あらすじ
文化文政の6年間にわたり、日本全国を歩き回った僧・泉光院の見聞記には、江戸時代の庶民のくらしがこと細かに記されていた……。あなたのまちの昔の様子がよくわかり、歴史の通説にはなかった豊かな生活も明らかにされてゆく。「大江戸事情シリーズ」で人気の著者と、新しいアプローチで「江戸に学ぶ」一冊。<支給『泉光院江戸旅日記』改題作品>
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Posted by ブクログ
読んでみるとなかなか面白い日記です。
泉光院は、野田成亮といい宮崎の佐土原の高僧でした。
この日記は彼の旅を克明に記したもので、江戸時代の庶民の生活を詳しく知ることができます。当時、庶民の交通手段と言えば歩くことしかなく、日が昇る前から歩き始め一日40kmも移動することもあったそうです。日記によると、別れの見送りに何里も付いて来たという記述もあります。高僧が来たということで、一筆書いてもらおうとその周辺の人達が押しかけたり、地元の知識人と問答をしたりと面白いエピソードが紹介されています。
歴史の授業では、江戸時代の庶民の生活に触れることはあまり無いのですが、この本を読むと日本の歴史の中では一番良い時代だったのではないかと思えます。
私も数年前に佐土原を訪問し、町の歴史資料館で泉光院さんの絵と対面しましたが、この日記から想像するよりも立派な人であったようです。