内館牧子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔のドラマのノベライズです。
いわゆる、不倫の話で、賛否はあると思いますが、当時は夢中でドラマを見ていました。
ドラマでは、不倫をする娘の母役で、加賀まりこさんが出演されていて、中原中也さんの「春日狂想」の詩を引用するシーンがあり、心に残りました。
ただ、ノベライズには、いろんな事情があるのか、登場せず、残念でした。
その詩を、引用させてください。
愛するものが死んだ時には、
自殺しなけあなりません。
愛するものが死んだ時には、
それより他に、方法がない。
けれどもそれでも、業(ごふ)(?)が深くて、
なほもながらふことともなつたら、
奉仕の気持に、なることなんです。
奉仕の気持に、なる -
Posted by ブクログ
【自由研究】人はなぜ老いるのか?(序文)
《「人は中身よ」という女にろくな者はいない。》本書より
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人は誰でも老いますが、その過ごし方は様々です。受け入れる人、抗う人、「すぐ死ぬんだから」と放棄する人…。
最近〈老化〉に興味があり読んでみました。果たして美しく老いるとはどういうことなのでしょうか?
本書は、夫の死後に隠し事が発覚し…という物語ですが、冒頭のように金言?も多数あり面白かったです。
《あとがき》で著者は、単に若作りするのではなく、かといって自分を放棄するのでもない、老いを受け入れ自分を〈慈しむ〉こと。それが〈品格のある衰退〉と言っています。「すぐ死ぬんだから」は高齢者の免罪 -
Posted by ブクログ
ネタバレ34才の蜜は、6才の娘と研究者の夫と暮らしながらも、若さを保つことに執着していたが、ある日、パート先でオバサン扱いされたことで、益々エイジハラスメントに対する反応が過剰になっていく。
そんなときに夫が21才の女性と浮気をし、どう対処するか、足掻きながら自問自答し、最後には大学に入り直して、夫がいなくても自立できるようにと考えるまでに成長(?)する様子を描いたストーリー。
夫の妹が21才で、その若さを目の当たりにして、義妹と年齢やルックスのことでお互いにチクチク言い合うとか、見た目の若さを保つためにぎっくり腰になるほど運動するとか、設定はイタ過ぎるが、蜜の気持ちも理解できる自分もいる。
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Posted by ブクログ
なんと、「源氏物語」の中にタイムスリップしてしまうという語。
時代へではなく、物語の中へ。
しかも、59社を受けても採用されないという男、伊藤雷。
全く「源氏物語」なんて興味もない奴がなぜ?
雷には水という、それは優秀な弟がいる。
タイムスリップした際に、光源氏を弟に持つ一宮に自分に重ねたりする。
そして、その一宮の母、弘徽殿女御がこの話の軸となる。
この時代にこんな女性が?!と驚くような強い女性。
雷は徐々に「源氏物語」の世界で生きてくことに喜び感じるようになる。
「源氏物語」を知らなくても楽しめる。
もっと早くにこの小説があれば、もっと勉強したかもしれない…
2022.8.6