内館牧子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
相撲はスポーツとしては面白い。
観客のざわめき、一瞬の静寂、その直後に訪れる、屈強な力士同士がぶつかり合いバチンと音を立て、会場は大歓声に包まれる。
しかし、神事・国技としての性格も併せ持つゆえの複雑さ、時代錯誤感もあり、相撲というジャンルを好きになれないでいる。
本書は、相撲の、神事・国技としての性格、どのようにしてその伝統が作られてきたか、相撲が異世界的なものとして形作られ、守られてきたか?という点にフォーカスし、その閉鎖性を守るべきものとして説く。
本書でも述べられているが、相撲の伝統性、神事性は後付けされたものも多い。日本人の「古き良き日本、その伝統と考えるもの、神事的なもの」が集まり、かたちとなったのが、「大相撲」であり、独特のジャンルを形成し、独特の伝統を作ってきたのだな、と読んだ。
とすると、よく大相撲で語られる「伝統の保持」的な理論は「大相撲というジャンル、その独特の村社会の保持」でしかないようにも思えてくる。
筆者の言うように、「大相撲」は男女平等、差別云々がなじむ分野ではない。しかし、日本の伝統、神事そのものでもないと、本書を読んでそのように感じた。国技、というのも自分たちで言い出したことらしい。日本の伝統っぽいもの、神事っぽいものとしてあり続けるために、独特なルールを守りながら、様々の干渉を排除しながら成立している、というところか。
まとめると、「大相撲」ムラは独立した奇妙奇天烈な社会で、やはり好きになれないな、と改めて感じたという所です。 -
Posted by ブクログ
昔のドラマのノベライズです。
いわゆる、不倫の話で、賛否はあると思いますが、当時は夢中でドラマを見ていました。
ドラマでは、不倫をする娘の母役で、加賀まりこさんが出演されていて、中原中也さんの「春日狂想」の詩を引用するシーンがあり、心に残りました。
ただ、ノベライズには、いろんな事情があるのか、登場せず、残念でした。
その詩を、引用させてください。
愛するものが死んだ時には、
自殺しなけあなりません。
愛するものが死んだ時には、
それより他に、方法がない。
けれどもそれでも、業(ごふ)(?)が深くて、
なほもながらふことともなつたら、
奉仕の気持に、なることなんです。
奉仕の気持に、なることなんです。
愛するものは、死んだのですから、
たしかにそれは、死んだのですから、
もはやどうにも、ならぬのですから、
そのもののために、そのもののために、
奉仕の気持に、ならなけあならない。
奉仕の気持に、ならなけあならない。
全部、言われた訳ではないのですが、当時、こんな詩があるんだ、って心に残って、時々、思い出します。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ34才の蜜は、6才の娘と研究者の夫と暮らしながらも、若さを保つことに執着していたが、ある日、パート先でオバサン扱いされたことで、益々エイジハラスメントに対する反応が過剰になっていく。
そんなときに夫が21才の女性と浮気をし、どう対処するか、足掻きながら自問自答し、最後には大学に入り直して、夫がいなくても自立できるようにと考えるまでに成長(?)する様子を描いたストーリー。
夫の妹が21才で、その若さを目の当たりにして、義妹と年齢やルックスのことでお互いにチクチク言い合うとか、見た目の若さを保つためにぎっくり腰になるほど運動するとか、設定はイタ過ぎるが、蜜の気持ちも理解できる自分もいる。
2008年に書かれたあとがきで、著者も日本の女性が「オバサン」という言葉に過剰に反応すること、10年後には続編が書けない世の中になっているかと書かれているが、残念ながら2023年の今も男女ともに意識は変わってない人が多いように思う。セクハラ、マタハラなど、○○ハラに対する規則もでき、女性活躍も叫ばれる昨今、さすがに公には言わない人が増えたが、本音の部分ではかなり怪しいだろう。
そんなことを気にせず、周りの誰かにも気にさせず生きるには、好きなこと、自分が打ち込める何かを見つけることが大事なんだと思う。私自身、まだ見つけられていないけど。。 -
Posted by ブクログ
なんと、「源氏物語」の中にタイムスリップしてしまうという語。
時代へではなく、物語の中へ。
しかも、59社を受けても採用されないという男、伊藤雷。
全く「源氏物語」なんて興味もない奴がなぜ?
雷には水という、それは優秀な弟がいる。
タイムスリップした際に、光源氏を弟に持つ一宮に自分に重ねたりする。
そして、その一宮の母、弘徽殿女御がこの話の軸となる。
この時代にこんな女性が?!と驚くような強い女性。
雷は徐々に「源氏物語」の世界で生きてくことに喜び感じるようになる。
「源氏物語」を知らなくても楽しめる。
もっと早くにこの小説があれば、もっと勉強したかもしれない…
2022.8.6