新渡戸稲造のレビュー一覧

  • 新訳 武士道 ビギナーズ 日本の思想

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    武士道の定義。武者がその任務において、または日々の暮らしにおいても従うべき規範。
    無形のものであるから一層強く武士の行動を拘束し、心に刻み込まれた。
    戦いにフェアプレイ。やトム・ブラウンの決して小さな子をいじめもしなければ、大きな子に背を向けて逃げ出すこともしなかった。
    武士道が過去の日本の一階級の文化でありながら、現代人にも理解、共感できるような精神的内容のものであること。また西洋社会においても騎士道という共通する性格の文化があったこと。つまり武士道の本質は決して歴史的、民族的に限定された特殊なものではなく、どんな時代、どんな民族にも通用するような普遍的なものであると言う新渡戸の基本的な考え方がある。
    武士道の思想的根拠は儒学であることを述べているが、さかのぼって仏教や神道の影響がある。
    義とは武士がことにあたってどう行動すべきか、その判断の根拠となる考え方を言う。
    一方、義から派生した義理には義本来の倫理性が形式化されることにより、歪められ、むしろ正義を損なう詭弁や偽善に堕落する危険があることが強調されている。
    武士にとって勇気は真っ先に要求される資質であるが、その前提には義があること。義がなければどんなに勇猛な行動も乱暴狼藉と変わらない。
    慈悲は武士道を支える最高の精神的、人格的徳。純粋に自発的な心の動きに従ってのものである。新渡戸はこの慈悲の心こそ、勇や義以上に根本的なものであるとした。このことは武力からスタートした武士道を人格による感化を基本とする徳治の文化に昇華した。
    礼は他者の思いやり。
    忠誠は武家社会を支える根幹ともいうべき倫理。主君に対する絶対的服従、献身を意味する。事例として挙げられた菅原道真公の寺子屋の話は主従関係を知らないとなかなか理解出来ないと感じた。
    自制。心を平静に保つこと。
    日本人の曖昧な微笑みはこの自制の表れとして新渡戸は説明しようとしている。
    自死と仇討ちの章は今回きちんと読み進められなかった。私にとってはつらいものであった。
    刀。抜かざる刀こそ究極の伝家の宝刀。
    女性。武士道に女性に関する章があるとは知らなかった。女性も武士同様の心得を求められていること。ただ当時は性差を感じる記述があり、役割分担とされている。これは区別ではない。ことを力説している。
    武士道の影響。男性ばかりでなく女性にも。そして平民階級にも受け入れられ、影響を及ぼした国民文化であることを説いている。

    著者新渡戸自身は国際結婚をし、女性の教育にも力を入れておられたことを知ると、武士道に女性のことが書かれていることもよく分かる。

    以前から読みたかった著作。解説文が章ごとに書かれており、読み進めやすい。今後も時々読みたい。

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    2022年07月10日
  • 武士道

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    参考文献として読んだ。思っていてより面白かった。アメリカ化に走る現代において、読む価値のあるものだと思う。

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    2021年06月16日
  • 武士道 いま人は何を考え、どう生きればいいのか

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    日本人の精神性や美学は武士道にもとづいていることを知ることができます。多岐にわたる引用や宗教学的な分析は明治時代に書かれたとは信じられないくらい示唆に富みます。
    自分の国を知ることは、自分の自己を知るために不可欠。自分を知るための一冊。

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    2021年05月09日
  • 逆境を越えてゆく者へ 爪先立ちで明日を考える

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    逆境を越えてゆく者へ
    爪先立ちで明日を考える
    著:新渡戸 稲造
    編:実業之日本社
    出版社:実業之日本社

    「牛の歩みのように遅くてもいいから、一歩一歩と進み続ければやがて必ず千里の遠きに達することができる」 本書は、東日本大震災によせて復刊されたことを知る。平易で、わかりやすく、100年前に書かれたことに驚きを禁じ得ない。

    目次

    発刊に寄せて 東京女子大学学長 眞田雅子

    第1章 逆境を越えてゆく者へ

     第1節 そもそも逆境とは何か
     第2節 逆境にある者が陥りやすい危険
     第3節 どのように逆境に立ち向かってゆくか
     第4節 逆境の善用で精神を鍛える

    第2章 人生の危機は順境で起こる

     第1節 順境にあるとついつい油断が生まれる
     第2節 順境にある者が警戒すべき危険
     第3節 どのように順境に対処するか

    第3章 決心を継続していくということ

     第1節 決心の継続は大事をなす基
     第2節 決心を継続するためにすべきこと
     第3節 継続心を妨害する外部要因

    第4章 四つの力を貯蓄する

     第1節 貯蓄と蓄財は異なる概念
     第2節 金銭の貯蓄は卑しいことではない
     第3節 大きな目的を達成するに役立つ体力の貯蓄
     第4節 事が起きた時に活きる知識の蓄積
     第5節 最も大切な徳の貯蓄

    第5章 臆病を克服する工夫

    第6章 人生の決勝点

    ISBN:9784408108964
    判型:4-6
    ページ数:216ページ
    定価:1500円(本体)
    2011年07月06日初版第1刷発行
    2012年03月08日初版第5刷発行

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    2021年05月02日
  • 武士道

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    この本は新戸部が、日本に宗教教育はないのに日本人はどのように道徳を学ぶのか問われたことに対して書いたもの
    武士が当時の日本人の道徳的模範となっていた
    知識は学んだものの心に同化して初めて真の知識
    義に過ぐれば固くなる、仁に過ぐれば弱くなる
    義理は正義の道理であり第二義的、礼儀作法は精神的規律の単なる外衣
    →内側の魂の重要性
    忠義は奴隷となることではなく、その良心に従って主君に仕えること
    良心を積み重ねていった証が名誉であり、名誉を何より大事にしたのはその良心を保障するものであるから
    当時の女と男の関係は、武士と主君の関係であり、決して奴隷関係ではない
    当時は個人主義ではなく、家柄や家族は分かち難い一塊とみなされていた。だからこそ名誉を優先
    ただ考えを押し付けるのではなく、その人、文化特有の背景を考慮した関わり方。この本も世界各国の文化的背景を踏まえて(様々な引用)武士道を普遍化し説明したからこそ、世界的な理解や評価を確立。
    武士道は、無数の行動の選択肢の中から選択する軸となるもの

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    2021年03月07日
  • 武士道

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    まとめ&感想かいてみました

    ☆成り立ち
    武士道は儒教思想や神道、仏教から忠臣愛国の精神や死を受け入れる諦観さ、長幼の序などの各思想の影響を受けていること

    ☆武士道の内容
    義、忠、礼、勇など※それぞれの関係は整理できてない

    ☆武士道が与えた影響
    →武家の女子。進んで自らの人生を自分の家庭に捧げる
    →一般民衆にも義や忠、礼などの内容は受け入れられることになる。憧れでさえ

    ☆武士道の未来
    盛者必衰の理。長くは続かないかも。
    しかし、その精神はどこかに残り続けるだろう(?)


    ☆感想
    鎌倉〜江戸時代の700年間日本の封建社会と共にあった武士道精神は、母たる封建社会制度を失いもはやその面影を探すのが難しい世の中になっていると思われる。
    本書で、明治時代開国してまもなく武士道精神はもはや廃れている旨の記述を見かけた気がするが、大東亜戦争(太平洋戦争)で、勝てる見込みのないアメリカに対して開戦し、敗戦間際には特攻隊で尊い命を犠牲にしてまで国を守り明治天皇と日本の将来を守った当時の日本人の中にはこの精神はまだ残っていたのではないだろうか。 


    誇り高き日本の明るい未来を作るために私は働きたいです。日本、万歳!

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    2021年02月16日
  • 武士道

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    日本の道徳の規範はなんであったか?
    その精神の源流に迫るという意味では、日本人として一読はしたい一冊。「緒言」を読むだけでも日本人であることに誇りを持てる。新渡戸が紙幣の顔になったことにも自然と頷ける。

    ただここで注意したいのは、その精神はずーっと変わらず民族の中にあるのだと新渡戸は言う。

    ここで思ったのが、昨今の日本が無理に西洋の個人主義思想に傾こうともがき苦しんでいるように見えること。組織から離れ、自由になり、個人として生きていく。YouTuberや脱サラ、フリーランスのワードが流行ってるのもその例だろう。しかし、日本人の源流である精神には合わないから、「なりたくてもなれない」→ 「なってる人がインフルエンサーとして支持を集める」構造が成立しているのだと思う。個人主義に無理に傾倒しなくてもいいんじゃないかなー。

    閑話休題。

    本文に入るとまず思うのが、比喩は美しければ、引用も的を得ているし、さらにそれを使いこなすだけの教養の広さが凄まじいということ。(専門家からはそこに批判があるようだが)

    個人的な疑問として、無数の西洋古典から引用することで日本の道徳が普遍的なものであるであることと、日本固有の道徳があることを論じるところに矛盾を感じたのだが、僕の読解力が及ばなかったのかな…?
    普遍的なものと、固有のものが両立しているって考え方なのか?

    以下に面白いと思った点を列挙する。
    ・贈り物に対するアメリカ人と日本人の意識の差
    ・茶道は最も経済的な動きに美を見出すこと
    ・差し迫る危険の中で歌を吟ずること。勇気。
    ・ローマ帝国衰退の一因は貴族が商業に従事するようになったこと。士農工商に分けるのは合理的な考え方。
    ・日本は名誉のために死を厭わない。名誉心が特に強い民族なのでは?
    ・日本人は厳しい状況下で笑顔をつくる。笑は逆境に乱される心のバランスを保とうとすること。
    ・武士の自殺はソクラテスの自殺と原理は同じ。
    ・ヨーロッパ人は薔薇、日本人は桜。

    「薔薇が甘美の下に刺を隠せること、その生命に執着すること強靭にして、時ならず散らんよりもむしろ枝上に朽つるを選び、あたかも死を嫌い恐るるがごとくであること (中略) 我が桜花はその美の下に刃をも毒をも潜めず、自然の召しのままに何時なりとも生を棄て、その色は華麗ならず、その香りは淡くして人を飽かさせない。」


    最後の節での武士道の将来に対する新渡戸の語り口はなんだか寂しげであった。


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    2020年09月05日
  • 修養

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    これはいい!何度となく繰り返し読みたい本になった。明治44年、100年以上前に刊行されたもので、時代の違いを補ったり、当てはまらなかったりするものもあるが、多くは普遍的で大いに参考にしたいと思わせる内容だった。

    修養とは修身養心、身と心の健全なる発達を図るのがその目的だとある。ものの考え方、捉え方、心構え、その実践にあたっての心得も著されている。

    特に、「迎年の準備」は、毎年忘れずに実践したい。ふり返り、感謝、決心の改め、の大切さ。

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    2020年04月19日
  • まんがで人生が変わる! 武士道 世界を魅了する日本人魂の秘密

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    子育て中の自分には大変参考になる本だった。
    まず日本ではなくて米国で出版された事に驚き。
    また、海外の道徳教育は宗教に拠る所が多いが、宗教が浸透していない日本では昔ながらの武士道(心技体とでも言うのか)がそれを担ってると言う部分は大変感銘を受けた。
    確かに今の子供たちは昔のように厳しく躾がされておらず、それが日本のアイデンティティを薄くしているように感じる。もちろん、グローバル社会ではいい面もあるが、個人的には(うまく言えないが)無くしちゃいけないものを無くして行っている感じがする。

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    2020年01月04日
  • 現代語訳 武士道

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    人として、社会人として、武士道をまっすぐに捉えて生きたい。
    現代語訳はとても読みやすく、また時間が経ったら読みたい一冊。

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    2019年10月25日
  • 武士道 いま人は何を考え、どう生きればいいのか

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    新渡戸稲造の豊かな知識に、まず驚かされる。
    今のように、スマホがあれば調べたいことがすぐにヒットする時代ではない。明治から大正にかけてのあの時代で、縦にも(時系的に)横にも(地理的に)ここまで博識な人はいただろうか。

    さまざまな事例を挙げて、キリスト教や騎士道などと比較しながら武士道について説明しているのだが、とにかくわかりやすい。日本人特有の感性や価値観、生き方には当然今のわたしたちにも通じるものがあり、納得できた。
    新渡戸稲造は最後に、武士は居なくなっても、その精神は消えないだろうと思っていたはずである。そして今、私たちの道徳的観念としてきちんと武士道は根付いているのだと思った。

    ただ、忘れられつつあるのも事実だ。
    今を生きるわたしたちが、日本人に根付いてきた武士道を思い起こさなれけばならない。未来の日本のために。

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    2019年02月19日
  • 現代語訳 武士道

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    新渡戸稲造の『武士道』を読みやすくわかりやすい現代語に訳した本。

    『武士道』は「日本では宗教教育なくして、どのように道徳教育をしたのか」という外国人の疑問に応える意味で書かれた、外国人に向けた日本文化論の本です。

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    2019年02月18日
  • 逆境を越えてゆく者へ 爪先立ちで明日を考える

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    逆境のときは、天が自分の力をためす機会を与えてくれたものだと思って楽しみ、順境のときは決して驕らず、逆境に在ったときを思い出す。そのような認識はあるが、油断しているといつでもその逆で、逆境を恨み、順境で慢心している懲りない自分がいる。自己啓発の名著を読むと、いつも甘えた精神に喝を入れられた気持ちになるが、この気持ちを忘れぬようにせねばと思う。

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    2018年11月04日
  • 修養

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    新渡戸稲造と言えば『武士道』はよく知られているが、『修養』の方はあまり知られていないように思う。(自分も最近まで知らなかった)

    かなりの名著だと思う。新渡戸稲造の人生観を知るには『武士道』より良いかもしれない。

    詳しくは読んで欲しいが、新渡戸稲造という人物の鋭い洞察力、教養の広さ深さをうかがい知ることができる。古いと感じるところがなく、間違いなく現代人にも通用する内容である。

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    2018年10月11日
  • 修養

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    武士道を著したことで有名な新渡戸稲造。
    彼が書いた武士道が武士という支配階級を通じて日本人とは何かを海外向けに記述されたものとするれば、本書はその反対。
    日本に住む一般市民に対してこう生きるべきであるという指針を示すのが本書である。
    今から100年以上前に記載された本であるが、その中で考える心の修め方は現在でもそのまま言えるものが多いと思う。

    テーマは
    ・青年の特性・青年の立志・職業の選択・決心の持続・勇気の修養・克己の工夫・名誉に対する心がけ・貯蓄・読書法・逆境の心得・順境の心得・世渡りの標準・黙思など

    以下、心に残ったこと。
    ・修養ある人の言行は一見、平凡である、その実、どこかにおいても大きな違いがある。
    ・将来為すべき希望抱負に富み、かつこれを断行する志望と元気あるものがすなわち青年である。
    ・大人はその赤子の心を失わざるものなり(孟子)
    ・心はシンプルで虚飾なくあれ
    ・死力を尽くして守るべき領分を忘れてはならぬ。
    ・縁の下の力持ちができる覚悟のものでなければ、大事を成すことはできぬ。
    ・自分の性質がその職業を好むかどうか、適当するかどうかを見て、決定するのが最も大切である。
    ・親切に観察してくれる人に進路を相談すべし
    ・名を歴史より地理に刻め
    ・親の意思に反して出京したなら、親に背いただけの弁償を払う(成果を上げる)が至当。
    ・たいていの仕事はもう一息という大切な場合になって、嫌になりがちである。それを我慢すれば必ず目的を遂げる
    ・善事を行わんとするときは、ああ、平生期しているのは「ここだな」と力を入れて行う。
    ・継続心の修養という原則に従って行うと、つまらないことでも奥行きが深くなる。
    ・人に嘲笑されるのは何よりも継続を妨げるに有用。そんなやつは殴る。
    ・正義に基礎を置かない勇気は匹夫の勇である
    ・良好なことは自分にとってもったいない。いずれ悪いときがくる。その時にはどうするかを考えて早く決心する。
    ・悲惨な事情を想像し浸り、それに比べれば日常の苦痛など。。と考える。
    ・これは俺の出る場所でない。俺の現れる幕はこの次だと。考えるのも勇気
    ・克己は己の身を犠牲に供するというように、己を捨てる義にも解したい。
    ・怖気は第一の原因ではなく、ほかの原因から起こった結果である。
    ・犠牲は進歩の法則にして、利己は不生産的なり
    ・人の行為を促す強い動機に、色情、利益、権力、名誉がある
    ・自分の可と信ずるところ、義とするところを履み行い、その他は天の判断にゆだねる。
    ・毀誉、褒貶、愛憎は生命に付随する。
    ・一番大切なことは誰にでもできることである。(積徳)
    ・いかなる人でも必ずそれぞれ相当した逆境がある。外よりは得意らしく見えても、心の内には泣いていることが多い。
    ・逆境よりやけになるときは「はて、この先は・・」と考える。
    ・逆境にあるものは「もう少しだ。もう少しだ。」と思うて進むがよい。
    ・境遇そのものに順とか逆の性質が、絶対的に付随しているものではない。
    ・死は軽い。生は重い。
    ・人生の目的は、自分の精神がいかなる態度にあるかの点に、重きを置くべきである。
    ・その職業だけより他に考えがなければ、とてもその職業を全うすることはできない
    ・職業はどうであれ、一個人として、人間として世を渡るに、天を楽しみ地を楽しむというようになれば、実に愉快な人である。
    ・座禅とは事に及んで、一歩引いて見れるようになること
    ・人生に悲哀のあるのは、酸味の中に甘みがあるのと同じである。
    ・専門と全く関係ない研究をすることは必要。

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    2018年07月03日
  • 現代語訳 武士道

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    古い日本語版武士道より読みやすく、古い日本語版を読んでいた事もあり理解し易かったです。
    この現代語訳武士道の第1版が2010年に出版されたので、それまでは、古い日本語版しかなかった事を思うと、現代に生きる日本人にとって現代語訳版の方で多くの人に読まれると良いと思います。
    本書の最後に書かれてる解説は、本書を解釈する助けになりました。

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    2018年04月06日
  • 現代語訳 武士道

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    1900年に英語で出版された『武士道』は、日清戦争に勝利して国際的地位を上げようとしていた日本という国が、その文化と精神性が世界でほとんど理解されていなかったことを新渡戸が危機感をもち、世界に発信するこほを目的として出版されたものである。英題は”Bushido: The Soul of Japan”。1905年の日露戦争の講和条件についてのポーツマスでの交渉の前に、仲介役の米国に対して日本の道徳的に当時の先進国に劣るものではないことを示すためにもこの本は使われたと言われる。時は下って、セオドア・ルーズベルトやJ.F.ケネディといった米国大統領もこの本を読んだと言われており、代表的日本論としてその名が上がる『菊と刀』を書いたルース・ベネディクトもこの本の影響を受けたと言われている。ベネディクトの『菊と刀』における罪の文化と恥の文化の比較は、信や名誉を論じた『武士道』の章を読めばその影響は明らかであるように思われる。旧五千円札の肖像にも使われた新渡戸稲造だが、そのゆえんを示す本である。

    なお、新渡戸は『代表的日本人』の内村鑑三と同じく札幌農学校に学び、キリスト者となった。序文にもある通り、この本を書くきっかけが、海外の学者に日本に宗教教育がないのにいかにして道徳教育が授けられるのかと問われたからだという。今でこそ無宗教であると言っても、おそらく少なくともビジネス社会では受け入れられるが、それこそ20年前のアメリカにおいては無宗教であることは道徳教育の観点からも何らかの説明が必要なことであったようだ。

    『武士道』に書かれた規範が生まれたのは、太平の世が長く続いた江戸時代である。その意味でも、「武士道」の道徳や精神性は平時における日本人の精神性を表していると言える。「武士道」は、仏教や神道、孔子や孟子の思想、朱子学、陽明学などの精神をよく継承をしているが、どこかに明文化されているものではなく、それだけにいっそう日本人の内面に刻み込まれた規範として承知され行動を拘束するものであったとされる。

    本書は全十七章から成り、「道徳体系としての武士道」「武士道の源泉」「義」「勇気」「仁」「礼」「信と誠」「名誉」「武士の教育」「克己」「切腹と敵討の精度」「刀、武士の魂」「女性の教育と地位」「武士道の影響」「武士道はまだ生きているか」「武士道の未来」といった章からなっている。各章の終わりには次の章のテーマが触れられており、そのため全体の流れもよく練られた感じを出すことに成功している。この本を非母国語である英語で書いたという事実は、明治期の知識人の行動と能力の高さを示すものであり、素直に感服するところである。

    同時期に読んだマキャベリの『君主論』と比べるとよくわかるが、「武士道」の内容は為政者の戦略や思想としては、明らかにナイーブであり、性善説によって立ちすぎである。「敵に塩を送る」という諺のもとにもなった上杉謙信が敵である武田信玄に塩を送ったことを勇気や仁の心を示す高貴な模範であるということからも『君主論』の内容との明確な違いがよくわかる。また、「武士道」のロジックは、周りや相手も基本的には同じ考えを持ち、さらに周りとの関係性が継続することが前提である。このことから、同質性と閉鎖性がひとつの特徴でもあると言われる日本人の心性に思ったよりも影響を与えているのかもしれないとも思う。

    また、武士道が金銭ひいては商業を卑しきものとして低く見ていたことも、武士階級自体にも悲惨な影響を及ぼしたし、日本人がビジネス上であっても他者との交渉が比較的苦手と言われることにも影響をしていると言える。新渡戸自身も「現代には、金権支配がなんと急速に蔓延してしまったのだろうか」と嘆くあたり、金銭から距離を置くことを嗜みとして美徳であるという感覚を共有していたことがわかる。近代においても倹約が美徳とされていたのは自分の子供の頃の教育環境として空気のようにそこにあった。このことは日本の国際競争力の観点からはあまり好ましくないようにも思われるのだ。

    本書の内容のうち、海外においては特に、幼い兄弟の切腹の描写と家臣の子供が幼君主の身代わりとなったことを両親が誇りとする話が欧米からはグロテスクだと感じると言われるらしい。ときに忠義が生命よりも大事だとされたハラキリの文化を持つ国であるという認識は、新渡戸がそう意図しなかったにせよ、太平洋戦争終盤において米国が日本の徹底抗戦を想定し、結果として核兵器を使用する根拠にも使われたとも言われる。

    新渡戸稲造は、当時において武士道の内容を海外に伝えるにおいて、その知性や語学力(奥さんがアメリカ人であった)からしてもっとも適切な人物であったと言えるが、日本文化研究者であったわけではなく、その内容についても批判されるところがあるという。しかしながら、その歴史的影響について考えると内容そのもの以上の意義があると思われる。もちろん、内容についても疑義がある箇所があるにせよ当時として十分に考慮されたものとなっており、日本人である自分にもいい意味でも悪い意味でも相当に当てはまるところがあると感じる。先の切腹や身代わりの話にしても、それが正当であるとは思わないが、そこには「わかる」という感想を持つことができる。日本以外で育った人にもどう感じるのか聞いてみたいものである。


    たとえば、「義を見てせざるは勇なきなり」という言葉がある。持っておきたい心意気でもある。

    新渡戸は、「武士道の余命の日々はすでにカウントされている」と言う。それでも、「その力は、この地上から滅び去ることはないだろう」とも宣言する。どんなものでも同じことなのかもしれないが、武士道に関しても、場面によってまだまだ十分に規範とすべきものもあるだろうが、場面によっては当てはめるべきではないところもあるだろう。それにしても、江戸時代を通して明治期までの道徳・倫理を拘束していた規範は、想定しているよりも多くのところに影響を与えているかもしれない。その意味でもいまだ興味深く読むことができる本。古典も悪くない。

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    2023年07月29日
  • 現代語訳 武士道

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    ネタバレ

    岩波文庫の武士道は昔(大学時代だったか?)に読んだことはあったが、久々に改めて読んでみようと思ったところ、この現代語訳がちくま新書から2010年に刊行されていたので購入してみた。
    流石に読みやすい。岩波文庫は現代であまり使われない表現などがあり、なんとくで理解していたと思う。
    最後に解説でもまとめられていて良い。
    「武士道」は武士の考え方、というものよりは日本人の思想がまとめられたものと感じる。
    新渡戸稲造が述べる「礼」について『長い苦難にも耐え忍び、新設で妬みの心も持たず、誇らず、驕らず、非礼を行わず、自分の利を求めず、慢心しない』は、武士道を読んだあとからよく思い出す一文である。
    武士道は「義・勇・仁・礼・信(誠)・名誉・忠義」の7つで記述されているが、もっとも「礼」が心に残る。
    それもあって、武士道のなかに登場する小笠原流の礼儀作法の本を何冊か読んだほど。
    究極のところ「礼」とは『自分を顧みない相手への思いやりである』というのがわたしの理解。
    新渡戸稲造が述べている「その最高の形においてはほとんど愛に近づく」というのも納得。
    作法とは礼儀のための動作であるが、その作法を意味を理解すれば、それは相手への思いやりであることがわかる。剣道や柔道などの黙想も、何故それが必要かをはじめは理解できずに真似ているが、道を極めればその意味がわかるという。

    因みに、うちの祖父はよく新渡戸稲造のことを口にしていた。その興味もあって最初に岩波文庫を手に取ったのだと思う。
    今では何故、そんなに新渡戸稲造のことを口にしていたのかは聞くことはできないが、尊敬していたのかな、と思う。

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    2017年09月25日
  • 現代語訳 武士道

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    日本人の誠実さの原点を復習。
    これからも守っていかなければならない日本民族の特質を再認識した。
    キリスト教と類比している部分は少し違和感があるが、様々な文献も引用していて、さすが知識人です。
    分かりやすい訳で読みやすい。

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    2017年01月31日
  • 武士道 いま人は何を考え、どう生きればいいのか

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    ネタバレ

    武士道は中学生の頃に一度読んだがよく理解できなかった。
    ので、十数年ぶりに再読するためにこちらを購入した。
    非常に読みやすく、今回はとりあえず理解できた(はず)。

    武士道はすばらしく美しい構造を持っているが、
    これを現代で貫こうとするのはやはり困難である。
    単純で稚拙な感想かもしれないけど、
    むしろせっかく現代を生きているのだから
    西洋的思考とこの武士道感覚をうまく混ぜ合わせ、
    それを自身の言動に反映させたいと思った。

    個人的には「礼」についての記述が好きだった。

    「礼儀は慈愛と謙遜という動機から生じ、他人の感情に対する優しい気持ちによってものごとを行うので、いつも優美な感受性として表われる。礼の必要条件とは、泣いている人とともに泣き、喜びにある人とともに喜ぶことである。」

    そして、これに伴う炎天下での会話のエピソードは最も好きなところだ。

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    2015年05月04日