戸森しるこのレビュー一覧

  • ぼくたちのリアル

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    表紙と題名から、少年たちの暗くてリアルな現状が書かれた物語だと勝手に推測してました。

    だけどその推測もある意味正解で。
    本を読み終えた時には、うまい題名だなと感動さえしました。

    クラスの人気者と比較してしまう主人公の気持ち。
    「あるある!」と共感することが多かったです。

    隣の芝生は青く見えるという言葉のように他人はよく見えてしまうけれど、色々芝生の現状が見えてくるのも大人への一歩前進。

    そんなふうに少年たちが少しずつ成長していく姿に感動しました。

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    2022年01月27日
  • 十一月のマーブル

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    気に入る話っていうのはたいてい1行目から引き込まれる。

    「駅の自動改札機は、どうして右側でしか『ピッ』とできないんだろう。」

    他のレビューで「テーマが重い」とも書かれているけれど、登場人物の軽快な会話と主人公の1人ツッコミのおかげか気分は重くならず読めました。

    高学年からおすすめ。

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    2021年12月27日
  • ゆかいな床井くん

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    これは期待以上。

    主人公「暦(こよみ)」の視点で、1年のクラスでの大小さまざまな事件が語られる。床井くんじゃなくて、みんなそれぞれ個性的でありながら、どのクラスにもいそうな子が出てくるので、読んでいても、自分と似た子が出てくるかも。

    一つ一つの出来事が短いので、読書が苦手な子にも勧められそう。

    読みやすいけれど、ハッとしたり、メモしたくなるようなセリフも少なくない。

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    2021年12月23日
  • れんこちゃんのさがしもの

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    れおくんのおとうさんは料理が得意。
    誕生日に自分の包丁を買ってもらったれおくんがれんこんを切るとれんこんと目が合って「こんにちは。れんこちゃんよ」としゃべったのです!

    意外な展開とちょっとジーンとくるラスト。

    好き嫌いのある子にオススメしたい。

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    2021年10月05日
  • 理科準備室のヴィーナス

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    反発する理由はむしろ、その人にわかって欲しいから。好きだからこそとってしまう、自分でもよくわからない行動。本当は単純なことなのに…。先生と中学生2人のバランスが、なんとも絶妙でした。

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    2021年07月12日
  • 十一月のマーブル

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    6年生の11月、波楽(はら)くんにある出来事が起こります。きっかけは父の書斎で見つけた一枚のハガキ。戸森センセイによれば、「人生に不要なピースはない」とのこと。波楽くんの人生を埋めるピースに注目。

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    2021年06月29日
  • おしごとのおはなし スクールカウンセラー レインボールームのエマ

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    スクールカウンセラーのお仕事を紹介する本書。問題はその人のものであり、「自分で気づいてくれなきゃ意味がない」のです。たしかに。レインボールームを訪れる子どもたちに、明るい出口が訪れるよう。

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    2021年06月14日
  • ぼくの、ミギ

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    パートナーを探す旅に出ることを決めた赤い毛糸のミギ。苦難の末にパートナーに巡り合えたミギは、パートナーとの新しい「あり方」を見つけます。多様性しかり、戸森センセイの作品から学ぶことは多い!

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    2021年06月14日
  • ぼくたちのリアル

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    小学5年生の男の子達の物語。

    目に見えてることだけが真実とは限らない。
    学年一の人気者、勉強もスポーツもできて、誰からも好かれているリアルだって、悩みを抱えて生きている。

    劣等感やLGBT、家族の死。

    毎日毎日学校で顔を合わせるからこそ楽しいこともあり、逆にしんどいときもあるんだろうなーと、自分の小学校時代を振り返ったりもした。

    小学校高学年に是非読んでもらいたい一冊。

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    2021年06月04日
  • ぼくたちのリアル

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    2017年読書感想文課題図書、高学年向。
    平凡なぼく、飛鳥井渡(あすかいわたる)と、ぼくの幼馴染で学年一の人気者の秋山璃在(あきやまりある)と、転校生で色白の川上サジの3人の物語。3人で過ごした5年のこの1学期は、3人にとって忘れられないものとなる。
    リアルは何でも出来る。ぼくは、リアルが好きだけどリアルが主人公で自分は脇役だと感じていた。それもあって、手放しではリアルと同じクラスになった事を喜べない。
    リアルが、担任の甲斐先生を慕っているわけ、ぼくが甲斐先生になつかしさを感じるわけ、サジが転校してきたわけ、またリアルの事となると頑張ってしまうわけ、リアルが毎年七月に入ると雰囲気が変わり7月1

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    2021年01月10日
  • YA! アンソロジー ひとりぼっちの教室

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    中二の時、気に入らないクラスメートをイジメていた『穂花』。でも、三年になったらクラス中から無視されるよになってまるで透明人間みたい・・・「友達なんかいない」小林深雪

    クラスは違うけど仲の良い幼馴染の『加部慎太郎』。彼のクラスには顔に痣のあるいじめられっ子の男子生徒がいる。誰も名乗り出ないアンケートを取り続ける先生。でも、初めて✖がついた、そう加部慎太郎は言った・・・「これは加部慎太郎に送る手紙」戸森しるこ

    「どうせ私なんて」その言葉を口にする度中学生にループしてしまう『詩織』。イジメている三人組から逃げて屋上でお弁当を食べていると、同じくイジメられている『弥生』と知り合う。『今』が終わりが

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    2020年10月10日
  • 十一月のマーブル

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    11月のマーブル
    人間は1個体、1個体につき高度に複雑な精神世界をもつ生き物であるが、生命であることには変わりない。

    道徳とか倫理とか、他の個体と協力するための社会にまつわる精神と、生と死の存在を自覚するがゆえの人間特有の精神性は強いものに思われるが、
    生命としての本能もそれに劣らず強烈に人間を突き動かす。

    コントロールの行き届かない生命の力が、人間特有の苦しみを生む。この話では不倫によってできた血縁関係のない家族の悩み、性同一性障害の悩みなどが扱われる。

    大きな視点で見れば人間のやっていることは、他の生き物のそれと大差なく、穏やかに過ぎる時間の流れのなかでシンプルな生命の営みが続いてい

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    2020年10月03日
  • トリコロールをさがして

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    良くも悪くも、小学生だなぁ。考え方はとってもまっすぐで、でもそれだけじゃ周りとの関係は難しい。女の子同士はいつだって難しい…。
    読んでてモヤっとするのは、わかるからかもしれない。真青の気持ちも、真姫ちゃんの気持ちも。

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    2020年09月21日
  • おしごとのおはなし スクールカウンセラー レインボールームのエマ

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    おしごとのおはなしシリーズ、「スクールカウンセラー」

    小学校相談室の「レインボールーム」にいる赤毛の人形「エマ」の語り。

    生徒の心に寄り添うスクールカウンセラー。
    学校にはなくてはならない存在。

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    2020年07月12日
  • YA! アンソロジー ひとりぼっちの教室

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    児童書づくりの参考書として、編集さんから推薦される。特に戸森しるこ氏がすばらしい。どんな教科書や参考書よりも、学生さんが今を生きる考え方を鍛えてくれる一冊。

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    2019年03月01日
  • ゆかいな床井くん

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    隣の席の床井(トコイ)くんは、私のことをミケと呼ぶ。「今日はミケが笑ったからいいことありそう」なんて言ったりするので、床井くんにミケってよばれるのは嫌いじゃない。
    小6のクラスにはいろんな人がいる。すれ違ったり仲良くなったり。自然体の床井くんがさりげなくみせる気遣いが、ミケこと暦にとってちょっとうれしい。そんな暦もまた、周りのことによく気が付きながらも、無理に周りにあわせたいとは思っていない、自然体の女の子。いろいろあるけど、清々しい気持ちになる物語。

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    2019年02月05日
  • ぼくたちのリアル

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     クラスの子が「おもしろかったから読んでみて」と持って来た本。彼女も,1年先輩から教えてもらったらしい。
     3人の5年生の男子が繰り広げる世界。いろんな物を背負って生きている子どもたちが,本当の自分を見せないでつきあっている。それは,たぶん,今の教室にも普通にあるであろう世界。それが,ゆっくりと溶け合い(本人の成長もある),本当の自分を少しずつ出していく。結果,より深まる絆…。
     現実の子どもたちには,この3人のような極端さはないけれど,やはり,こういうのを読んだ子どもたちは,自分を振り返って感じることはあるだろうな。

     「この本を読んで,発表会の劇を考えようと思った」という彼女。できた台本

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    2018年11月12日
  • 理科準備室のヴィーナス

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    理科の人見先生は、ボッティチェリのヴィーナスのような、印象的な顔立ちをしていた。話すことも行動も少し「普通」からはずれている先生に、瞳はなぜか心惹かれた。授業中、先生をみつめていると、同じように先生を見つめている男子、正木に気が付いた。先生と二人の、秘密の時間が始まる…。
    憧れとも尊敬とも違う、それは恋に近い思い。性別も年齢も越えて、心に芽生える独占欲。ひとつひとつのエピソードにこもる若くて固い切迫感が息苦しいほど。
    この独特の世界感を作り出す作者に俄然注目。

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    2017年10月31日
  • ぼくたちのリアル

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    第56回講談社児童文学新人賞受賞作。
    よかった。酷評も多いですがわたしは素直に感動してしまった。涙が止まらなかった。ストーリーとしては最近多いLGBTがテーマに組み込まれており、そのほかに身近な死、自己肯定感など。
    やたらキラキラネームばかりでそこはちょっとついていけなかったし、アスカがサジの同性恋愛のことをアテンドするあの感じはちょっと好きじゃなかったかな。サジがいなくなってからリアルのサジからの恋を揶揄う感じも。
    それでもトータルでいい話だったなとわたしは思いました。

    出版社より
    そいつの名前は秋山璃在(リアル)。
    スポーツ万能。性格良好。顔がかっこよくて、気もきくから女の子にももてる

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    2017年10月17日
  • 十一月のマーブル

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    血がつながっていない家族の話。戸森しるこさんの本は初めて読みました。ぶっきらぼうにも思える簡潔な文体から苦しさとか優しさとかが伝わってきて、すごく好きな感じです。
    レンも、売れっ子作家のおとうさんも、マーブリングギャラリーの凪さんとサキさんも、人間味があって素敵なひとたちでした。

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    2017年06月09日