内館牧子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレAudibleにて。
この本では、75歳を迎えた主人公が、同年代で流行となっている「終活」に異を唱えるところからスタートしている。死を想定することは、言霊が宿って不吉、云々。それが、母の死を通して、考え方を変え、自分なりの解釈で終活を定義し、遂行する。それは、「他人のための終活ではなく、自分のための終活」。すなわち、死後に残される人たちの事務手続きを楽にするための活動ではなく、自分がやり残したことを精算する活動と位置付けた。個人的にこの考え方はとてもしっくりきた。
後書きで、70代はアマチュア老人、のようなことが語られていたが、40代の今までの自分の感覚では正直区別できていなかった。中高生のと -
Posted by ブクログ
面白かった。自分が40代であと20年後どうなってるかな。と思うととても自分事として読めて面白かった。
主人公がこっちが向いてる、これがやりたかった、結局老人はこうした方が良いのだ、色々と右往左往するのもリアルで良かった。
ベンチャーの社長を義理と人情と責任感で引き受けて、結果数千万円の負債を負担する事になったのはやるせない。まぁ貯金があって借金までいかなかったのだから不幸中の幸いではあるが。
しかし同じベンチャーで役員やってた若い奴らはさして責任感も感じず、普通に違う職場で再チャレンジ!みたいに働いてるのも酷いよなぁ。社長押し付けたくせに。
思い出と闘うなは良い言葉
心がけた方が良いのは -
Posted by ブクログ
ネタバレ内館牧子さん好きで、これまでの老人シリーズも面白かったので読みました。本作もとても面白かったです!
主人公は、会社経営を引退して「会長」となった老人と、その娘。会社は娘婿が継ぎ、その息子も成績優秀で将来が期待できる。娘は独立して医療機関で働いていて、コロナ対応で忙しく、ほとんど帰ってこない。
最近、コロナ禍を題材にした小説がけっこう出てきましたね。この小説でもコロナ禍でままならない老人たちが描かれている。
主人公の「会長」、福太郎は、一度は引退したものの、妻に先立たれ、することがなくなったので再び会社に出るようになり、自慢話や社員へのお説教を繰り返し、老害だと言われている。ついに、出しゃばり