石川英輔のレビュー一覧
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購入済み
これは名作ですよ。
テレビ化されていた方を先に視聴して引きこまれておりました。
元の小説は どんなのかなという好奇心もあって購読したのですが、テレビ番組の方は作品内容を改造してあって、やはり小説の方が ずっと面白かったです。
実は、紙媒体の書籍一式は既に購入して読み終えてしまっておりましたが、再度、読み直すのにはパソコンでの大きな活字で読めればいいなと思っておりましたので、本当に有り難い時代になったものだと思います。 -
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無い物ねだりで《言葉や名前》ができる
当たり前に存在している環境に名前は付かない
例えばリサイクルやプライベートやチャリティーや
弁護士や保護司や社会福祉や義務教育や地方分権などは
民間ボランティアにゆだねていたので
分け合うことを常とする人間関係に必要のない言葉だった
江戸時代の庶民は程よい村を構成して自律した自主性による
補い合う相互扶助の自治があったから
ボランティアに相当する言葉など必要もなかったが
日々の暮らしでお金で買えない補い合う意識を大事にしていた
紐付きの膨大な官僚組織も社会経費もなしに
それ以上の偏りの少ない再分配や福祉活動ができる
対等に人々が寄り集まった社会における -
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「化石燃料大量使用のヨーロッパ文明・自然征服型文明」から、「太陽エネルギーだけで生きる生活・完全な循環型社会」への方向転換を江戸時代の例証をもとに訴える。
●化石燃料に大きく依存した現在の便利な生活は間違っている。
人力は食料をエネルギーとしているが、江戸時代においてそれは太陽エネルギーと同義。江戸・大坂といった都市でも飲み水として使われた川の水。重要な肥料として回収される人糞。・・・かつての日本は持続可能な完全循環型社会の先進国だった。・・・
江戸時代において、人件費は太陽エネルギーという資本(が元となる食料)なので安い。太陽エネルギー以外に投入できるものがないから、人は骨惜しみせず働 -
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原発停止で電気が使えなくなることに対して、
漠然とした不安を抱いている人が多い今日この頃。
『2050年は江戸時代』はその名のとおり近未来SF小説だが、
原発停止ではなく石油エネルギーが枯渇したときの話。
当然、日本では現在のような
ガソリンや電気をふんだんに使う生活が完全に崩壊し、
交通はマヒし失業者や餓死者が大発生して大混乱になる。
しかし最後には、自然エネルギーだけに頼る
人間らしい生活を取り戻すのである。
もちろん小説なので
ファンタジーだと言ってしまえばそれまでだが、
たとえ電気がほとんど使えなくなっても、
これまでに蓄積された科学知識を駆使すれば、
本当の江戸時代(昭和30年代 -
Posted by ブクログ
読んでみるとなかなか面白い日記です。
泉光院は、野田成亮といい宮崎の佐土原の高僧でした。
この日記は彼の旅を克明に記したもので、江戸時代の庶民の生活を詳しく知ることができます。当時、庶民の交通手段と言えば歩くことしかなく、日が昇る前から歩き始め一日40kmも移動することもあったそうです。日記によると、別れの見送りに何里も付いて来たという記述もあります。高僧が来たということで、一筆書いてもらおうとその周辺の人達が押しかけたり、地元の知識人と問答をしたりと面白いエピソードが紹介されています。
歴史の授業では、江戸時代の庶民の生活に触れることはあまり無いのですが、この本を読むと日本の歴史の中では一番 -
Posted by ブクログ
この本があることを知ったのは、「NHK知る楽」のテキストに掲載されていた広告を見てのことであったと、思う。
「江戸時代はリサイクル社会であった」と、キーコピーがあったようにおもうが、記憶が定かではない。最近、講談社文庫で読んだ。
太陽の恵みがエネルギーのすべて、それが植物に働き、≪数年で再生可能な循環型システムのなかで展開する時代と社会≫と、江戸時代を説明する。
数億年という気のとおくなる時間の蓄積のうえに確保された鉱物を、わずか百年余で消費する仕組みは不可逆性と既定する。
そのうえで、目先の短期的合理性とされる多くは、長期的不合理性と、再検討をせまる。
『原子力文化』という