この本は、日本人がまとめた仕事のスピードを上げる本では無いと言う所がまずポイント。プロローグには、最近の世界中の成功者に「時間術」を聞きまくったとある。
人生のに1ヶ月はいくつある?とか、歴史的にみて、確実にテクノロジーは進化しているのにも関わらず、近年は生産性が頭打ちになっていて、労働時間は長くな
...続きを読むっていることが示される。1930年にケインズは、生産性が継続的に進歩する事で、21世紀には全ての人の週あたりの労働時間が15時間にまで減少すると予測していたらしいが… 「2010年から2016年の北米と西ヨーロッパの生産性は、年間わずか0.5%しか増加していない。」と、更に「アメリカのフルタイムの労働者の平均労働時間は、2001年からほぼ横ばいで47時間強、フランスでは 2003年には42.6時間が2011年には44.1時間と増加」
仮説として、「現代の仕事の取り組み方が実は効率を下げている」としている。
本書では、以下の方程式を立てている。
完了した仕事=費やした時間×集中の度合い×実行速度
この公式、あまり深く考えず、効率化を考えると、整理、集中、加速というものをテーマにこれらのスキルを高める方法について、世界中の起業家から情報を貰ってまとめられている。本書では、役職によってこれら3つのスキルに対する力の入れ方が変わるとも書かれていてマネージャーは整理にフォーカス、幹部は整理と集中にフォーカスなど、幅広い読書への対応も練られている。
この本、内容的に凄く目新しいものは無いかもしれないが、「断る」ところは、目標とやるべき事が明確に出来ているからこそって言う気付きもあった。
集中の章は、あるあるな感じ。
加速の章は、ツールの紹介が多いが、冒頭の仮説をひっくり返すほどのものは、まだ存在しないと言ったところかな。2021年中はまだかもしれないけど、仕事の生産性を劇的に上げてくれるツールが出てくるのを期待。
ちなみに、加速の章では、パソコンで出来る自動化で、Zapierとか、Integromat,IFTTTが紹介されてるけど、日本だとプログラミングの効率化ツール的な位置付けか強くて、業務効率化はRPAと言ったところか… AIの言及もあるけど、音声認識と予定整理くらい。
実務レベルでは、メールを速く書けるようにとか、記憶術の「記憶の宮殿」とかさらっと紹介されてる。