戸森しるこのレビュー一覧
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2017年読書感想文課題図書、高学年向。
平凡なぼく、飛鳥井渡(あすかいわたる)と、ぼくの幼馴染で学年一の人気者の秋山璃在(あきやまりある)と、転校生で色白の川上サジの3人の物語。3人で過ごした5年のこの1学期は、3人にとって忘れられないものとなる。
リアルは何でも出来る。ぼくは、リアルが好きだけどリアルが主人公で自分は脇役だと感じていた。それもあって、手放しではリアルと同じクラスになった事を喜べない。
リアルが、担任の甲斐先生を慕っているわけ、ぼくが甲斐先生になつかしさを感じるわけ、サジが転校してきたわけ、またリアルの事となると頑張ってしまうわけ、リアルが毎年七月に入ると雰囲気が変わり7月1 -
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中二の時、気に入らないクラスメートをイジメていた『穂花』。でも、三年になったらクラス中から無視されるよになってまるで透明人間みたい・・・「友達なんかいない」小林深雪
クラスは違うけど仲の良い幼馴染の『加部慎太郎』。彼のクラスには顔に痣のあるいじめられっ子の男子生徒がいる。誰も名乗り出ないアンケートを取り続ける先生。でも、初めて✖がついた、そう加部慎太郎は言った・・・「これは加部慎太郎に送る手紙」戸森しるこ
「どうせ私なんて」その言葉を口にする度中学生にループしてしまう『詩織』。イジメている三人組から逃げて屋上でお弁当を食べていると、同じくイジメられている『弥生』と知り合う。『今』が終わりが -
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11月のマーブル
人間は1個体、1個体につき高度に複雑な精神世界をもつ生き物であるが、生命であることには変わりない。
道徳とか倫理とか、他の個体と協力するための社会にまつわる精神と、生と死の存在を自覚するがゆえの人間特有の精神性は強いものに思われるが、
生命としての本能もそれに劣らず強烈に人間を突き動かす。
コントロールの行き届かない生命の力が、人間特有の苦しみを生む。この話では不倫によってできた血縁関係のない家族の悩み、性同一性障害の悩みなどが扱われる。
大きな視点で見れば人間のやっていることは、他の生き物のそれと大差なく、穏やかに過ぎる時間の流れのなかでシンプルな生命の営みが続いてい -
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クラスの子が「おもしろかったから読んでみて」と持って来た本。彼女も,1年先輩から教えてもらったらしい。
3人の5年生の男子が繰り広げる世界。いろんな物を背負って生きている子どもたちが,本当の自分を見せないでつきあっている。それは,たぶん,今の教室にも普通にあるであろう世界。それが,ゆっくりと溶け合い(本人の成長もある),本当の自分を少しずつ出していく。結果,より深まる絆…。
現実の子どもたちには,この3人のような極端さはないけれど,やはり,こういうのを読んだ子どもたちは,自分を振り返って感じることはあるだろうな。
「この本を読んで,発表会の劇を考えようと思った」という彼女。できた台本 -
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第56回講談社児童文学新人賞受賞作。
よかった。酷評も多いですがわたしは素直に感動してしまった。涙が止まらなかった。ストーリーとしては最近多いLGBTがテーマに組み込まれており、そのほかに身近な死、自己肯定感など。
やたらキラキラネームばかりでそこはちょっとついていけなかったし、アスカがサジの同性恋愛のことをアテンドするあの感じはちょっと好きじゃなかったかな。サジがいなくなってからリアルのサジからの恋を揶揄う感じも。
それでもトータルでいい話だったなとわたしは思いました。
出版社より
そいつの名前は秋山璃在(リアル)。
スポーツ万能。性格良好。顔がかっこよくて、気もきくから女の子にももてる