内館牧子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔のドラマのノベライズです。
いわゆる、不倫の話で、賛否はあると思いますが、当時は夢中でドラマを見ていました。
ドラマでは、不倫をする娘の母役で、加賀まりこさんが出演されていて、中原中也さんの「春日狂想」の詩を引用するシーンがあり、心に残りました。
ただ、ノベライズには、いろんな事情があるのか、登場せず、残念でした。
その詩を、引用させてください。
愛するものが死んだ時には、
自殺しなけあなりません。
愛するものが死んだ時には、
それより他に、方法がない。
けれどもそれでも、業(ごふ)(?)が深くて、
なほもながらふことともなつたら、
奉仕の気持に、なることなんです。
奉仕の気持に、なることなんです。
愛するものは、死んだのですから、
たしかにそれは、死んだのですから、
もはやどうにも、ならぬのですから、
そのもののために、そのもののために、
奉仕の気持に、ならなけあならない。
奉仕の気持に、ならなけあならない。
全部、言われた訳ではないのですが、当時、こんな詩があるんだ、って心に残って、時々、思い出します。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ34才の蜜は、6才の娘と研究者の夫と暮らしながらも、若さを保つことに執着していたが、ある日、パート先でオバサン扱いされたことで、益々エイジハラスメントに対する反応が過剰になっていく。
そんなときに夫が21才の女性と浮気をし、どう対処するか、足掻きながら自問自答し、最後には大学に入り直して、夫がいなくても自立できるようにと考えるまでに成長(?)する様子を描いたストーリー。
夫の妹が21才で、その若さを目の当たりにして、義妹と年齢やルックスのことでお互いにチクチク言い合うとか、見た目の若さを保つためにぎっくり腰になるほど運動するとか、設定はイタ過ぎるが、蜜の気持ちも理解できる自分もいる。
2008年に書かれたあとがきで、著者も日本の女性が「オバサン」という言葉に過剰に反応すること、10年後には続編が書けない世の中になっているかと書かれているが、残念ながら2023年の今も男女ともに意識は変わってない人が多いように思う。セクハラ、マタハラなど、○○ハラに対する規則もでき、女性活躍も叫ばれる昨今、さすがに公には言わない人が増えたが、本音の部分ではかなり怪しいだろう。
そんなことを気にせず、周りの誰かにも気にさせず生きるには、好きなこと、自分が打ち込める何かを見つけることが大事なんだと思う。私自身、まだ見つけられていないけど。。 -
Posted by ブクログ
なんと、「源氏物語」の中にタイムスリップしてしまうという語。
時代へではなく、物語の中へ。
しかも、59社を受けても採用されないという男、伊藤雷。
全く「源氏物語」なんて興味もない奴がなぜ?
雷には水という、それは優秀な弟がいる。
タイムスリップした際に、光源氏を弟に持つ一宮に自分に重ねたりする。
そして、その一宮の母、弘徽殿女御がこの話の軸となる。
この時代にこんな女性が?!と驚くような強い女性。
雷は徐々に「源氏物語」の世界で生きてくことに喜び感じるようになる。
「源氏物語」を知らなくても楽しめる。
もっと早くにこの小説があれば、もっと勉強したかもしれない…
2022.8.6 -
Posted by ブクログ
ネタバレ脚本家であり、小説家でもある内館牧子さんのエッセイ。
新卒後、三菱重工のOLをしていたそうで、OLから脚本家に転身するまでの約10年間が綴られている。
大企業のOLなんて羨ましいとい思っていたが、内館さんの時代はそうでもなかったらしい。
現代では考えられないくらいの酷い男女差別。
特に女性事務職員というのは、会社の戦力としては全然期待されていないため、25歳を過ぎても結婚せずに会社に残っていたら、「まだいたの?」、「まだ結婚しないの?」とあからさまな嫌味を言われたそう。
それでも内館さんは、自分が理想とする男性と出会うまでは結婚しないと決めて、キャリアアップを模索する。
はじめは転職を考えるが、やはり三菱重工の待遇を考えると、なかなか転職できない(そりゃそうだ)。
それで、趣味の一環としてスタートさせた脚本家養成スクールに通い始めたのをきっかけに脚本家に転身されたのだそうな。
その後の活躍を見れば、もともと才能があったのだと思う。
その才能がスクールによって磨かれて、運が味方をして、ここまでの結果を出すことが出来た。
大手企業とはいえ、普通のOLがここまで成功をおさめることができたのは、夢があってとても良い話だと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画があまりにもおもしろくなくて、ビックリして原作を調べたら内館牧子さん。原作はおもしろいはずでは…?と思い逆に気になって読みはじめました。
ストーリーの流れは大きく変わってはおらず、主人公の雷が優秀な弟水にコンプレックスをいだいていて、その弟の大学合格祝いの日に雷に打たれ源氏物語の世界に迷い込んでしまう…というもの。
源氏物語の時代の人はあまりお風呂に入れないから臭いとか、そう言われればそうだよなぁってことも書かれていたり、源氏物語の世界を主役ではない弘徽殿の女御側から描いている。映画には須磨の辺りからは書かれていないけど、そこも結構重要なシーンだと思う。
最後の急にバタバタ話が展開した感は小説でも少し感じたけど、映画の比にはならないほど小説の方が面白かったです。 -
Posted by ブクログ
サラッと読めるエンタメ小説。
源氏物語にほとんど登場しない弘徽殿の女御に焦点を当てて物語が進んでいく。
優秀な弟にコンプレックスを持ち、人生に落ちこぼれてしまったと悩むフリーターの主人公の雷。ある日突然源氏物語の世代にタイムスリップし、毒舌で気の強い女上司女御の元で陰陽師として働くことになる。
帝の寵愛を受けることよりも、息子の安全や帝としての身分安定を願う女御の姿は、現代に生きる女性の姿に通じる。(もっとも、ここまで気が強く行動にも移せる人も珍しいが)
主人公の雷や女御の息子である一宮(朱雀帝)の身近な兄弟と比較し自身の能力のなさに嘆く気持ちも、兄弟がいる身としては何となく分かるものもあった。