新渡戸稲造のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ・・・「あなたのお国の学校には宗教教育はない、とおっしゃるのですか」と、この尊敬すべき教授が質問した。「ありません」と私が答えるや否や、彼は打ち驚いて突然歩を止め、「宗教なし!どうして道徳教育を授けるのですか?」
・・・私は、私の正邪善悪の観念を形成している各種の要素の分析を始めてから、これらの観念を私の鼻腔に吹き込んだものは武士道であることをようやく見出したのである。
上記は本書第一版の序文からの引用ですが、著者(新渡戸稲造)と留学先の教授との会話の一幕です。これが、著者が本書を執筆したモチベーションだといって差し支えないと思います。
欧米においてはキリスト教が民衆の倫理観念の根底に位置す -
Posted by ブクログ
ネタバレ無駄な余談に走ることがなく、武士道という漠然としたものをキーワードに分けて定義付け。そして、ビックリするほど理路整然として客観的な見解!不安げにあたりを見回す読者に対してスマートにエスコートしてくれるジェントルマンに見えてきてしまった。
加えて日本だけでなく、海外の学者や聖書の言葉まで引用しており、武士道への理解を深めて貰おうとする工夫の仕方が素直に凄かった。次々と繰り出されるもんだから注釈を見るのに忙しかったし、相当な読書量やなと脱帽。さすが国連事務局次長!
(天皇を「天上の神の代理人」と表していたのには時代を感じた)
個人的にささったのは「名誉」の章。(英語版では“honour”)`
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Posted by ブクログ
2021/09/09
道徳が価値をなさなくなった、などと耳にすることがある。果たしてそうだろうか、と考え直す契機となる一冊だ。
新渡戸稲造が生きた時代は、現代同様に大きな荒波に揉まれるような状況にあった。そんな中で彼は「武士道」について、多様な西洋思想と比較しながら検討した。
訳版ということもあり、内容も噛み砕かれてあって理解し易い作りだった。そもそもの構造がロジカルで、違和感を感じない。
この一冊を読み、「自身が何に価値を置くか、考え続ける」ことが重要だと思った。脈々と流れる大和魂は現代においては、ただの役立たずかもしれない。だが、その中から学ぶべきことがあるのも事実だろう。 -
Posted by ブクログ
以前現代語訳版で読んだが、今回はなかなかに理解するのが困難であった。言葉自体が難しい為、辞書と共に読み終えた。
しかし、こちらの方が現代語訳版よりもより著者の考えを感ずる事が出来るような気がした。
日本人の道徳感はどのように醸成されてきたのか。宗教教育のない日本で道徳はどう教育されるのか。
日本には武士道精神があり日本人には遺伝的にその道徳観念があると書かれている。
内容はよく理解出来たし、少なからずその思想は自分にもあるかと思うところもある。ただし、意識してそのような考え方行動をしているかと言うと難しい。
本書の全てを肯定するわけでもないが、日本人として外国に対し劣等感を持つ必要は