新渡戸稲造のレビュー一覧
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春に一気に咲き誇り、潔く散りゆく桜を見るたびに、読み返したくなるのではないかと思います。
本書を手に取ったきっかけは、本村凌二さんの『教養としての「世界史」の読み方』の中にあった「古代地中海世界に一〇〇〇以上あった都市国家の中で、なぜローマだけが大帝国になり得たのか。十九世紀後半、欧米列強が植民地化を進めるアジアで、なぜ日本だけが植民地支配を免れ独立を保つことができたのか。」という問いです。その問いに対する一つの仮説として「ローマでは「父祖の遺風」、日本では「武士道」という、精神の柱とでも言うべきものがあったからではないか」と提示されており、興味を持って手に取りました。
また、新渡戸稲造が -
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<読み始めた背景>
最近話題になったディズニー作品の『SHOUGUN 将軍』きっかけで、「武士道」とは何なのか。当時大事にされていた考え方や価値観はどのようなものなのか気になり読み始めました。
<内容>
本著は、1899年に新渡戸稲造が英文で出版したものを翻訳して出版された本です。
西欧の騎士道やキリスト教、儒教や陽明学など他の宗教の教義や行動規範とを比較しながら武士道の根源と封建制度との関わり、そして日本社会に及ぼした影響などが書かれています。
<特徴(少しネタバレ)>
この本は1世紀以上前に書かれた英語原文を翻訳しているため、少々古い言葉や難しい単語が使われています。それを調べな -
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序文で読んだ内容で刺さった箇所が僕には十分だった。ベルギーのラヴレー氏との会話が宗教の話題に及んだ。「あなた方の学校では宗教教育というものがない、とおっしゃるのですか」と尋ねられた。私が「ありません」という返事をすると、氏は驚きのあまり突然歩みをとめられた。そして容易に忘れがたい声で、「宗教がないとは。一体あなた方はどのようにして子孫に道徳教育を授けるのですか」と繰り返された。
これを読んで日本人である自分の大学で一単位だけ学んだキリスト教学の判定が良であったことを思い出した。
最近この国では宗教がさまざま現れて、寧ろ超えられないと感じる。
武士道からだ著者が学んだことをこれから暇暇に呼んでい -
Posted by ブクログ
武士道とは何か、日本の武士道精神そのものと、それが日本人の心や動作に浸透してきた背景が理解できる。著者が明治維新後30年くらいで外国人向けに書いたという視点で意識して読むと良いと思った。
時代が違うので当然価値観も違うが、少なくとも今でも日本人の心に受け継がれてきているものもたくさんあり、またそれは武士道の元になっている神道や仏教、儒教から今に受け継がれているものも多い。そういった先人の教えを武士道の視点から学べることはためになる。
学びメモ
・知識というものは、これを学ぶものが心に同化させ、その人の品性に表れて初めて真の知識になる。知識はそれ自体が目的とはならず、あくまで知恵を得るための手 -
Posted by ブクログ
今日の会話の中で私たちは、「彼は侍だ」とか”大和魂”という言葉を使うことがある。しかし、それが何を示すのか明確な定義を教わることはなく、経典のようなものも少ない。だから、著者である新渡戸稲造はこれらを日本人に受け継がれる精神”武士道”として、まとめたのである。
孔子の教えである「五常の徳(仁・義・礼・智・信)」または「八つの徳(忠・孝・悌)」が武士道の基盤となっている。義は人の心、礼は礼儀作法・所作を指し、仁や義を型として表すことである。仁は人の良心、慈悲の心のことを言う。伊達政宗は「義に過ぎれば固くなる。仁に過ぎれば弱くなる。」の言葉を遺している。仁義のバランスを取ることが大事であると