ルソーのレビュー一覧

  • エミール 上

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    ルソーの不朽の教育論。
    当時の社会にあって、子供をより人為的な影響から避け、子供に自ずから備わる自主性だけに頼って、子供が理解しうる概念を用いて教育するにはどうすべきかを論じたもの。

    社会の環境は短期間で変わり、親の価値観は子供にとって正しいものとは限らない。ルソーが、人為を教育から出来るだけ排そうとする理由の一つとしてとして挙げるこの状況は、今日にもよく当てはまる。
    また、子供が概念を理解することなく記憶だけを増やして行くことの無為さは、われわれもよく知るところである。

    ただし、彼もいうように、ここで書かれているような教育、およそ今日までたくさんの人々が理想と感じ、それによって古典となったこの教育論を、現実に行うことは難しい。

    だからこそ、ここに書かれている教育の至上の理想を尊重しながら現実の教育を行うのがよろしい。いわばこの本は、全ての人に向けて書かれた、教育の羅針盤といえよう。

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    2012年05月16日
  • 人間不平等起源論

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    ルソーの意識は、マルクスと同様、今ここの社会の悲惨な現状がいかにして興ったのかを知ることにある。
    そのために、社会への成り立ちを、自然状態から説明する。

    ルソーは、現代が自己の外=他律的にしか自己の価値が定まらないという、吉本隆明が言うところの〈関係の絶対性〉を問題視するために、
    社会状態に移行する前の自然状態では、
    誰ともかかわりをもたない「孤独な生活者」として人間を描く。

    人に備わっているものは、次の3つ。
    自己改善能力、自由意志、憐みの情。
    だが、社会性のある生活ではないので、最後の項はほぼ潜伏している状態でしかない。

    そこから社会への移行は、天変地異が起らなければありえない、という事態になる。
    人類学的な知が進歩しはじめた18世紀ならではの、記述は面白いが、
    やはりそれでもロマンチックといわねばならない。
    ただ、こういった物事の想定は、寸部たがわず事実である必要はないので、
    こういったやり方しかできないことも確認しておくべきである。

    人とかかわりだした社会状態こそ、戦争や悪徳などの悲惨さを生んだ原因であると、ルソーは設定する。
    裏を返していうと、彼は人間の源型自身を救おうとしているのだ。

    さて、この論文は、主な目的は自然状態を描くことにあったから、
    〈社会契約〉の具体的記述は『社会契約論』を待たねばならないし、
    また関係の絶対性に関しての処方箋も出されていない。

    ただ分かるのは、自然状態に戻ればいいというのではないということ、
    大きな現代の悲惨さの隅に、一部、哲学や理性が残っていると言っていることから、
    この哲学や理性が如何にして、他律中心の社会から自律をちょうどいい場所まで回復させるのか、といったことが私たちに投げ返されているということだ。

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    2012年02月14日
  • エミール 下

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    生涯に一度は読んでおきたい・・・と、読後にこそ思った。
    三巻は教育論というより、人生論のような。
    部分的には楽しめて、部分的にはくどく感じた。
    それでも、ツン読の多いことも理解できる。

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    2015年09月20日
  • エミール 中

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    思春期のエミール。避けられない情念をどのように教育するか。
    ソフィーという架空の伴侶を未来に想定する。
    そうすることで、道草を食ったり、誘惑を受けたりすることが無い。
    それにしても、文庫本は字も小さいし、話の区切りが無いから辛い。

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    2015年09月20日
  • エミール 上

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    書物に対する評価とかを超えている、200年間読み継がれてきた本。
    読みづらいですが、読み終えると、自分の子供対する教育姿勢に変化が見られます。底流する教育の本質のようなものがあるのでしょうね。

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    2015年09月20日
  • 社会契約論/ジュネーヴ草稿

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    書かれていることは比較的抽象的な国家論であって、当時の情勢を直接記している訳でない。それでも、読んでるだけで当時の市民社会の熱気が伝わってくる。市民階級が力を蓄えて、封建体制が揺らいでいた時代、市民の積極的な社会参画への希望、といったものがよくわかる。「ベルばら」で描かれていたのはこういうことだったのか。きっと、ここでルソーがもっとも重要視している一般意思というのも、そういった市民の主体的な意思を思いっきり取り込んだものなんだろう。

    ただ、国家や社会制度の行く末を決める一般意思が、どのようにしたらうまく成立し機能するのか、そこのところは疑問が残る。国家としての一つの意思として国益を優先できる意思が、個人意思からどう生まれるのか。個人意思は個々人の意思を優先しがちであるし、それの単純合計は一般意思ではないことはルソー自身も述べている。だから、一般意思が成立するような体制や仕組みが必要になると思うのだけど、それは簡単にはいかないと思うし、今でも実現していない。2世紀以上もつづく大事な課題ということなんだろう。

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    2010年07月09日
  • エミール 上

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    4年前、右も左も上も下もわからないで入学した教員養成系大学での初めての講義で、初めて読まされた本。当時は「消極教育」「不徳と誤謬から守るための教育云々」くらいしか理解できなかったが、卒業してしばらくして読み返してみると「お~」「なるほど~」と自分の成長が実感できた。…ような。…気がする。

    更に4年後に読んでみたら、また違った観点、尺度で読めるんじゃないかと思う。上巻だけでかなりのウエイトがあるので、元気があれば中も下もいきたい。
    自分に子どもができたらまた読めるかなとも。いつのことやら。

    我が家の掘り出し物。掘り出し物なので今更レビュー。

    とにかく教育原理のマスターピースってことで。(2010/06/09)

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    2010年06月09日
  • エミール 上

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    『エミール(上)』(ジャン・ジャック・ルソー、1962年、岩波文庫)

    原典のタイトルは"Emile ou de l'éducation"すなわち『エミールまたは教育について』である。理想主義者ルソーの思い描く教育論。

    教育論の読み物としては良いのだが、書かれていることをそのまま現代の教育に適用することはできないであろう。

    長いのが致命的な気がしますね。4ヶ月かかってやっと上を読み終えました。

    (2009年11月8日)

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    2009年11月08日
  • エミール 下

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    良き教育のあり方っていうのは時代によって違うってのはわかってるんだけれども、結局は嫉妬なのでしょうか。

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    2009年10月04日
  • エミール 中

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    素朴とか、そういう話ではなくて、東京とかいう街で、且つ自分の父親が教育者として育てられていた中で、こんなもん読んでも何の為にもならないし、自分の父に失望した。

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    2009年10月04日
  • エミール 下

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    自然と社会との対立や、自然の優位についてルソーがその処女論文「学問芸術論」以来一貫して主張してきた考えを教育論において全面的に展開した著作。エミールなる人間の教育方法とともに、その妻たるべき少女ソフィーの教育をも加えて、小説形式で述べた教育思想史上不朽の古典。巻末にルソーがスケッチ風に自画像を描いた「マルゼルブへの手紙」を収録。

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    2009年10月07日
  • エミール 中

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    人間は立派な者として生まれるが社会が彼を堕落させる、という根本命題に立って理想的な自然教育の原理を述べたこの書物に、ルソーは自らの哲学・宗教・教育・道徳・社会観の一切を盛りこんだ。本巻は、その哲学篇で、ルソーの感情主義哲学を率直に吐露したものとして殊のほか有名な「サヴォワ助任司祭の信仰告白」を含む第四篇を収める。

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    2009年10月07日
  • エミール 上

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    上中下巻
    素朴な思想です。
    山盛りの疑問点とともに読み進めた後が随所にあります。

    でもこの「エミール」があって初めてフランス革命時に「教育は人が学校を卒業するその瞬間に、彼らを見捨ててしまってはならないと言うこと。教育は全ての年齢にわたって行われるべきであると言うこと」といわれるようになったのです。今でいう「生涯学習理論」の源流が生まれた端緒の作品。

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    2009年10月04日
  • エミール 上

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    心理学というか、教育関係の勉強をしている人達向けの本ですが。当初は学校の授業で使うので買った本だったんですが、読んでみると面白いです。
    昔に書かれた本なのに現代にも投影できるところが多々あります。

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    2009年10月04日