戸森しるこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
我が子が6年生になったら、こっそり本棚においておきたい。
ハラハラドキドキする事件が起きるわけではなく、終始ほっこり読める本。
思春期に差し掛かった、子どもの微妙な心の動きがうまく描かれていると思う。
良い子も悪い子も、目立つ子も大人しい子も、それぞれがそれぞれの想いで生きている。
何かと息苦しい思春期にあって、この本の中では完全な悪が存在しないのもいい。
思春期を迎えた子どもにそっと寄り添ってくれる本。
思春期はどうしても視野が狭くなりがちだけど、色んな世界、視点、感じ方があることを、この本を通じて感じてほしいなぁと思う。。。母心。。。 -
Posted by ブクログ
とても面白かった。前半はクスクスと笑いながら読んだ。後半は少し涙。
3人の男の子の楽しげな交わりと、それぞれが抱える悩み。読み進めるにつれて、それが解き明かされていくところが面白かった。
ぼく、飛鳥井渡は小学5年生。隣に住む秋山璃在(リアル)は幼なじみでクラスの人気者。そこに転校生のサジがやってくる。サジは色白で、水色のシャツに白いベストが似合っちゃうような、キレイな男の子。ぼくは、リアルと比べられるのが嫌で何となく距離を取っていたけど、サジが現れたことにより2人の仲はどんどん近づいていく。
「ぼく」のリアルに対するコンプレックス。リアルの死に対する考え方。母への想い。サジの想い。それぞ -
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小学6年生の主人公ミケと、隣の席の床井くんを中心に、クラスで巻き起こる出来事を集めたお話です。
自然体なミケが魅力的!考えすぎて動けなくなる時もあれば、自分の意見をハッキリ言う時もある。周りのクラスメイトを冷静に分析しているだけでなく、自分のマイナス部分もしっかり把握している。ちょっとズルいことを考えたり、人のことを悪く思ったり。全部合わせて、どこにでもいる普通の人…例えば私みたいでもあり…共感しました。
クラスメイトもやっぱり自分のクラスにもいそうな感じです。基本的にドロドロした重いエピソードはないです。ちょっとした事件があっても、床井くんがナイスな働きをしてくれ、それをきっかけにミケが、ク -
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隣に住む幼なじみのリアルは、学年イチの人気者。サッカーが得意で成績もよく、見た目もカッコよく明るくお調子者で友達もたくさんいる。そんなリアルと比べられるのが嫌で避けていたのだけれど、5年のクラス替えで同じクラスになってしまった。そこに少し変わった転校生がやって来たのだった。
小学5年生の3人の男子の生活と友情と悩みを書いた物語。キャラクターの肉付けは実に今風に個性的。しかし個性的に描くあまりに、却って今風にステレオタイプになってしまった感じも否めません。あの特性はこちらのキャラクターにあった方が意外性があるのになどとも思ってしまいますが、ここではそんな効果を狙うよりも真っ直ぐに少年たちを描く -
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これは子どもだけの本じゃない‼️
大人も読むべき本でしょう。
テーマがとても深い。
個々の持つ価値観や認識をもっと柔軟に持っていないと、人生損しそう。
歳を取ると、やっぱり人間は脳味噌硬くなるせいか、先入観を崩せなくなるし、決めつけから自分を解放する事が苦手になってくるわけよ。
世の中私が考えるほど狭くない。
私の経験値なんて、人類60億分の一でしかないんだから、何歳になったって『正しい』事なんてないのよね。
趣味趣向が違う人を受け入れる度量が、今の自分にはないけど。でも。
自分の価値観で全てを決めてつけていくなんて、例えお婆ちゃんになったってごめんだわ。
……と、頭をかち割られた児童書でし -
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えっ……最近の子、こんな難しいもの読んでるのか……
字も大きく、1章1章も長くないので、さらさら読めましたん٩( ´ω` )و
家庭教師として住み込みで働くことになった男性目線で、その家の住人?の秘密がどんどん分かっていく感じ。
とにかく登場人物みんなが思いやりありすぎる……それぞれに抱えている秘密に対して、それぞれが答えを出してそれを抱えてて、だからこそ完成されているようでどこか歪な関係性を維持し続けてる、みたいな?(言葉って難しいね)
小5の男の子がいて、児童書やしこの子に感情移入していく感じかなーとか思ってたんやけど、ちごた……なんならこの子、めちゃくちゃ大人や……:( ˙꒳˙ ) -
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大人であれ子どもであれ、背負いきれないような出来事が起きうる。それが人生と言えば、あまりにも軽く聞こえてくるだろうか? でも、それが現実である。誰かに打ち明けられるうちは良いが、そうできない事も多々ある。
児童書でありながら、本作はいろいろなテーマで問いかけてくる。問いかけの正解はひとつではなく、それぞれの正解があると思います。
エピローグに“いくつもの出来事が重なりあい、影響を与えあって、人生は進んでいく。人生が一枚のキャンパスだとしたら、そこには無限の可能性がある。”とある。なんと希望に溢れる言葉であろう。
“そう。一見必要のなさそうなピースでも、絵を完成させるためには絶対に必 -
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友だちに、タイミング悪く「イヤなこと」を言ってしまって、謝ることができなかったミリ。
悩みながら歩いていると、パスタの国に迷い込んでしまって…。
パスタたちもまた人間のように、見た目の違いや誤解から、ケンカをしたり苦しんだりしている。
そこから一歩抜けるためには、認めることが必要なんだ。
互いの違いに、自分の過ちに。
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たくさん出てくるパスタに、おなかがすいてくる。
ミリの後悔やモヤモヤがうまく表現されていて、チクチクした気持ちになった。
過ちを認めることは難しい。
でも、まずは私から踏み出してみようと思った。
戸森さんらしい、素敵な作品。