ルソーのレビュー一覧
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自然状態から社会状態へ移行し、利己心を持ってしまった人間たち。そこから、社会の成員全員の自由と正義が守られる理想政体を作ることは可能なのか? 前著の『人間不平等起源論』を受けて、この『社会契約論』ではその可能性が探られる。前著に引き続く壮大な思考実験だが、国家の規模や風土に応じて望ましい政体の幅を持つなど、現実を見据えた議論でもある。
さて、ここで理想政体を作るための鍵概念となるのが、「全員の、全権譲渡による社会契約」であり、「一般意志」(一個の精神的存在としての政体の意志)に基づいた徹底的な人民主権だ。高校の公民レベルの知識しかない僕には、これまでこの「一般意志」がひどく全体主義的なものに -
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ほぼ3年?越しになった『エミール』下巻(第5編+付録「マルゼルブ」への手紙)。
上巻は、エミールの主題であり、最も有名な部分である自然教育について。幼児期から少年期のエミールへの接し方が事細かに示されていた。
理想状態でしかないとは思いますが、結構感動したような。
中は、社交界の風俗(特に男女間の乱れ)への批判ばかりで、
正直、面白くなかった記憶があります。
中の最後はパリを出て嫁捜しに旅立つところで終っていたはずですが、
下巻は、実際に嫁(ソフィーね。)を見つけに行くには、どのように旅すべきかという心得から始まり、
「理想の女性像」であるソフィーが、どのような家で、いかな性格に育て上げ -
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やっと読めました。1755年!?本当に革命以前で貴族がいた時代とは思えない思想。神様です。現代に甦ってほしい本当に。今なお古さを感じない思想です。本当に素晴らしい。
関係無いですが翻訳本に星をつけるのはとても難しいです。特にこういう既に翻訳されている本の再訳。私はフランス語はできないのでもちろんこの本を原文で読むことはできないからルソーの書いた文章そのものを評価することはできないし、翻訳されると翻訳家の技術を通してこの本を読むことになるので果たしてこの評価はルソー自身についてなのか翻訳家を通じてなのか自分でも分からなくなります。少なくともこの翻訳では真っ直ぐにルソーの文章を受け取った感じはしな -
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前の日に「いい子で心配」症候群について書きました。
このことを書いてあと,思い出したことがあります。
ルソーの「エミール」です。うろ覚えの中で書いています。間違いは指摘してください。
「エミール」はだいぶ昔に読んだか,中途で放り出してしまったかです。ぼくの勝手な解釈もだいぶ入ります。
ルソーはフランスの啓蒙思想家。教育についても書いています。私生活の評判はよくないのですが。
彼は「自然に帰れ!」と唱えました。
そして,空想の中でエミールを育てます。エミールは子どもの名前です。
この中のテーマは,自然のままに育てればそのままいい子,いい人間になる,とうものです。悪い子 -
Posted by ブクログ
しばしば危険思想と目される人物による書籍だけあって、晩年の作品にも関わらずきわめて強烈かつ異様、芳醇な毒気を放っている。この作品は読む劇薬だと思う。僕も例にもれず、短い作品ながら頭がクラクラする思いだった。
この毒気は一読に値する。曖昧かつ内省的な文章が延々と並んでいるように見えるが、よく読めばすごい妖気だ。後のカントやトルストイが生涯かけて愛読したように、これはハマる人には途轍もなくハマる内容だ。
しかし一人の人間が必死に生きようとした、その軌跡の末尾として作品を見るならば、この著者にも共感を多く見出せるだろう。
小説にも哲学書にもカテゴライズしがたいが、その作品は紛れもなく文学だった。