感情タグBEST3
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晩年のルソーが、
故国フランスを追われ、社会から断絶された状況下で、
過去の華々しい栄光と栄華を忘却の彼方に見ながらも、
今を生きることの幸せと儚さを、独り言のように綴った日記のような書。
人間不平等起源論や社会契約論を著して
フランス革命思想に貢献したルソーが
これほどに理不尽と思える仕打ちを受けるのか
と思いたくなる。
最後には革命軍によって、
亡骸はフランス故国へうつされたようである。
ルソーという人間がまたひとつ深く知れる書。
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ルソーは、理性の時代を生きる人間としては、優しすぎた。直感的で、情け深い(そして妄想癖のある)ルソー。そんな「人間」ルソーの魅力を、本書が余すところなく伝えている。
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ここにいるのは人間ルソー。歴史上の偉大な人物ではなく、いや、でもありつつ等身大のルソーがいる。勘違いかもしれないけど、ここに書かれている感情、情動の多くは私でも体験したことがある。素晴らしい著作だなぁ。
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初めてのルソーでした。
彼の哲学は個人的には少し共感もありました。
自分の置かれている身にとっては、良い本に出会えました。
ルソーという人物が知りたい方、初心者にはこの本が良いかもしれません。
彼は繊細な方だという印象を受けました。
訳が非常に分かりやすく、また読みやすかったです。
光文社も初めてでしたが、これから躊躇なく手に取ろうとも思いました。
なんか、ルソー可愛かったです。
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徳を積むという行為は、特別なことをしなくても、日常の生活の中にあることがわかった。
『方丈記』鴨さんと同じ行為で精神を落ち着かせるのに驚いた。時代も国も違うのに、同じものにたどり着いている。人間の本能なのだろうか。
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ルソー初読。エセーを読んだ時も思ったが、教科書で学んだ哲学者たちの著作を大人になって実際に手にしてみると、想像以上の人間臭さに驚く(学生時代に背伸びして読んだカントからは全く感じなかったが…)。思想を吟味するというよりは、親近感をもって軽く読んでしまった。また読み返したい。
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迫害という真実とそうではない被害妄想に囚われたルソーが世間を忌み苦しみながらもどう生きていくか、という本。
夢想をし、植物研究に熱中し、己を肯定する為に自己弁護と理論武装をして未来の読者に向けて(ルソーはあくまでも余生のためと書いているが)託したかったのだろう、正直なところ救ってほしかったのかもしれない。
個人的に人間臭いルソーが苦手で、でもこの丁寧な解説があるのに、苦手なんて言えないよねと思った。
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フランスでは、青少年が一度は手にとって読む本だという。
社会科でも習った宗教改革の箇所で必ず出てくるルソー。
人生の晩年は、教会からも、学会からも弾圧、無視され寂しい人生だったようだ。
それらからの疎外感に憤りを感じて憤死してしまうような日々を送っていたが、怒りも一巡すると静かに自分自身を見つめる時間に変わる。
そんな自分自身を見つめる10章。
遺作となる。
冒頭から読み始めないで、訳者後書きや、80ページにわたる解説から読むと、どうして冒頭から怒りに満ちた作者の心情が読み取れる。
Posted by ブクログ
ルソーたん!!!!私がいる!私がいるよーっ( ;∀;)!!!!と呼びかけてしまいたくなるほど冒頭から悲壮感漂う。栄光から一転、迫害を受けたルソーが自分の殻に閉じこもって書いた夢想の束。でも読み進めるにつれ、被害妄想の羅列と化していき、「わかった、わかった」と聞き流してしまいそうに(笑)けれど、ところどころにはっとさせられる言葉が散らばっており、「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」というニーチェの言葉を思い出した。時代が彼に追いつくまでは、まだ少し時間が必要だった。次は『エミール』読もう。