持っても良いということなんじゃないかと自分はとらえた。
たしかに「母親になったことを後悔している」といわれると「子供はどうなるの?」と反射的に思ってしまう。でもたしかに自分に当てはめた時、その気持ちもわかる。逆に親から「あなたのことは大切だけど親になったことは後悔している」といわれたら難しい気持ちになるだろうなぁ…。出てくる親が子供たちに知られないことを望んでいるところも印象的でした。
「母親になることの後悔」がある人が必ずしも子供を憎んだり手放したりしたいわけではない、と社会の方が理解する必要があるのかもしれない。その一歩として、社会がより良くなるために、必要な本だと感じました。 -
Posted by ブクログ
世間が、社会が、習わしが、
「母親になったことを後悔していること=子供を愛していない」と直結してしまうから問題なのであり、
両者は分けて考えなければならない。
後悔の中身は複雑で様々だから、必ずしも悪いこととは限らない。
現代社会においては、
それは思っていても口に出すことはタブーである。
それを聞いてしまった子供の心を守るためでもあるし、世間から自分自身を守るためでもある。
けれど、後悔しているという思考は
そこまで批判されなければならないことだろうか。
実際後悔した母親の全員は、「駄目な母親」ではなく、母親としてきちんと子供と向き合っていた。
もちろん、子供を持ちたかった人にとっては
聞きたくない言葉であるから
むやみに公言することは避けたほうがいい。
しかし、将来家族を持ちたくないと考えている特に女性にとっては、
「そういう考えを持っていてもいいんだ」という希望になるのではないか。 -
Posted by ブクログ
長かった…。
結構具体例を挙げて説明してくれるのだけど、米国での例なので日本人だとちょっとピンと来なかった。最初の出だしが「サマーキャンプ」問題だったんだけど、サマーキャンプって日本だとほとんどきかないので、それに対する大変さとかが自分事として捉えられなかったかな。
家族間での意識の共有、todoの役割分担とか、事前によく話し合うことが重要ですよね。やはり。
子育てに関する莫大なデータを下に公平な目線で分析してるので極端な気持ちにならず良かった。
睡眠大事。
オーディブルを子供向けに車とかで流すのはいいアイディアだなーと思った。子供の頃よく有線のひたすら物語流れてるチャンネルを風邪で休んだときとかによく聞いてたもんなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ帯の惹句がややこしくて、褒められたものじゃないが(著者がノーベル経済学賞受賞者かのような見せ方)、中身としては、簡潔にまとまっていて、面白い一冊だった。
ひとつの国をひとつの単語で表したら? という命題に則り、101の国を解説していく。
当然、気になるのは我が国日本。「おもてなし」かな? と予想するが…。
「おもてなし」の国は、トルコだった(「ホスピタリティ」)。そして、なぜなのかを、著者の体験などを交えて解説していく。ニューヨークで道迷いしたときの体験と、イスタンブールでホテルを探して迷った時の、それぞれの国民の対応の差(当然、NYでは相手にされなかったが、トルコでは親切に案内してくれた上に、そのホテルより自分の家に泊れと言ってくれた)から、トルコは「ホスピタリティ」の国と断じる。
それだけではないのだが、その他の国民性や、歴史などからも傍証していくという建付け。
101の国を、まえから順々に読んでいくのはよろしくない。まずは、自分の訪れたことのある国、仕事相手として対面したことのある国などをチョイスして読んでみた。40か国ほどあったか。
残り60ヵ国は、今後の愉しみとするか、ニュースや、なにかで見聞きした折に、本書で繙くなどの愉しみとしてとっておこうと思う。
なるほどな、と思う国もあれば、そうかな? と思う国もある(ちなみに、我が国日本は納得だ)。そりゃ、今のウクライナが一番欲しているのは「自由」なのかもしれないが(あるいは「平和」か)、それが果たして、あの国をひとことで表す言葉かな? と思わないでもない。ちなみに「平和」はコスタリカに冠されている。常備軍を持たない国、自然豊かで幸せな国だからだそうだ。
脚注にある、豆知識。国土の広さに常に日本との対比が書いてある(日本語版特別のサービスだろう)。意外と、日本は小さくないと思わされる。人口にしてもだし、GDPも、超大国には及ばないが、やはり経済大国なのだと再認識させられる。
その国出身の意外な有名人や、世界的な企業が、その国の発祥だったのか? という気づきも面白い。
自分なりに、国内の県民性をOne Wordで表現したらどうなるだろう? という思いも持った。 二匹目のドジョウ、誰かがやりそうだ。