天祢涼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
単純にミステリ部分だけで評価するならば、ふつう…?
典型的な展開。
フーダニットは半分程度で明らかになるし、最後の事件のハウダニットはそれ以外ありえないので、明確。
そうなると必然的にメインにくるのはホワイダニットなわけだけど、これは、細部はよくわからないものの、大雑把な予想は本編を読まずとも、あらすじを読んだ時点で思いついてもおかしくない。
なので、何もびっくりはしなかったけど、デビュー作ということを考えると完成度は高い方なのかもなー、という感じ。
ただ、共感覚の扱いについては、あたしはまったく門外漢なのだけど、やっぱり疑問が残る。
主人公は音が色や形として視覚化されるタイプの共感覚の持ち主で、あたしはこれまでそういう感覚は、コミュニケーションにおいては瞬間瞬間でクルクル変わる、動態的なイメージをもっていたのだけれど、何を話しても、どのように感情が動いても、どんな言葉を発しても、ずっと同じ色なんてことがあるのかどうかがわからない。
もしそういう共感覚があるのだとすれば、それはすでに音に付随しているのではないんじゃないだろうか。
それこそ、心…というか、人間の本質を読み通す超能力みたいで信憑性はない感じがする。
で、この本がエンターテイメント小説なのであればそれでも全然構わないけど、ミステリーである限りは、やっぱりその能力で何が可能で何が可能でないのか、事前にルールを定め、読者とのあいだで共有すべきだろうと思う。
あと、これは単純に好みの問題なのかもしれないけれど…。
犯人を追い詰める段階で初めて発揮される異能とかwww
そういう心の準備がないことをいきなりやらかすのはやめてほしいw
厨二すぎな上にチートすぎだしw
最後はたぶん「イイ話だなー」って感じで終わらせたかったんだろうけど、なんかもう全部が台無しだよ…。 -
Posted by ブクログ
名探偵を空想してリアルに会話するミステリマニアの女子大生と、その空想が知覚できてしまう友人が探偵役というのが面白い。知人の死体の第一発見者となった二人は事件を解明しようとするが…
密室に頸動脈を切断された死体、自殺の動機はなく凶器も見当たらないが、密室であるため自殺か他殺かも不明という状況や、二転三転する展開、終盤に明らかになる真相はいかにも新本格ミステリという感じで面白かった。
しかし空想で探偵を出現させてしまうといっても、あくまでも推理するのは本人なので快刀乱麻を断つというわけにはいかない。せっかく面白い設定なのに謎の解明にはあまり生かされていなかったのが残念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ連続殺人事件の犯人・通称「フレイム」を追うのは、特殊な「共感覚」の持ち主、音宮美夜。
被害者の兄を助手に、共感覚を駆使して捜査します。
主人公の音宮美夜が容姿端麗、銀髪、特殊能力保持と強烈なキャラクターで、エンターテイメント色が強い内容です。
共感覚によって早々に犯人の目星がつくわけですが、そこからどう犯人と証明するかが問題になってくるのがおもしろい。
鉄壁のアリバイがある容疑者に対して、音宮の共感覚の能力自体の信頼性が揺らぎ捜査は迷走。
読者としても提示された情報を軸に読むか、音宮の能力を信じるか悩むところです。
それにしても真相にはびっくり。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
共感覚が探偵だけでなく犯人にもあるという真相には驚き。特殊な能力を持つ主人公が事件を解決していくという典型的な展開だと思っていたので、共感覚が犯人を指し示す手掛かりにもなっていたというのはすごいです。
ただ、神崎の無実を支えているのが綾小路の事件時のアリバイだけですが、これが自殺という真相は拍子抜けでした。
「食人」というキーワードが早々に出ており、またすぐにそれを否定しているところも上手いです。
動機を考えた時にこれをさらっとおもいついた音宮は凄いな、と読んでいる時に思いましたが、まさかこれが真相でしかも味付けしていたというのは恐ろしい。
ホワイダニットの衝撃こそあるものの、やはりこれはシリーズとして登場人物たちの謎の方にこそ魅力があるのではないでしょうか。
犯罪者を抹殺しようとしながらも寸前で遂行しなかった音宮と、犯人を憎みながらも妹の為に抑えた山紫郎。二人は似ているようにも思いますが、山紫郎のような色は出せないという音宮には、自身の声は今どんな色に見えているのでしょうか。