新渡戸稲造のレビュー一覧
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まとめ&感想かいてみました
☆成り立ち
武士道は儒教思想や神道、仏教から忠臣愛国の精神や死を受け入れる諦観さ、長幼の序などの各思想の影響を受けていること
☆武士道の内容
義、忠、礼、勇など※それぞれの関係は整理できてない
☆武士道が与えた影響
→武家の女子。進んで自らの人生を自分の家庭に捧げる
→一般民衆にも義や忠、礼などの内容は受け入れられることになる。憧れでさえ
☆武士道の未来
盛者必衰の理。長くは続かないかも。
しかし、その精神はどこかに残り続けるだろう(?)
☆感想
鎌倉〜江戸時代の700年間日本の封建社会と共にあった武士道精神は、母たる封建社会制度を失いもはやその面影を探 -
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日本の道徳の規範はなんであったか?
その精神の源流に迫るという意味では、日本人として一読はしたい一冊。「緒言」を読むだけでも日本人であることに誇りを持てる。新渡戸が紙幣の顔になったことにも自然と頷ける。
ただここで注意したいのは、その精神はずーっと変わらず民族の中にあるのだと新渡戸は言う。
ここで思ったのが、昨今の日本が無理に西洋の個人主義思想に傾こうともがき苦しんでいるように見えること。組織から離れ、自由になり、個人として生きていく。YouTuberや脱サラ、フリーランスのワードが流行ってるのもその例だろう。しかし、日本人の源流である精神には合わないから、「なりたくてもなれない」→ 「な -
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新渡戸稲造の豊かな知識に、まず驚かされる。
今のように、スマホがあれば調べたいことがすぐにヒットする時代ではない。明治から大正にかけてのあの時代で、縦にも(時系的に)横にも(地理的に)ここまで博識な人はいただろうか。
さまざまな事例を挙げて、キリスト教や騎士道などと比較しながら武士道について説明しているのだが、とにかくわかりやすい。日本人特有の感性や価値観、生き方には当然今のわたしたちにも通じるものがあり、納得できた。
新渡戸稲造は最後に、武士は居なくなっても、その精神は消えないだろうと思っていたはずである。そして今、私たちの道徳的観念としてきちんと武士道は根付いているのだと思った。
ただ -
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武士道を著したことで有名な新渡戸稲造。
彼が書いた武士道が武士という支配階級を通じて日本人とは何かを海外向けに記述されたものとするれば、本書はその反対。
日本に住む一般市民に対してこう生きるべきであるという指針を示すのが本書である。
今から100年以上前に記載された本であるが、その中で考える心の修め方は現在でもそのまま言えるものが多いと思う。
テーマは
・青年の特性・青年の立志・職業の選択・決心の持続・勇気の修養・克己の工夫・名誉に対する心がけ・貯蓄・読書法・逆境の心得・順境の心得・世渡りの標準・黙思など
以下、心に残ったこと。
・修養ある人の言行は一見、平凡である、その実、どこかにおいて -
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1900年に英語で出版された『武士道』は、日清戦争に勝利して国際的地位を上げようとしていた日本という国が、その文化と精神性が世界でほとんど理解されていなかったことを新渡戸が危機感をもち、世界に発信するこほを目的として出版されたものである。英題は”Bushido: The Soul of Japan”。1905年の日露戦争の講和条件についてのポーツマスでの交渉の前に、仲介役の米国に対して日本の道徳的に当時の先進国に劣るものではないことを示すためにもこの本は使われたと言われる。時は下って、セオドア・ルーズベルトやJ.F.ケネディといった米国大統領もこの本を読んだと言われており、代表的日本論としてそ
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ネタバレ岩波文庫の武士道は昔(大学時代だったか?)に読んだことはあったが、久々に改めて読んでみようと思ったところ、この現代語訳がちくま新書から2010年に刊行されていたので購入してみた。
流石に読みやすい。岩波文庫は現代であまり使われない表現などがあり、なんとくで理解していたと思う。
最後に解説でもまとめられていて良い。
「武士道」は武士の考え方、というものよりは日本人の思想がまとめられたものと感じる。
新渡戸稲造が述べる「礼」について『長い苦難にも耐え忍び、新設で妬みの心も持たず、誇らず、驕らず、非礼を行わず、自分の利を求めず、慢心しない』は、武士道を読んだあとからよく思い出す一文である。
武士道は -
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恥ずかしながら、お札にまでなった新渡戸稲造がいったい何をした人なのか知らなかった。
日本人の道徳観を世界に向けて発信した本書は、武士道をキリスト教や西洋の文学、哲学などと比較しながら、決して野蛮なものではなく、欧米の道徳観と比べて勝るとも劣らないものである事を説く。
海外の人と付き合っていると、想像以上に日本への関心が高い事に驚く。経済的な力が衰えてもなお、文化的な側面への興味は尽きない。日本文化に対する尊敬の背景にあるのは過去の偉人の努力の賜物である、と改めて感じた。
開国の時代を生きた人の生の声、切腹を見た外国人による記録など、今を生きる日本人にとっても刺激的な内容が多い。 -
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ネタバレ武士道は中学生の頃に一度読んだがよく理解できなかった。
ので、十数年ぶりに再読するためにこちらを購入した。
非常に読みやすく、今回はとりあえず理解できた(はず)。
武士道はすばらしく美しい構造を持っているが、
これを現代で貫こうとするのはやはり困難である。
単純で稚拙な感想かもしれないけど、
むしろせっかく現代を生きているのだから
西洋的思考とこの武士道感覚をうまく混ぜ合わせ、
それを自身の言動に反映させたいと思った。
個人的には「礼」についての記述が好きだった。
「礼儀は慈愛と謙遜という動機から生じ、他人の感情に対する優しい気持ちによってものごとを行うので、いつも優美な感受性として表わ -
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小宮一慶先生著書からのリファレンス。全然、想像していた内容と違っていた。ノルマン人支配下のイギリス、ウィルヘルム二世配下のドイツ、はたまたギリシア神話にいたるまで深い欧米の歴史に関する知見をして、飽くまで武士道の輪郭を客観的に浮き立たせていきます。この書籍の序文が書かれた1899年の約10年前、新渡戸博士はベルギーの法学者ド・ラブレー氏と数日過ごした折、日本の学校に宗教教育がないことに驚かれてしまう経験があり、以降の葛藤が本書著作のきっかけであったと述べられています。
これが誰に当てられた著作であったか。そう思いを巡らせてみれば、他ならぬ日本人であることに理解を得ながら世界に出ることを求められ