新渡戸稲造のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2021/09/09
道徳が価値をなさなくなった、などと耳にすることがある。果たしてそうだろうか、と考え直す契機となる一冊だ。
新渡戸稲造が生きた時代は、現代同様に大きな荒波に揉まれるような状況にあった。そんな中で彼は「武士道」について、多様な西洋思想と比較しながら検討した。
訳版ということもあり、内容も噛み砕かれてあって理解し易い作りだった。そもそもの構造がロジカルで、違和感を感じない。
この一冊を読み、「自身が何に価値を置くか、考え続ける」ことが重要だと思った。脈々と流れる大和魂は現代においては、ただの役立たずかもしれない。だが、その中から学ぶべきことがあるのも事実だろう。 -
Posted by ブクログ
余談ではあるが、最近1860年前後に興味がある。
小松帯刀に興味を持ち始めたのがその発端である。
これについて書き始めると本書の感想から外れてしまうのでやめておくが、その中で文久2年(1862年)あたりに特に興味を持ち始めていたところで、新戸部がまさにその年に生まれたのだというところでさらに興味を増した。歴史というのはこの連鎖がたまらない。
閑話休題。
現代語訳者の山本氏が言うように、明治人である新渡戸の思想には確かに現代に馴染まない部分もあるのかもしれない。
ただ、自分としてはほぼほぼ共感以外の何物もなかったと言えるぐらい、すんなりと入ってきた。
歴史をどの時点で輪切りにしたとしても、 -
Posted by ブクログ
以前現代語訳版で読んだが、今回はなかなかに理解するのが困難であった。言葉自体が難しい為、辞書と共に読み終えた。
しかし、こちらの方が現代語訳版よりもより著者の考えを感ずる事が出来るような気がした。
日本人の道徳感はどのように醸成されてきたのか。宗教教育のない日本で道徳はどう教育されるのか。
日本には武士道精神があり日本人には遺伝的にその道徳観念があると書かれている。
内容はよく理解出来たし、少なからずその思想は自分にもあるかと思うところもある。ただし、意識してそのような考え方行動をしているかと言うと難しい。
本書の全てを肯定するわけでもないが、日本人として外国に対し劣等感を持つ必要は -
Posted by ブクログ
ネタバレ名著。
「日本の学校で宗教教育がない。それでは道徳教育はどうやって授けるのですか」。この質問に答えるべく書かれたのが本書だ。新渡戸稲造は、自分の正邪善悪の観念を形作る様々な要素を分析し、それらの観念は「武士道」に基づくものだと気がついた。
武士道には源泉がある。
・仏教
・神道
・儒学
いわゆる宗教であるとか、孟子・孔子の教えに連なる部分がおおいことが説明される。
そして、武士道を分解していくと、以下の項目に分けられる。
・義
・勇気
・仁
・礼
・信と誠
・名誉
・忠義
生命は主君につかえるための手段として考えられ、理想的ありかたは名誉におかれていた。
また武士において特筆すべきは、切腹と