あらすじ
家庭教師は凡人を自然という師に従っていかに導くのか―。教育思想史上不朽の古典。全3冊の第2冊。
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Posted by ブクログ
本から
・人間を本質的に善良にするのは、多くの欲望を持たないこと、
そして、自分をあまり他人にくらべてみないことだ。
人間を本質的に邪悪にするのは、多くの欲望をもつこと、
そしてやたらに人々の意見を気にすることだ。
・人間を社会的にするのは彼の弱さだ。私達の心に人間愛を
感じさせるのは私達に共通のみじめさなのだ。(略)
こうして私たちの弱さそのものから私達のはかない幸福が
生まれてくる。本当に幸福な存在は孤独な存在だ。
神だけが絶対的な幸福を楽しんでいる。
・教師よ。言葉を少な目にするがよい。しかし、場所、時、人物を
選ぶことを学ぶがいい。そしてあなたの教訓を全て実例に
よって与えるのだ。そうすれば効果は確実だと思ってよい。
・「あれ程言っておいたのに・・・・」 この言葉以上に能のない
言葉を私は知らない。
・私は、人間精神の無力が人々の考えのあの驚くべき多様性の
第一の原因であること、そして、傲慢が第二の原因である
ことを理解した。
・よき若者よ、真面目であれ、真実であれ。しかし、傲慢な心を
もつな。無知でいられるようになるがいい。そうすればあなたは、
あなた自身も他の人もだますようなことはしまい。
・学者というものは一般人の考え方を軽蔑する。それぞれ独自の
考えをもとうとする。盲信的な信心は狂信に導くが、傲慢な
哲学は反宗教に導く。こういう極端を避けることだ。
心理への道、あるいはあなたの心を素直にして考える時、
そう思われる道に、いつも踏みとどまるがいい。虚栄心や
弱さのためにそこから遠ざかるようなことがあってはなるまい。
哲学者たちのところでは大胆に神を認め、不寛容な人々に
向かっては大胆に人間愛を説くのだ。(略)
本当のことを言い、よいことをするのだ。人間にとって大切な
ことはこの地上における義務を果たすことことだ。そして、
わが子よ、個々の利害は私達をだます。正しい人の希望を
だけがだますようなことをしない。
・排他的な楽しみは楽しみを殺す。本当の楽しみは民衆と
分け合う楽しみだ。自分一人で楽しみたいと思うことは、
楽しみでなくなる。
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ルソーのエミールの第四編を収録する中巻。
上巻では十五歳までの少年を取り扱っていたが、この巻ではその先二十歳すぎぐらいまでの、思春期の青年に対する教育が考えられる。そこでは恋愛、宗教、道徳が問題となる。
自然教育、自然宗教などと、とみに自然がテーマになるルソーだが、その自然の教え、導き、良心などというものとはなんなのかということも明らかになってくる。その地点からの近代社会批判は感動的ですらある。
子供をのびのび育て、強い子に育てるというような、やや牧歌的ですらある上巻までの視界からは打って変わって、社会と人間という関係を教育という地平から広く見渡した第四編(中巻)はルソーの珠玉の哲学論とも言うべき一編である。
Posted by ブクログ
思春期のエミール。避けられない情念をどのように教育するか。
ソフィーという架空の伴侶を未来に想定する。
そうすることで、道草を食ったり、誘惑を受けたりすることが無い。
それにしても、文庫本は字も小さいし、話の区切りが無いから辛い。
Posted by ブクログ
素朴とか、そういう話ではなくて、東京とかいう街で、且つ自分の父親が教育者として育てられていた中で、こんなもん読んでも何の為にもならないし、自分の父に失望した。