あらすじ
大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れた。生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた、大反響ベストセラー「定年」小説。
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テンポよく一気読み。
定年後の企業勤め男性のリアルが表現されているようで、自分の将来を想像するように読んだ。
人には引き際がある、いつまでも求めすぎては行けないのか、老後にはどこまで求めて良いのか、複雑な気持ちになったが、老後は現役の時に限らず横一線というのはその通りなのかも知れないと思った。
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面白かった。自分が40代であと20年後どうなってるかな。と思うととても自分事として読めて面白かった。
主人公がこっちが向いてる、これがやりたかった、結局老人はこうした方が良いのだ、色々と右往左往するのもリアルで良かった。
ベンチャーの社長を義理と人情と責任感で引き受けて、結果数千万円の負債を負担する事になったのはやるせない。まぁ貯金があって借金までいかなかったのだから不幸中の幸いではあるが。
しかし同じベンチャーで役員やってた若い奴らはさして責任感も感じず、普通に違う職場で再チャレンジ!みたいに働いてるのも酷いよなぁ。社長押し付けたくせに。
思い出と闘うなは良い言葉
心がけた方が良いのは人と会うこと。何の縁で何が起きるかは分からない。でも人と会わなければ何も起きない。
一度書いたレビューが消えてショック。
再度記入する気力がないので最低限のメモだけ書いておきます・・・
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「終わった人」とてもショッキングなタイトルだなと読みながら思っていたけど終わったから次の新たなステップに進めるとこの本から得ることができました。「続く人」だと変化なしだしそれはそれで平和だけどつまらない
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退職した実父、義父のことを思いながら読んだ。
「定年って、生前葬だな。」から始まり、「思い出と戦っても勝てねンだよ」に、励まされた。
「世の多くの人は、平均寿命は生きるだろうと考えて、できる我慢はして、将来のために今を犠牲にして頑張る。でも、五十代でポックリ、六十代でポックリもあるのよね。人は『今やりたいことをやる』が正しいと身にしみた」
こう思う日も来るんだろうなぁ…。
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定年を迎える人の気持ち、周囲の人の感じ方、どれも新鮮で、でも、よく考えてみると本心では自分もそう感じているかも、と共感させられました。
主人公が筋が通っていて潔い人で、何が起こっても気持ちよく読み進められました。
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あっぱれ。最高の読書体験だ。
展開が早くてほんとにページをめくる手が止まらなかった。
ジム、面接、大学院受験、恋愛、文学、社長、死、倒産、離婚危機、帰郷、、、、などなどよくもうまあこんな要素を一冊の本に自然な感じで詰め込めるなあと感心してしまった。
自分の老後生活について考えるキッカケをくれる本だった。
ありがと。
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おもしろかった、定年はまだ全然先だけど定年後の人だけでなく今働いてる人も読むと考えさせられるところがある気がする
全体的に細かいところがリアルな感じでおもしろい、定年直後くらいの描写が特におもしろかった笑
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定年後の会社に未練がある男性のお話。
ちょっと先の私の話かと思って、焦りました。
別に昇進も目指してないし、そこまで仕事人間でもないけれど、定年したら何かにしがみついて成仏できないかもしれない恐怖。。。
折り返していると思われる自分の人生、まじめに振り返りました。
誰しもが終わった人になる、とその後のエッセイでも読んで、そうだよね、と大きく頷きました。
考えてたつもりだけど、この本読んで、もっと焦りました。
生き甲斐がないと生き様がつまらない…
Posted by ブクログ
定年退職は生前葬?!
やり手銀行マンだった壮介は役員目前!というところで出世争いに敗れ、子会社へ飛ばされる
そしてそのまま月日は流れて定年退職…
なんだか仕事をやりきった感もなく、何をしたらいいのか分からない毎日
ジムに通ったりカルチャースクールに通ったり、
はたまた若い子との恋を妄想したり
美容師の妻に鬱陶しがられる毎日
そんなある日、転がり込んできたベンチャー企業の社長の椅子
仕事にのめり込む壮介だが、さて順風満帆にいくのかな??
プライドと見栄で終始がんじがらめの壮介を情けなく思ったり同情したり
先が気になってついつい一気読みでした
ラストは私も故郷を思い出してしまうような展開で…
歳を重ねると、故郷が恋しくなる人が多い事実
誰にとっても故郷の山が一番で、故郷の川が一番なのはホント分かります
私は阿蘇山が一番!
さて
『終わった』ら私、どう過ごそうかな~……
Posted by ブクログ
いくらでもおれと比べて元気出せってケロッと言える人になりたい。
過去にとらわれず今を生きる。
見栄を張らない生き方。
定年はまだ先だけど見栄もカッコもつけない自然体で生きることができたらいいな。
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自分もいつか定年を迎えると遠い未来のことと思いつつ購入した本。
仕事は人生に大きな生きがいをもたらせてくれていると感じたが、サラリーマンは身を粉にしても何も残らないと改めて痛感させられた。今のうちに友達付き合いや趣味を見つけておこうと思った。
負債を背負って落ち込んでいる旦那に対する千草の態度に疑問が湧いた。借金したわけでもないのに、今まで共に支え合ってきた関係が急に冷めるのかと不思議だった。
Posted by ブクログ
定年を迎えて素晴らしいキャリアが「終わった人」の物語。
趣味や恋に打ち込もうとしてもなんだかうまくいかない。
奥さんは打ち込むことを見つけていて家にいるのを嫌がられれる。
今まで仕事にしか打ち込んでこなかったからこそ、仕事でしか生きがいを見出せない。
年老いてできることが少なくなっていく中で、どのように人生を終わらせていくのかを考えさせられた作品だった。
自分はまだ20代。でもきっと「終わった人」になる瞬間は訪れる。
30代、40代、50代とその時々で読み直してみたい。
Posted by ブクログ
仕事が定年で終わった後の世界を描く本。
医師の定年は一般的にはない。
ただ、急性期の大病院を離れるタイミングは一つの「定年」と言えるかもしれない。
現代では、もともと「中年の悩み」と言われていたものが、最近では若いタイミングで来ることが多いという。今後のキャリアをこのまま積んでどうしたいのか?そもそも自分は仕事をし続けて何が幸せなのだろうか?と。子供を持ったタイミングくらいで感じる人は増えているように思う。
医師にとって、キャリアを積むことで得られる名声はあるが、給与に直結しづらいシステムであるためそこを目指す人は今の時代、多くはない。かと言って開業をしたいと思う人もみんながみんな、というわけではない。
どこのタイミングでこの主人公と同じ「終わった人」になるか分からないが、そこを自分の意思で終わらせることができるのは医師という職業が恵まれているのかもしれない。
幸い、主人公とは異なり、どのような職場であっても医師としての修練は可能で、日々何かしらの臨床疑問に出会い、解決するという場には恵まれている。(学ぼうとする気持ちがなくなったら地獄かもしれないが)この1番基本的な「充実感=生きがいとなり得る」構造が続くのも恵まれていると思う。
この本からの学びとしては、まずは主人公のように「成仏できない」老年期にならないよう、若いうちに①老年期にも続けられるような家庭の外の人間関係を大事にすること
②家庭の居場所をATM的な存在でなくいてくれて嬉しいと思ってもらえるポジションでいられる努力すること。(幸い、わが家は家事育児をする夫の方が良いと妻から聞いているため、主人公のように家事の姿で幻滅されることはなさそう。)
③生きがいを見つけること
の3つを大切にしたいと思った。
Posted by ブクログ
内館牧子って女性だよね、男性サラリーマンじゃないよね、って思えるほど、なんて定年を迎えた男の気持ちがひしひしとわかるんだろう。いやもうほんとすごい。
しょっぱなから、会社から放り出され生前葬された男の気分になれる。
一ああ、六十五で良かった、あと平均寿命の15年なら耐えられる。先が短いということは不幸ばかりとは言えない。人生において、生きていて「終わる」という状況は、まさに絶妙のタイミングでやってくる。あと15年すれば本当の葬儀だ一
これは、壮介が二度目の終わりに思ったことだが、そうかあそうだよねとなんだか納得した。(でもそんなに簡単には終われないのだが)
結婚はギブアンドテイクという道子の鋭い指摘も、なるほど〜。
ジタバタしても来るときは来る。お互い幸せな方法で暮らして生きたいものだ。そのベストな方法は、案外「終わった」あとに見つかるものかもと思えた。
Posted by ブクログ
東大出て、大手銀行に勤めて、63歳で定年を迎えて、仕事したくてもがく男性の物語。途方に暮れて、でもプライド高くて、ややこしい。生々しくて、人間の本性はみんなこうなんだろうと笑ってしまうぐらい面白かったです。
Posted by ブクログ
私は30代後半ですが、今から老後に没頭できる趣味等を作っておかないとなと思いました。
幸か不幸か、主人公ほど仕事熱心な人間ではないので、ここまで不完全燃焼な老後にはならないと思うのですが、それでも老後のありあまる時間を何か熱中できるものに当て、他人に迷惑をかけず余生を過ごさないといけないと思いました。
何事も引き際って、判断するの難しいんだろうなとも思いました。プロスポーツ等を見ていて思うのですが、「まだやれる」と周囲から言われるくらいの余力を残して引退した選手のほうが、なんだか引き際が美しいように感じます。記録等に固執して、いつまでも引退しない選手は、どうしても周囲に一定の迷惑をかけ、老害感がでてしまうのではないかと思います。
でも、「自分はまだやれる」という気持や欲についても理解できなくはないです。どういう時に、引退するのが自分の人生にとっても、周りの人にとってもいいのかという答えは中々見つからないんだろうなと思います。
「人間、万事塞翁が馬」というように、一見良く事が運んでいても、それが一気にくずれるようなこともあるでしょうから、本当に人生というのは難しい。だからこそ面白いのかもしれません。
そんなことを考えさせてくれる良著でした。
内館さんは朝青龍が横綱の時に、横審にいた人という認識で、作家ということは知らなかったです。こんなに面白い話がかける人だったとは驚きでした。
Posted by ブクログ
定年「後」の正解を探しに手に取りましたが、リアルさを含んだ中身に、どうしても気持ちが晴れず、そんな気持ちを持て余し、星を1つ下げました。
働き盛りのいまだからこそ不安になるその「後」…。この本を手に取り、他のみなさんがどんないま、または将来を想像されているのか気になりました!
Posted by ブクログ
勝手に垣谷美雨さんの「定年オヤジ改造計画」を想像して手にした本書でしたが全然違ってた!
定年後の人生を面白おかしく笑って読めるかと思いきや、定年後のジェットコースター人生を切実に感じながら読むこととなった。
何がどん底で何が幸せかは人によって違うのだろうけど。
ただひとつ、定年してもやっぱり人生は自分との闘いなのだなぁと…
現役の頃とはまた違った自分との闘いがそこにはあるのだなぁと…
何をどう選択するか、自分の気持ちとどう折り合いをつけるのか。
そして旦那さんの定年後の生き方により人生が変わってくる妻もまた闘いなのだ。
思い出と戦っても勝てない、「勝負」とは「今」と戦うこと!と羅漢は言うけれど、そもそも戦わない人生も、あっても良いのでは…
人それぞれですね。
内館さんの他の高齢者小説も読んでみようかな。
Posted by ブクログ
思い出は強い。過去になればなるほど美化され、現実が辛くなると逃避の行先になる。今を生きる人は思い出に浸らない。「若いといいね、なんでもできる」「今のうちにやりたいことやっときな」歳を取れば責任を負い、自由がなくなる。そういうのは言い訳で、歳を取っても挑戦してやりたいことを実現する人はいる。一握りだけど存在する。多くがそういう人を目指して、なれずに自身に失望し過去にすがる。
今を楽しむ、全力で過ごす、周囲の制限などもろともせず進む。歳をとると違うのは残されてる時間とこれまで積み重ねた経験で、それ以外はなんとかなる。
そういう直視したくない事実を突きつけられる小説。人によっては現実を受け止めるきっかけになるかも。
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一気に読破
会社への未練
もっと自分は評価されるべき
老人扱いされたくはない
思いがけない会社勤め
最後には負債をかかえて夫婦仲も亀裂ができる
どうすればよかったのか
自分らしく生きるには
みじめでも精一杯いきるのか
着飾って誤魔化していきるのか
選択するのは自分です
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もっとうだつの上がらないサラリーマン時代を経て定年後に家にも居場所が無く…といった主人公を想像していたので期待とは少し違った。
現役時代の経歴も実績も華々しく、仕事一辺倒だった割に妻や娘からも空気扱いされていないという周りに恵まれたところから話はスタートするため、終わった人というタイトルは少しイメージと違うなという印象だった。
その前提で第2の人生の奮闘記と思って読めば面白い。が、定年後にこれだけのエネルギーは自分には無いだろうなぁとは思った。
Posted by ブクログ
定年が数年後に迫ってる自分には、リアルで身につまされるお話でした
主人公は一億三千万円もの資産があるのに現役にこだわったり、若い女性と関係を持ちたがったり、何でも勝ち負けで決めがちで、その結果自分で自分を「終わった人」にしちゃってる
主人公の娘が言った「かけがえのない人は友達で、男として見てる人はすぐ代わりが見つかる」ってセリフが刺さりました
残りの人生では、自分も誰かにとって“かけがえのない人”になれたらいいと思いました
Posted by ブクログ
定年後に働きたい男の心情の変化がよく表現されていた。
作中の「思い出には勝てない」という言葉が刺さりました。
私にとって定年はまだまだ先の話だが、心して迎えたいと思った。
Posted by ブクログ
「終わった人」とは、定年になり、社会に必要とされなくなる人だ。「終わった人」は誰にでも訪れる。家庭に自分の居場所がある人はいいが、仕事一筋でやってきた人にとって「終わった人」は刺激がなく地獄のように感じられる。残り人生15〜20年をどう感じるか。
「生身の男だもん、病気もあれば事故もある。一人では食べられないから、男をとっ捕まえた以上、女もかぶらなきゃいけないものはある。」
と主人公の娘が奥さんに言ったシーンは痺れた。
仕事をしない夫はどうしても家庭での立場が弱くなり、逃げ場がなくなる。フラットな立場で平等な意見を言ってくれる娘はすごい。
Posted by ブクログ
一流銀行での華々しい役職を経て、第一線から外され出向したのち、早期退職する男性の心境を「生前葬」に例え、面白おかしく軽快に語る内館牧子氏、期待を裏切らない面白さ。「恋なんて人生のついでにするもの。世の中の大抵のことが人生のついで」には言い得て妙!もう感心するしかない。食べる為に働くことは人生のついでではない。所々に添えられるタイムリーな啄木の歌が良い。肩書きが無くなり社会のお荷物となり、頭も身体も働かなくなり何かしら持病を抱え、人の世話にならざるを得ない老年期。今しておくことは何なのかを考えさせられる。
Posted by ブクログ
元銀行マンの田代壮介の退職後に、"終わった人"になりたくないと足掻き、その紆余曲折を描いた物語。
退職直後の妻との時間を楽しもうとして旅行に誘って断られるあたりは笑えた。
ジム通いの同世代に対し、上から目線で、一線を引こうとしたり、カルチャーセンターで知り合った久里にときめくも、期待どおりに進展しないと勝手に腹を立てたりするあたりは、イヤな親父の典型で、その後の再就職先で取締役社長になり、結果、倒産による負債9000万円を抱えることになっても、あまり同情できなかった。
東大出身で大手銀行に入るも、出世コースから外れ、会社で成就しきれなかった人のコンプレックスが壮介のような態度を取らせるのか。
実社会でも、このタイプの終わった人は多そうだなぁ。。