平塚柾緒(太平洋戦争研究会)のレビュー一覧
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借りたもの。
激戦地となったペリリュー島で何が起こったか――
南国の楽園的雰囲気は、1話目の小山一等兵の不慮の事故死、島民と言葉を交わし彼らが疎開したから次第に不穏な空気に包まれてゆく……
持久戦であると明言する指揮本部(つまり退路も補給路も無い)。
戦い慣れしていない兵士たち。正面対決をしていなくても、常時戦闘中であり、空爆で壕の入り口付近にいた兵士が跡形もなく消し飛んでいた……
アメリカ軍による上陸作戦、塹壕での戦闘――ほとんど日本側は特攻が戦術――は目も当てられない。
配置を変えることもなく、無残に的にされる砲台……
戦略も無い。
死んでゆくアメリカ軍兵士の姿、何の戦果も出せぬまま死ぬ上官や同期の姿……
「俺ら この西浜に配置されたのは 敵さん追っぱらえってことじゃねーぞ とりあえず殺れるだけ殺って 死んでくれってこった」はっきり明言する小杉伍長。
虚を突かれたような主人公・田丸。
はなから勝ち目はないことに戦慄する吉敷上等兵。
日本人もアメリカ人も死ぬ寸前、母を呼んだ兵士たち――
それでもスコールが来て美しい虹が出る。 -
「平成」の終わりに
さよならタマちゃんから作者の作品を愛読しています。本当に優しい線描で、とてもあのSF作品を支えてこられた方とは想像ができません。
その「タマちゃん」での課程で、その繊細なタッチといのちの手触りを昇華させた作者が佳作「おやこっこ」を経て挑む超大作「ぺリリュー」。そのサブタイトルの「楽園のゲルニカ」。楽園とゲルニカ。この異常なまでのコントラスト。漫画史に残る名作だと思います。 -
Posted by ブクログ
アニメ映画にもなったペリリュー。
まず、緑色の楽園らしい風景と、かわいい絵柄で描かれたキャラクターが目に飛び込む。
この作品のタイトルを知るまでは、ペリリュー島のことを知らなかった。
楽園と呼ばれた島。
この時代に、12000人の日本兵と米国兵が戦いに赴き、日本兵が生存したのは34人だった。
玉砕の島、とか呼ばれているとのこと。
あの時の戦争について、こうした漫画などを元に関心を寄せることは多い。
本作も戦争を考えるきっかけになるのに十分な人間のドラマが描かれている。
歴史上の数字のみだと、たくさんの人が戦争して死んだんだなと省略してしまう。
歴史を学ぶのにはそれでいいと思う。
けれど、戦争を知るというのは、戦争に巻き込まれた人々を知ることでもある。
どんな気持ちで戦争の渦中にいたのか。
世界でも紛争が絶えない中、過去の日本の人々に思いを馳せることも大切だと思う。
デフォルメされたキャラクターはかわいらしく、戦いの凄惨さを和らげてくれる。
そのため、普通の戦争漫画よりは読みやすいと思う。
けれど、内容的にはかなり辛い。
あっけなく何人死んでしまったか。
漫画家志望で、将来への希望を抱く田丸のもしかしたら死ぬのかもしれないという予感がきつい。
明日の自分を望めないけど、出てくるのは家族の名前…。
田丸は死んだ仲間の最期を伝える役割をもらう。
漫画の中ではまだ一巻なのに、たくさんの人が亡くなっていく。
それぞれの最期はあっけなく訪れる。
自分が何かよくわからないものに巻き込まれて、無意味に死んでしまうことを想像すると、せめて何か残して死にたいと思うのも当然だと思う。
彼らの死には意味がないとは言いたくない。
漫画というフィルターを通し、当時あった出来事に思いを馳せる。たくさんの人が死んだ戦争。作中の功績係と同じように、脚色して、悲惨さを抑えているのかもしれないが、当時死んでいった若者たちを数字に置き換えるのではなく、生きた人間として捉え直すことは、鎮魂の意味もあると思う。
まだまだ辛いシーンは続くと思うが、見届けていきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレもう戦争は終わっているのに
仲間同士で殺し合うなんて、なんて悲劇だろうか。
吉敷くんが死んでしまったのは本当に辛い。
必要の無い犠牲だったのに。
田丸くんがひとりでも投降したのが偉いと思う。
彼らを説得する為に、少将が現場に呼びかけたことはあったのだろうか。
手紙というのは田丸くんの功績係という職も活かした
素晴らしい提案だったと思う。
結果的にそれがみんなの命を救ったのだし、
みんながそれに感謝し謝ってくれたのは良かったけれど
未だに快く思わない者もいるのは悲しい。
本国が投降しているのに他に方法があっただろうか。
島民の方の仰り用はちょっと納得がいかなかった。
勝利してここが本当に日本の一部なら残るが
そうではなくなって追い出されたのだし
住むにしても一度は祖国に帰って家族と話さなければならないと思う。
入植者ではなく兵士だと部下のことを思って反論し
失明しているのに船に敬礼している姿が切なかった。 -
購入済み
人数が多ければ多いほど、認めない流れになるだろうな・・・負けイコール家族の死んでいる可能性も高くなるし、
信じたくないってなりやすいかもなど思いながら読みました。